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【日出ヶ岳 大杉谷】深山幽谷の絶景の連続 大杉谷を行く【2019.10.1】

2019.10.03 03:00

久々のフィールドレポート更新となりました!山に行ってなかったわけではないですが、あれやこれやと忙しい夏はあっという間に過ぎてしまいまして…。

(⬆︎この山行までお客様と京都一周トレイルを行く企画で関西へ帰省していました)

さてエルクのトレイルランニングイベント「京都おいでやすトレイル」を終えた次の日、スタッフ綾井はせっかく関西にきたんだからと奈良・三重の県境にある「大台ケ原」へ登るために移動を開始しました。京都から奈良は近いし、奈良の友達と会ったりアウトドアショップに訪れたりとお昼から夕方にかけて時間を潰していると


すっかりと夜になり、恐ろしい登山口への車移動となりました。同じ奈良でも大峰山など奈良南部の山間部はアクセスにかなり時間がかかるので要注意です!というかそもそも今回の登山口は三重でした。(おい)

大台ケ原・台高山脈は僕にとって未踏であり、一度訪れてみたい憧れのルートがあります。それは屈指の名渓である「大杉谷」に沿って台高山脈の最高峰の「日出ヶ岳」に至るコースです。

↓詳しくは下の大杉谷登山センターのルートガイドをご覧くださいませ↓

大杉谷のコースの出発点はこちらの発電所からスタートです。大杉谷のコースは一般的に一泊二日で下から登り大台ケ原の駐車場へ抜けるかもしくはその逆か、ピストンで日帰りはほとんどいないようです。ピストンになると総距離約30km、登山口の標高約290mで1695mの日出ヶ岳までなかなかタフなロングコースとなるからです。今回はそのために前日に登山口まで移動し、早朝発となりました。

いきなり岩壁を伝うような道が続きます。尾根に登るまで渓谷沿いの道となるため、崖の高巻き道のようなところが所々出てきます。足場と鎖もしっかりとしているので恐怖感はないです。崖下も全く見えてないですし。


ここが初めて出てきた吊り橋だったと思います、大小多くの吊り橋を渡りましたが、どの吊り橋にも蜘蛛の巣が大量に張り巡らされているぅ!ロープワークと一緒で強固な支点が好まれるのでしょうか。橋を渡るときはストックを振り回しながら渡ることとなりました。

このコース最初の見どころである「千尋滝」へ到着!予定より早く来れたのでまだ暗いままで滝は見えず。帰りの楽しみとしておきましょう。


ようやく明るくなってきたところで岩場が続出。ここのコースの注意点としては基本的に岩が濡れて滑りやすいところ。コケの付いている岩もあるので、足の置き所に要注意です。

こういった深い渓谷の岩場沿いに道がつけられていることから、黒部の「下ノ廊下」とかけて「西ノ廊下」ともよばれていますよ 。

滝も続出!これは「ニコニコ滝」という可愛い名前ながらすごい水量と落差を誇る滝です。

大きな吊り橋から見えるのはとても大きな「平等嵓」。右手の岩壁なのですが吊り橋と撮ろうと思いましたが同じフレームに収まらず。この山域に降り注ぐ大量の雨は、深く険しく谷を刻みます。こういった気象条件が揃った結果、平等嵓や落差の大きな滝などの迫力ある大自然の造形を見ることができるのでしょう。

話は逸れますが、今回持って行った山地図の定番「山と高原地図 大台ケ原」を登山前に読んでいるといくつか面白いポイントがありました。

付属の解説書の中に、遡行図までついた沢登りのルートが書かれています。こういったバリエーションルートって他の山と高原地図には載っていないのですよね。上述したように多雨地域の大台ケ原エリアの谷は、深く素晴らしい沢を多く抱えていることがここからでもわかりますね。

もうひとつ気になった点は最高峰の日出ヶ岳を差し置いて、「池木屋山(いけごややま)」を台高山脈の盟主・台高の雄峰と表現されています。恥ずかしながらこの山については全く知りませんでした。調べると頂上からの展望があるわけではないのですが、最も自然が残された山であり、ここも素晴らしい渓谷を抱える山ということ。次はこの山を訪ね、筆者に盟主と言わせしめた理由を見つけたくなりました。

このように「山と高原地図」の解説には、そのエリアを通い詰めて調査した筆者の発見やコースの魅力が書いています。地図のほうにも筆者の伝えたいことがこっそり書いていたりしますので、ぜひ地図と解説書を合わせてじっくりとご覧ください。

さてフィールドレポートに戻ります。このルートで初めての山小屋である「桃の木 山の家」に到着。しかしその先にある名爆を早くお目にかかりたいと急いで進みます

鎖場をやり過ごして

落差120m、日本の名爆100選にも選ばれる「七ツ釜滝」に到着です。

ここで滝を見ながら初めての大休止を取りました。すでにこの時点でこの先どんなにしんどかろうが、「来てよかった」と確信していました。

この先もまだまだ難所が続きます。濡れた岩壁のトラバース。いくら急いでようが、ここは慎重に渡りました。

このトラバース中もエメラルドグリーンに輝く美しい清流に目を奪われてしまいました。


注意喚起のあった崩壊地を抜けて

最後の滝ポイントである「堂倉滝」に到着です。ここまで紹介していない滝も幾つかありますが、この滝が一番近くで見ることができます。滝の飛沫がミストを浴びるように気持ちよかったです。

ここからはようやく標高を稼ぐように、急登の尾根道となります。このコース一番の頑張りどころ!

木々の隙間からようやく山々が見えてきました。

10月だってのに異様に暑かったです。飲み水を飲みきったので、ここで給水をしました。

山頂に近づくにつれて自然林が増えて森が明るくなってきました。背の低い笹の稜線に伸びる一筋のトレイル、この道好きだなー。

そんなこんなで(途中写真を撮り忘れただけ)到着です!台高山脈の最高峰「日出ヶ岳」。日本百名山では大台ケ原で紹介されているためか、ここを大台ケ原山とも呼ぶそうです。

山頂にあった展望台から望むも遠くは何も見えませんでした。

運が良ければ富士山を望むことができます。富士山を見ることができる最遠隔地として有名ですが、はっきり言いましょう。絶対に近くで見たほうが感動すると思いますよ!(当たり前)

あまりゆっくりしては居られません。登山口も深い谷あいにあるので、暗くなるのも早いでしょう。急いで下山します。

といってもこういった道は慎重に

滑りやすいところではセメントが塗られていました。鎖の設置や数多くの注意喚起の看板など、この道は険しくもありますが安全に登れるように道作りがされているなと感心しました。

最後に登りでは見れなかった千尋滝を見ていると、夏の夕立のように激しい雨と落雷が降り出してきました

最後は猛ダッシュで登山口にゴールです!雨に打たれると逆にテンションが上がって体が動いてくれました。

長かったけど本当に楽しかったー!


ずっと来てみたかった憧れのルート「大杉谷」。実際に大杉谷の渓谷美を目の当たりにすると、想像以上に感動することができました。

ルート自体も冒険心をくすぐられるような岩場や鎖場、尾根に乗ってからも静かで苔むした尾根道。感覚的には山頂まであっという間。

実は撮り忘れた絶景や滝もいくつかちらほら。「猪ヶ淵」エリアは幻想的なゴルジュで、ぜひ訪れる時があればゆっくり見て欲しいポイントです。

しかしこの絶景を写真で伝えるのにiPhone7では限界を感じてきたなあ…見た目タピオカでもiPhone11欲しい。