バラの街ヴィスビュー
9月16日から21日まで遅めの夏休みをとり11年ぶりのスウェーデンに行ってきました。
何処へ出かけるにしても人混みを避けたい性分丸出しで、オフシーズンに入ったばかりのゴットランド島Visby(ヴィスビュー)へ。
夏8月までは観光シーズンで、中世祭りが開催されるなど欧州各国からバカンスを過ごす人々で賑わうらしいこの街も人影まばら(なので空港からバス運行もゼロ)、歩く人と言えば私達夫婦か、犬の散歩につきあう人か、ランニング中の人か。
気温11度で寒いけれども絶好のそぞろ歩きシーズンです。
バラの街と形容されるVisby。でも冬の長い北欧で9月下旬ともなれば花は終わりだろうし、これだけ気温も下がれば葉も落ちる頃と思っていましたが、ローズヒップがたわわに実る中、ぽんぽんとちりばめるように花咲いていました。
最盛期の美しさには及ばないのかもしれませんが、枝の数と誘因に余裕があって適度に力が抜けて心地よく、お手本通りではない「お家の花」として溶け込んでいる情景に親しみや安らぎを感じます。
ハーブや薬草をブレンドして魔法の何かを作っていそうな誰かとすれ違って秘密の調合を教えてくれそうな予感すらします。
耐寒性や耐陰性のある品種なのでしょうけど、寒いのにちゃんと咲くのね、と当たり前なのかそうでないのかわからない感想を抱きながら小路を見つけては歩き、見つけては歩き。
ところで壁の塗り替えをするときはどうするのかしらね?と素朴な疑問を持ったり、花をクンクンして我が家の庭の妄想を交えぼーっとしていればお散歩中の犬にクンクンされ、気分は夢心地です。
海に近い城壁のそばにある植物園は、閉まっている扉の留め具も自分で開閉するような街の人憩いの場で、決して大きいとは言えませんが秋のバラが最盛期で驚きました。
ラベンダーやキャットミントとの色の調和もさることながら、香りの調和もなんと麗しいことか。この組み合わせを我が家の庭にも是非取り入れたい。
城壁を越えた海風が、バラからは紅茶の様な、ラベンダーからはムスク調の香りをふぁーんと運び、時差ボケ脳が覚めるようでした。
後で気付きましたが、植物と街の溶け込み具合にすっかり魅了されて(それと高台に上がったら身体がもってかれそうになるほどの強風だったので)、城内の全景を写真に収めるのを忘れていました。
ありきたりですが、植物と仲がいい街は最高。
<世界の庭仕事>
何かの待ち時間で眺めようと購入した庭仕事雑誌には、ローズヒップで作るリースやゼラニウムの差し芽、来春に向けたチューリップの球根など秋の庭仕事の様子が掲載されていました。
植物の色や品種などの流行りは違うかもしれませんが、季節で行う庭仕事は遠い国でもみんな同じなのね。と思うとちょっと嬉しい。
寒さに弱いゼラニウムは室内の窓辺で。というのもお馴染みの光景。