FAG ハンドスケール 轟雷 レビュー 2019.10.04 09:06 今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガール より、“FAG ハンドスケール 轟雷” です。 フレームアームズ・ガール(FAG)をおよそ1/2サイズにまで縮小した新シリーズ、ハンドスケールシリーズが登場。 その第1弾アイテムとして、FAGでもトップバッターを飾った“轟雷” が発売になりました。 てっきり “ハンドスケール・ガール” というシリーズ名なのだと思っていたら、あくまでFAGシリーズのなかのハンドスケールというカテゴリのアイテムになるようです。 まぁ、どうでもいい話ですが(笑)。 FAGは一応ノンスケールということになっていますが、一般的なアクションフィギュアに多い1/12スケール相当のサイズになります。 それに対して今回のハンドスケール 轟雷は、同じコトブキヤが展開するヘキサギアのパイロットフィギュア=ガバナーとほぼ同サイズですので、おおよそ1/24スケール相当。つまりFAGの約半分のスケールということです。価格もほぼ半分になります。 これは結局のところ、ヘキサギアにFAGを乗せたい・・という要望か欲求か、そんなようなものがユーザーから発せられたんでしょうか? それとも開発側からのものだったのか(笑)。 偶然か必然か、どちらにせよ、コトブキヤはまた新たなステージへと進むようです。 それではレビューしていきます。 キットは素組みに一部塗装での仕上げです。パッケージ 箱自体はヘキサギアのガバナーなどと同じキャラメル箱タイプですが、デザインは本家FAGを踏襲。 イラストは島田フミカネ氏が描いた初代轟雷のもので、今回のハンドスケール 轟雷もあくまで初代のデザインを基に作られています。 なお、初代轟雷はパーツ変更で半固定モデルとしてこのイラストの状態を再現できましたが、ハンドスケール 轟雷では再現できません。 単体で撮影すると、パッと見通常のFAG 轟雷とほとんど見分けがつきません。 もちろん、よく見るとプロポーション等、全体のバランスが微妙に違っているのがわかるんですが、わずか75㎜という小サイズでここまで再現してくるのはさすがです。 ディティールの省略なんかもほとんどないのがすごい。 ただ、とにかく細かいパーツが多く、製作時はもちろん、完成後も気を遣う場面が多いです。 ほぼ同サイズとなるヘキサギアのガバナーもパーツは小さいですが、それ以上の精密さ。とくに腕部は万が一破損したときの保険として丸々一組が余剰で付いてくる親切設計(笑)になっています。 ただ、その精密さを持ってしても色分けだけはフォローしきれなかった(そもそもFAGでもあまりフォローできていませんし)ようで、設定カラーの再現には細かい塗装が必須となります。 今回は手持ちの塗料で近い色があったブラックとグレー部のみ塗装。手や足の甲部分はそのままにしてあります。 ちなみに、キットではABSやPVC製のパーツが多用されていますが、マニュアルにはそれらのパーツへの塗装はお勧めしません、とあります。 ABSは破損の恐れがあり、PVCは弾く可能性があるため・・とのことですが、それらのパーツも塗装しなければ設定のカラーは再現できませんし、そもそも公式の完成見本はしっかり塗装してあります(笑)。 確かに、なんの準備もなくABSに塗装すれば割れたりする危険性はありますが、その危険を軽減しつつ塗装する方法もあるわけで、見本で塗装している以上は簡単にでもいいのでそういった方法を記載しておくべきだと思うんですが・・ 今回のハンドスケール 轟雷の場合、肌色のパーツがABS製で、そのうちできれば塗装しておきたいのは肘関節も含む上腕パーツです。 僕は基本筆塗りなので、とにかく薄く塗って速攻で渇かすという方法を採りましたが、今のところ破損の心配はなさそうです。 結局、べったり塗ってしまってなかなか渇かないとか、可動部に染みこんでしまったりとかいうことがなければ、それほど気にする必要もないかと思います。 なお、各部のマーキングやパンツの縞など、通常FAGと同デザインのデカールも付属しますが、今回は貼っていません。 コトブキヤお得意のアイプリントですが、今回はサイズ的な問題かインクジェット印刷ということで、さすがにアップにするとドットが気になります。 ちなみに本家FAGのアイプリントは間近で見てもこんなドットは見えないので、そもそも印刷方法が違っているはずです。 それよりも塗装部分の筆ムラがひどいな・・(笑) 今回表情パーツはこの1種のみで、プリントなしののっぺらパーツが1つとアイデカールが付属しますが、肝心のデカールは目線違いが3種類のみ。 どこまでも轟雷は無表情を貫くようです。 なお、口のディティールはそのままだとほとんどわからなかったので、ガンダムマーカー流し込みタイプのブラウンを塗ってから拭き取っています。オプションフリースタイルバズーカ FAG 轟雷にも付属したM.S.G. フリースタイルバズーカを1/2サイズに縮小したものが付属。 さすがに組み換え要素はなく、色分けもまったくされていません(これはそもそもですが)が、ディティールはかなり忠実に再現されています。 グリップも可動するので肩に担いでの保持も問題なし。アーミーナイフ FAGでも付属した大振りのナイフも付属。 今回は白色成型になっているのでグリップ部分を塗装しています。 背景と同化してしまって見えづらくてすみません・・ ちゃんとマウントパーツも付属。FAG 轟雷同様、脛側面に取り付けてマウント可能です。肩部キャノン砲 右肩(正確にはバックパック右側)に装備する単装砲。 取り付け軸がバックパック右側にしかないので、FAG 轟雷改Ver.2.0のように左側にも取り付けたりはできません。 バックパックとジョイントアームの接続部で可動。キャノンはアームに固定されているため左右旋回などもできません。 また、砲口は開口されていません。今回は雰囲気だけでもと、先端部を黒く塗っています。ヘキサグラムコネクタ ヘキサギアとの連携を想定したヘキサグラムコネクタが付属。 バックパックの真ん中に挟み込むようなかたちで固定するので、保持力は少々心許ない感じですが、ハンドスケール 轟雷にはこれ以外に3㎜穴が設定されていない(各部に開いている穴は2㎜径になります)ので、遊びの幅を拡げるためには必須のオプションといえます。 各部の2㎜穴に差し込んで3㎜軸に変換するアタッチメントパーツや、3㎜軸の付いたグリップパーツなど、M.S.G.ほか様々なオプションを使用可能にするパーツが複数付属。 ただ、すべてがとにかく小さいのでパーツの保管、管理はしっかりしておきたいところです。比較画像 まずは基となったFAG 轟雷と。 初代轟雷を持っていればよかったんですが、生憎と通常カラーのものは持っていないので、轟雷改Ver.2.0の外装を轟雷Verにして並べています。 ご覧の通り、身長はしっかり半分。もちろん相似形で小さくなっているので、体積はおよそ1/4になっています。 頭部と身体全体の大きさのバランスなんかが、やはり微妙に違ってるように思いますね。 むしろハンドスケール 轟雷のほうがスタイルいいんじゃないだろうか? ヘキサギアのガバナーたちと。 色味も似ていて絡ませやすそうなアーリーガバナー(通常カラー)と、顔出しの女性タイプとしてLAT ミラーに出張ってきてもらいました。 サイズはほぼ同じ。まぁ、リアル路線のヘキサギアのガバナーたちに挟まれると、アニメ調のハンドスケール 轟雷はどうしても頭が大きいので多少違和感はありますが。思っていたほど浮いた感じはしません。 というか、ミラーの頭が小さ過ぎるんだよな。 頭部ジョイントには互換性があるので、こんなことも可能。 並ぶとおかしいですが、それぞれ単体で見るとそれほど違和感はないんだなぁ、これが。 どちらも絶妙な匙加減です。いろんな意味で(笑)。以下、画像 この小サイズで全身22箇所が可動・・というのはすでにガバナーでも実現されているので、今さら驚くところでもないんですが、本家FAGからのフィードバックとして新たに股関節のスライド可動が加わり、スカートも気にせず(ていうかそもそも見えてるし(笑)、そして逆にスカートは固定)大胆な可動が可能になっています。 膝関節こそさずがに二重ではないですが、実際初代轟雷よりも可動性能は優れているくらいで、あらためてここ数年のコトブキヤの技術の進歩には目を見張るものがあるかと。 肩は軸接続になっており、ガバナーに較べ柔軟性で若干劣りますが、そのぶん外れにくくなっています。本家FAGのように肩と前腕の接続部が緩くて抜けやすい、ということもないです。 ならばポロリの心配は一切がないかというと残念ながらそんなことはなくて、先に言ったスライド式股関節はストッパーがないためけっこう抜けやすいです。また、ボール接続の上半身も外れやすい印象。 あとやはり気をつけておくべきは肘の可動ですね。可動部が非常に小さいため、塗装の有無にかかわらずここは破損が心配です。根元を持ってゆっくり慎重に動かしてやるのがいいでしょう。 ガバナーなどと絡めて。 部隊のアイドル轟雷ちゃん。 今日も仲間からの誘いをすげなく断る、そんなクールさが魅力(笑)。 出撃命令が下った。 よし! オレに付いてこい・・とサインを送る相手を一切見ず、直後に脚部クローラーを使って突出する轟雷ちゃん。 日常では冷たく、戦場では熱く!(笑) 車の運転もお手のもの。 冷静なハンドリングには定評があるとか。(画像のヘキサギア ブースターパック03 デザートバギーは、後日レビュー予定です) もちろんバイクも。 密かに世紀末覇者にでも憧れてるのかもしれない(笑)。 以上、“FAG ハンドスケール 轟雷” でした。 FAGの新たな境地・・というか、これを機に今までFAGやメガミなどのガール系キットにしか興味がなかった人がヘキサギアに触れてみたり、逆に生粋のガバナー(ヘキサギアユーザーのこと)がガール系への扉を開いてみたりと、それぞれのシリーズのファン層がさらに広がるような・・ まぁ、僕みたいにすでにどっちにも手を出してる人が大半のような気もしますが(笑)。 それでもこういう同社内コラボのようなアイテムは遊びの幅が広がるので大歓迎です。 単体キットとしてみても、今回のハンドスケール 轟雷は本家FAGとガバナー両方の良さをしっかり継承し、小サイズながらも十分に満足できる出来になっていると思います。 いや、このサイズで股関節のスライド機構を入れてくるとは思わなかった。まぁ、そのぶんスカートの可動は諦めたようですし、さらに股関節ごと脚が抜けやすいということもありますが、欠点とするには些細な問題ですし、今後シリーズを重ねるなかで改善されていくことでしょう。 すでに来年1月にスティレットの発売が決定しています。これは、かなりの部分で今回の轟雷とパーツが共有されそうではありますが、コトブキヤのこと、細かいマイナーチェンジはしてくる可能性はあります(と期待)。 さらにイノセンティアなどの素体系も開発されているようで、それらはまた新規部分も増えそうですね。各種M.S.G.の縮小版もいろいろ欲しい。 ヘキサギアでも、ガバナーとさほど変わらないくらいの小型の機体も登場してくるようですし、それらとの連携も含め今後も目が離せません。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。 腹話術の人形みたい(笑)。