ZW スナイプテラ レビュー 2019.10.06 02:46 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、“ZW29 スナイプテラ” です。 “ZOIDOS ゾイドワイルド” より、新アニメ、“ゾイドワイルド ZERO” では“帝国の赤き死に神” ことギレル中尉が駆る空戦用ゾイド“M型 プテラノドン種 スナイプテラ” が発売されました。 いよいよ新アニメもスタートし、セカンドシリーズも本番です。 ちなみに、僕の住んでいる地域では地上波では放送されれないため、ネットの見逃し配信で視聴させていただきました。 前作はあまりの低年齢向け路線に3話辺りでリタイヤしてしまいましたが、今回は幾分硬派、シリアス路線のようで40のおっさんの視聴にも耐えられそうなので頑張ります(笑)。 見ていてなるほどと思ったのがコクピットの仕様。 前作ではキット同様、ライダーはゾイドにほぼ生身で跨がるだけでしたが、ZEROではライダーが搭乗し、操縦用のグリップを握り込むことでライダーの周囲に電磁シールドのようなものが発生し、キャノピータイプのコクピットになるというアニメ独自仕様になっていました。 さすがに、あの世界観でただ跨がるのは無理がある、ということになったんでしょう。そりゃそうだわ(笑)。 キットのほうにもその仕様を逆輸入してもらいたいくらいです。 さて、そんなアニメのほうでも大活躍しそうなスナイプテラですが、ワイルドシリーズとしては初となる純粋な空戦用ゾイドにして待望の翼竜モチーフの機体です。 ファーストシリーズでは(そしてセカンドシリーズおよび新アニメ第2作にも引き続き)カブターにクワーガと、飛行可能な昆虫モチーフのゾイドが登場していましたが、完全に空戦に特化した機体は今回のスナイプテラが初めて。 武装に関しては、ファーストシリーズでは意図的に封印されてきた(ガノンタスのみ例外)わけですが、空戦タイプ、鳥類や翼竜モチーフの機体をここまで登場させなかった理由はなにかあるんでしょうか? ともかくも、これまでに類似の機体がなかったこともあり、キャノンブル同様の完全新規キットとなります。 またも武装サイド、帝国所属のゾイドです。共和国所属の新規キットはいつ出てくるのか・・ レビューしていきます。ボーン復元 翼竜モチーフのゾイドというと、サラマンダーに始まりプテラス、そして旧アニメ第1作でも活躍したストームソーダーなど、いわゆる怪獣スタイルが定番でしたが、そこは最新の恐竜研究をデザインに反映するワイルドシリーズ、今回のスナイプテラも飛行形態のほかに最近よく目にする大型の翼竜が地上に降りたときの状態・・つまり翼(前脚)を地面に着けて4脚で歩行する姿を再現しています。 動力ユニットを内蔵している手前、胸部がかなり膨らんだ見ためになっており、それがなければより実際の翼竜のプロポーションに近付けてたんでしょうが、そこは致し方なし。 胴体とほぼ同じ長さの巨大な頭部に貧相な四肢という歪なフォルムですが、不思議な愛嬌があります。ペンギンかペリカンみたいで可愛い。 設定としてはほかのM型ゾイドに較べて軽量(多少でした)ということになっていますが、現物は各種ギミックがみっちり詰まっており、むしろM型のなかでもけっこう上位の密度感、重量感があります。 ていうか、思ってたよりもはるかにでかい(笑)。復元完了 外装を取り付けて復元完了。 外装の主な装着部位は頭部と翼だけですが、一つ一つのパーツがとにかくでかいです。 ゾイドの本能を制御するZ・Oバイザーは例によって頭部外装と一体成型で塗装再現。キャノンブル、バズートルのバイザーは赤でしたが、スナイプテラは外装が赤とあってバイザーは緑色。 なお、この赤い外装はどうも “悪魔の翼” と畏れられるエース機のパーソナルカラーのようで、パッケージの背景にも映っている一般量産機は灰色がかった水色の外装にバイザーの色も赤になっています。 いずれはその量産機も発売されるのかな? 色味がレイノスに似てるので、ちょっと欲しいですが。 ちなみに、“ゾイドワイルド ZERO” における本機のライダー、ギレル中尉の異名は “赤き死に神” なので、今回もキットシリーズとアニメとで世界観や設定は微妙に異なるもよう。 もちろん、完成後まったく見えないアイパーツもちゃんと付いてます。 そして兵器サイドのゾイドの目がすべてシルバーで統一されていることに今さら気付く。 兵器として改造され、すっかり心をなくしてしまった様子を色の抜けた目で表現しているのでしょうが、切ないですね。 この画面自体は非常に間の抜けた感じで面白いですが(笑)。飛行形態 翼を広げ、後脚を後ろに伸ばした飛行形態。 表面積が一気に広がり、M型ではありますがL型・・占有面積ではXL型に匹敵するボリュームになります。 いやはや、こんなにでかいとは思わなかった(2回め)。 この状態で最高500㎞/hオーバーで空を飛ぶわけですから、そりゃアニメだとああいう仕様にするわな。 しかし、あくまでキット設定ではライダーは首の辺りに跨がっているだけです。ヘキサギアのガバナーといい勝負の超人だな(笑)。 いや、むしろほぼ生身と思えば、単純にガバナーより強いかも。 ちなみにボーン状態のまま飛行形態にするとこんな感じ。 見慣れた骨格標本っぽいスタイルですね。マシンブラスト(兵器開放)形態 飛行形態からさらに上下の顎を展開、トサカ(レーダークレスト)を前方に倒し、口腔内のA・Zスナイパーライフルをスライドさせてマシンブラスト完了。 もともとの頭部外装の形状もあって、こうなるとかなり生物的要素が薄まります。 外側の翼を外せばちょっとドップっぽい? 展開させた頭部をアップで。 モビルアーマーにも見えてきましたが・・(笑) スライドした頭部外装がライダーを保護するような配置になるなど、キャノンブルとの共通点もあったり。 兵器開放技はA・Zスナイパーライフルによる “絶対射撃(アブソルートショット)”。 翼下のフォースバレルガトリングや胸部のドラム式ミサイルランチャーを乱射して戦場を攪乱したうえで、必殺の一撃を放つ、という戦闘スタイルかな。電動アクション まずは通常(降着)形態で。 大型の翼竜は翼を地に着け、4つ脚で地上を歩いていたというのが最近の常識になっており、その姿は現在のキリンのようだったとか。 まぁ、プテラノドンはそこまで大きくないので、もう少しこぢんまりしていたとは思いますが。 このスナイプテラも、通常形態では翼も使った4脚歩行をしてくれますが、なかなかにぎこちなくて可愛らしいです。キリンというよりは、姿勢も相まってゴリラっぽいですけどね。 翼(前脚)の接地面が狭いこともあり、柔らかいカーペットや表面がでこぼこしたラグマットなどの上では、引っかかって立ち往生してしまうこともしばしば。 なので、今回はできるだけフラットな場所を歩いてもらおうと、普段ほかのゾイドたちが並んでいる本棚の上を片して歩かせました。 続いて飛行形態で。 翼は展開ののち右側のフレームをホイール(ドラム式ミサイルランチャー)の中心にロックしてやる必要があります。そうすることで左右の翼の位置が揃い、連動して羽ばたけるようになります。 形態変化でアクションがガラリと変わるのは、ワイルドシリーズではナックルコング以来、ゾイドシリーズ全般を通じても数えるほどしか例がないので、非常に希少価値が高いです。 この飛行形態では、翼を上下に羽ばたきながら胸部ドラム式ミサイルランチャーをホイール代わりに走行するという、旧シリーズの小型ゾイド、ペガサロスを彷彿とさせるアクションを見せてくれます。 ぎこちなかった4脚方向に較べると見違えるほどスムーズ。もちろん、設定上は空中をこのように飛行しているわけで、空を舞うのが本来の翼竜モチーフのアクション再現としては正解といえます。 なお、ホイールの軸が中心からずらされているため、走行中は胴体が上下に波打つように動きます。 構造的には旧シリーズのモルガからキャタルガに継承されたものの流用になりますが、非常に上手い使いかただと思います。 ただ、プテラノドンなどの大型の翼竜はおそらくグライダーのような滑空による飛行が基本で、こんなふうに優雅に羽ばたいて飛ぶことはほぼできなかったように思いますが・・まぁ、そこは雰囲気重視で。 なお、ここからさらにマシンブラスト形態へと移行するわけですが、そこでさらにアクションギミックが追加される・・ことはありません。改造計画書 索敵等情報収集に特化したタイプと、さらに火力を増強したタイプ、2つのプランを提示。 どちらも外装含めてけっこうな変更点があります。 せめてどちらか1つくらいは昨日発売された改造パーツセットを使えば再現できるようなものにすればいいのに、と思わないでもない。比較画像 最初に旧シリーズから、同じプテラノドンモチーフのレイノスと。 僕が1番好きなゾイドはサラマンダーですが、このレイノスもけっこう好きです。要は翼竜型が好きなんだな。 第1期版のライトブルーのものも持っていたんですが、随分昔に壊して処分してしまったので、今回はグリーンの第2期版で。背中の武装がデフォルトと違うのもご了承ください。レドームどこ行ったんだろう・・? さて、同じプテラノドンモチーフとはいえ、レイノスのほうは尻尾が長かったりと実際のプテラノドンとはだいぶ違うフォルムなんですが、そんなところも旧シリーズらしい良さであります。 それでも、ほかの翼竜モチーフの機体よりはスナイプテラに近いかなと思い、今回並べて見ました。 とりあえず、スナイプテラのでかさだけは実感してもらえたはず(笑)。 同じく飛行形態への変形ギミックを持つストームソーダーと。 ちなみに、ストームソーダーはプテラノドン型ではなくテラノドン型(笑)。そこは当時の開発者のこだわりだったのか、あるいは商標の関係か・・ まずは通常形態で。 とはいえ、ストームソーダーの通常(歩行)形態は伝統の怪獣スタイルなので、その佇まいはまったく違いますが。 そしてあらためて見るとまったくプテラノドンじゃないストームソーダー(笑い)。 飛行形態で。 ちょっと似たシルエットになりました。 スナイプテラのほうが頭部が大きく、実際のプテラノドンにより近い感じです。 ストームソーダーの飛行形態は、頭部(首)を上げることで連動して翼とジェットエンジンが水平位置まで可動し、さらに足首を伸ばすことで成立するのですが、あくまで空を飛んでる “ふう” にできるだけで、この状態で電動走行できるわけではありません。 もちろんスイッチを入れれば動きますが、アクション自体は通常形態と変わらないので、翼は羽ばたきますがそのまま脚も動きます。なので、空を飛んでいるというよりは水中でバタ足してる感じ。 この状態で飾れるようなスタンドなんかも付属しませんし、それこそ手に持ってブンドド遊びをするための形態ですね。 まぁ、それでも当時としては画期的だった記憶があります。 もっとも、第1期の時点でベアファイターやガンギャラド(こちらは第1期でもかなり後半のアイテムですが)など、4脚歩行から2脚歩行にモードチェンジし、かつ両形態でちゃんと歩行するゾイドも存在してましたが。 同じ兵器サイド、帝国所属のキャノンブルと。 同じM型のゾイドになりますが、頭部のサイズ感もあってこの段階ですでにスナイプテラのほうが一回りほど大きく見えます。 さらに飛行形態にするとご覧の通り。でかいよ、スナイプテラ。 武装の数も実はスナイプテラのほうが圧倒してるんですよね。 キャノンブルのほうは通常形態だと腹部の三連ミサイルポッドしか武器がないのに対し、スナイプテラは翼下のガトリング、胸部のミサイルランチャー、お尻にも投擲型の爆弾(スマートボム)とけっこうな火力です。これで空飛ぶんだからなぁ。反則だよ。以下、画像 マシンブラストへの変形ギミックの一環で口が上下に開閉します。 通常形態で口を開けてるさまは、なかなか可愛いです。巣で餌を待つ雛鳥みたいな雰囲気もある(笑)。 飛行形態への移行途中ではこんなポーズも可能。 後脚の通常形態の位置のまま、ボディ全体を持ち上げた感じですね。 とはいえ、やはり真骨頂は飛行形態。どうせなら浮いている状態でディスプレイしたいところですが、胴体底面に3㎜や5㎜のスタンド対応穴はありません。 今回は挟み込みタイプのアタッチメントを使いましたが、あまり安定しているとはいえません。 飛行タイプの玩具・キットがその状態でディスプレイできるかどうかというのは、けっこう重要なポイントだと思うんだけどなぁ。トランスフォーマーでもここ数年でスタンダードになってきたのに、参考にしたりはしないのかなぁ? マシンブラスト形態でも。 必殺のスナイパーライフルの射撃シーンを再現しようと思ったんですが、生憎合うエフェクトパーツがありませんでした。 キャノンブルの9連キャノンやバズートルのバズーカの砲口はちょうど5㎜径で、トランスフォーマー シージ ジェットファイヤー付属のエフェクトパーツがぴったりフィットしたので今回も、と思ったんですが・・穴が小さい。たぶん4㎜くらいですね。 まぁ、キャノンやバズーカとスナイパーライフルの口径が同じだとおかしいので、口径を狭めるのは当然なんですが、だったらいっそ3㎜まで小さくしてくれたらほかのエフェクトが使えたのに・・ 以上、“ZW スナイプテラ” でした。 翼竜モチーフのゾイドというと、サラマンダーにプテラス、レイノス、そしてストームソーダーと、これまではほぼ共和国所属のゾイドばかりだったので、帝国側・・いわゆる敵役としての登場はけっこう新鮮です。 レドラーは、あれはドラゴンだしね。 アニメでも敵方の重要キャラが乗るようで、一般機とは違う赤いパーソナルカラーに “赤き死に神” の異名も相まって活躍が見込めそうです。 キットとしても完全新規造形、しかも地上での4脚形態から飛行形態へのモードチェンジに、各形態での特徴的な電動歩行(走行)ギミックとかなり力の入った内容になっており、フォルム、ボリューム、ギミックと三拍子揃って現状のワイルドシリーズのなかでもトップ3に入る良作と言っていいと思います。 ともかくもそのでかさにには度肝を抜かれました。 う~ん、こうなるといよいよもって主人公機の役者不足感が強くなってきたぞ・・ さて今後は・・というかすでに昨日、待望の改造パーツセットが発売されています。 期待していた新規ブラストユニットはなく、3㎜接続の単純な追加武器のみのセットでしたが、思いのほかボリュームのある内容だったので、思わず2セットずつ購入してしまいました(笑)。届くのはほかとの兼ね合いで月末になってしまいますが。 そしてその月末に登場するのがL型のスティレイザー。 そちらはトリケラドゴスの流用キットになりますが、てっきり新アニメのテイザーPVで紹介されたトリケラドゴス改が来るのかと思いきや、兵器サイドの新型として登場してきましたね。わりと急だったのでびっくり。 11月以降のラインナップについては、すでにいくつかの動画等でネタバレしていますが、どうも流用しかなさそうな気配・・ でも、今回のスナイプテラみたいなものが作れるんだから、まだまだやってくれる。きっと隠し球があるはず!(ファーストシリーズは結局なかったけど)と信じて待ちますよ。 といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。