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マヤ

臣隆妄想劇場④(修正版)

2019.10.06 11:20

『急接近』



臣「堂々とならいいんだろ?」


LDH本社からの帰り道、

中目黒の川沿いを並んで歩きながら、

臣が呟いた。


隆二「…そんなこと言ったっけ?」


臣「音声聞く?」


隆二「え?…録音してんの?」


一気に汗が出る。


臣「嘘に決まってるやん」


時々使う関西弁で、悪びれなく臣が言う。


臣「手、貸して」


隆二「何すんの?」


右手を差し出すと、スッと恋人つなぎしてきた。


隆二「ちょっと…外だよ!臣…誰かに見られたらどうすんの?」


夜の10時を過ぎた街は人通りもまばらで、川沿いの木々が風に揺れて、

恋人達をそっと隠してくれている。


所々で人の気配を感じるが、

木の陰になっていて、よく見えない。


臣「昨日だっけ?インスタでATSUSHIさんとAKIRAさんが、こうやって手を繋いでたし…」


「別に見られたって問題ないでしょ?」


「…臣…そんなに俺のことが…」


「…」


グイッと手を引き寄せられた。


川沿いには一定の間隔で、

川の近くまで行ける切り開かれた場所がある。


両側に木々が生い茂り、

その死角に俺を誘(いざな)う。


臣「お互いにシラフの時ってどうなのか…試してみたくない?」


隆二「…お前、そんな頻繁に…」


臣「あれ?この間のTV見てなかったの?」


「おれ、絶倫なんだって」


そう言いながら俺のピアスを軽く触り、唇を重ねてくる。


触れた後、すぐに俺から離れた。


「臣…まだ答えてない」


「何を?」


「俺のことがそんなに好きなのか?」


「…言わせんなよ」


かなり強引にキスをしてくる。


「ん…」


これっていわゆるゲイってヤツなのかな?


おれ、そんな趣味ないんだけど…


でも、何だろ?この感じ…


胸の奥がやけに熱い。


臣を拒めない自分がいる…



《スクープ‼️ツインボーカル熱愛発覚⁉️》


《禁断愛❗️カミングアウトする臣隆…女性ファン悲鳴‼️》


スポーツ紙の大きな見出しが脳裏に浮かぶ。


何分くらい経ったのか?


臣が離れぎわに「チュッ」と音を立てた。


これって、こいつの癖なのかな?


珍しくはにかんだ様子で、エクボを作って笑って言った。


「どうしよう…癖になりそう」


「…」


何だろ?いまキューンってした…


臣のツンデレって、マジ凄い。


…多分、実際に女性とも相当場数を踏んできてるんだろな?


 

男とも?


まさか、がんちゃんともこんなキスしてるとか?


「最初の頃より、ずっといい感じだね」


照れもしないで、そんな台詞を吐いてみせる。


隆二「なぁ?」


臣「ん?」


隆二「この先に何が待ってるわけ?」


臣「何がって?」


隆二「…その…体の関係とか…言わせんなよ!…俺に…」


背中を汗が流れる。


臣「はっ?何言ってんの?お前…俺ゲイじゃないし…」


隆二「えっ⁉️そうなの?」


隆二「じゃあ何なの?この濃厚な…」


臣「キスするくらい仲が良いってことでいいんじゃない?」


隆二「えーっ!そんな関係、この世に存在すんのかよ?」


臣「深い友情の証だよ…もう一回…」


ぽってりした厚めの唇に優しく吸われながら思った。


友達同士がこんな濃厚なキスするか?普通…


ダメだ…こいつの思考についていけない。


これ、ぜってーがんちゃんともやってそう。


こえーよ!臣…


超人類だわ。


ALL LOVEを地でいってる。


また音を立てて、臣が離れる。


臣「何を勝手にあれこれ想像してんだよ」


「全然絡んでこねぇし…」


隆二「ごめん。今日は疲れたから帰っていい?」


臣「そーなんだ…家まで送るよ」


手を繋いだまま歩き出す。


俺のマンションまでやって来た。


臣「じゃな」


隆二「ありがとね…臣」


臣「ん…また明日」


手を離した途端、臣は寂しげに少し肩を丸め、

ポケットに手を突っ込んで去っていった。


優しくキスされて、家の前まで送ってもらって、


まるで…女子だ!女子…


これから毎日続くのかぁ…?


俺はため息をついて、天を仰いだ。





『警告①』



ソロデビューに向け、

異国の地で撮影やレコーディングに明け暮れていた日々。


毎日が充実していた。


ただ、仕事を終え一人になると、

言い様のない孤独感に襲われた。


一人って、こんなに孤独なのか?


ソロデビューも軌道に乗り、

またメンバーが集まり、

ツアーに向け賑やかな日々が始まった。


あいつとも…


満たされる毎日がしばらく続くと思っていた。



健二郎「隆二!最近付き合い悪いで!お前…今日はメシつき合えよ‼」


チラッと隆二が俺を見た。


隆二「え?…ああ、ごめん…待ってて!トイレ行ってくる」


健二郎「外で待ってるから、早よせーよ!」


別に怒っている訳でもないのに、

時に関西弁はキツく聞こえる。


健二郎「臣ちゃん、ほな、また明日な!」


臣「お疲れ」


健ちゃんに向けた笑顔はすぐに消えた。


お互いに付き合いもある。


単独の仕事もある。


毎日というわけには…


コーヒーを飲みながら、色々思いを巡らせていると、

目の前に飛びっきりの笑顔でがんちゃんが現れた。


臣「びっくりした…急に現れんなし…」


剛典「なんだよ!深刻な顔して。なんか悩みごと?」


臣「ん?いや、ちょっとね。どしたの?」


剛典「えっ⁉今日仕事終わってから、映画見に行こうって約束してたじゃん」


…そうだった。


しばらくあいつとも距離を置こうって決めて…がんちゃんと約束してたんだっけ。


剛典「まさか?ドタキャン…?」


あいつも今日は、遅くなるだろうし…


臣「ん?大丈夫だよ!待ってて、トイレ行ってくる」


剛典「急いでね!上映時間迫ってるから」


臣「おう!」


コーヒーが入ってた容器をゴミ箱にシュートして、急いでトイレへ向かう。


トイレの入り口で、隆二と鉢合わせになった。


隆二「びっくりした…」


臣「隆二…ちょっと」


隆二の引き締まった二の腕を持ち、

トイレの奥へ連れて行く。


壁に手をつき、隆二を間に挟み込むようにして立った。


隆二「…こんな所でやめろよ」


臣「…お前も今日遅くなんだろ?」


隆二「お前も…って?臣も出かけんの?」


臣「がんちゃんと映画」


隆二「あっ!…そうなんだ。気をつけてね」


隆二は複雑な表情を浮かべている。


臣「それだけ…冷たいな」


隆二「なに?行くな…とでも言って欲しいの?」


臣「うん。言って欲しい…」


前髪が触れる位置まで近づいて、瞼を閉じた。


隆二「アホかっ…早くしねぇと健ちゃんが…」


臣「そうだね!じゃ、行ってこい」


俺から軽くキスをした。


隆二は赤くなっている。


隆二「誰か来たらどうすんだよ…」


入り口付近で人の気配がして、慌てて離れた。


程なくマネージャーが入って来た。


「あ❗️隆二くん!健二郎くんが、いつまで待たせるんや!…って怒ってますよ!」


「えっ⁉️ヤバ…ありがとうございます!」


軽く会釈して、隆二は急いで出て行った。


残された俺の方を見て、マネージャーが会釈した。


「俺も行かなきゃ…お疲れっす!」


笑ってその場を離れた。


「…お疲れ様です」


間一髪だった!…危ねぇ…


急ぎ足で、がんちゃんの待つ部屋へと向かう。


「……」


ふと気になって後ろを振り返ると、

トイレの外に出て、ジッとこちらを見ているマネージャーの姿があった。