「天国はいらぬ。故郷が欲しい」、、、、ソビエトの農民私人エセーニン
犬のうた
金色の麦のむしろが、ならんでる。
穀物小屋の朝まだき。
雌犬が七ひきの子を産んだ。
赤毛の子犬を七ひき産んだ。
一日じゅう、雌犬は仔犬をかわいがり、
舌で、うぶ毛をなめていた。
雌犬のあたたかいおなかの下で、
雪がとけて流れていた。
日が暮れて、にわとりが、
とまりぎにねむるころ、
おやじが、ふきげんな顔をして、
七ひきごっそり袋にいれた。
ふりつんだ雪のなか、
おやじのあとから、雌犬は走った・・・
来てみれば、まだ凍らない沼の水、
いつまでもいつまでもふるえてた。
おなかの汗をなめながら、
力もぬけた帰り道。
わら家の上に出た月が、
仔犬のひとつに思われて。
クンクン悲しく泣きながら、
青い空を見ていると、
しずかにすべる細い月。
丘のむこうに見えなくなった。
ふざけて石を投げられて、
泣いてるように音もなく、
雌犬の目からはらはらと、
ころがりおちた金の星。