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草木の声を染める

ケヤキの木のサイドストーリー

2019.10.01 02:59


今年5月に開催されたマチモノ主催の「樹木のお別れ製材・草木染めワークショップ」で、参加者の皆さんと剥いた樹皮を使って、以前にもご依頼いただいた壁の吸音材をカバーするための布地を製作しました。

今回は、お部屋の三方の小壁の部分をカバーする布地を染めました。

ワークショップで皆さんの手で剥いた樹皮。

大きな丸太であったため、たくさんの樹皮が染料として利用できます。

その歳月がつくり出した美しい木目が印象的だったケヤキの木にちなんで、選んだ技法は杢目絞り。

夏休み中だった娘にも手伝ってもらいました。

(玉結び、並縫い、玉止めを家庭科の授業で習ったばかりの小学生にはピッタリの夏休みの課題!)

今回は鉄媒染で。先媒染にするか後媒染の違いで二色が染められます。

布の分量が大量だったため、布をタイル状に分割して30枚を染め縫い合わせました。

設置後、大音量で視聴中のクライアント様。

ご満悦のようで何よりです。



ワークショップから数ヶ月が経ち

時は過ぎ、季節は巡っても

大きな一本のケヤキの木の樹皮から取り出した色が再び

暮らしの中の彩りの一つに加わったこと、嬉しく感じます。


あのとき皆さんの手で製材したケヤキの木材も、またいつか街に戻ってきて

新しい物語を生み出すことでしょう。


そうして街の木の物語は続いていく。想像するとワクワクします。