手足が痺れる
手足のシビレも色んな原因で起こるので、これをやれば必ず治るということは絶対に言えません。
しかし、色んな可能性があるので、その可能性をつぶしていくことで楽になることは十分考えられます。
事故をしてから手足が痺れるというのは、よくある話しだと思います。姿勢を観察してみると、患側の肩がつまるような感じになっているのは普通にわかります。
舌所見も患側の舌根部から舌先まで腫れがある感じです。(舌と身体が同調している可能性を示唆)
触ると前頚部の緊張もあり、患側の頸椎1番の前側には当然異常な反応がでています。しかし、首の異常と手のシビレは、関係ないとは言えませんが、必ずそれが原因かというとそうではありません。
これもケースバイケースです。首に緊張があるのはあくまでも結果です。
診断とは結果を分析し異常を決めることです。姿勢変化は結果であって、それが原因ではありません。何事も決めつけは原因をつかむ為の妨げになりますので、一応、そういうこともあるというふうに留めることが重要です。
それと同時に健側のやや前も異常反応があります。健側前の反応は横に近いところです。このような場合、頭部は左前に押し出されつつ右も横方向に押し出されるという物理的にはありえない変化をします。なので、カイロプラクティック等で言われているような椎骨の位置変化は、正しい考えかどうかはわからないと言えます。
いわゆるストレートネックと呼ばれている人には多く見られる傾向ですが、これもストレートネックだから必ず起こるとは限りません。また首を上向くと健側の首のラインが縮み、患側が長くなっています。この現象は、異常側は、腫れて体表面の距離が長くなるという法則どおりです。
当然肩の凝りや背中の凝りはあります。
これらの首や肩の凝りは、頭部の位置関係によっても自然にそうなるので当然の結果と言えると思います。だから、位置を変えれば治るかという訳ではありません。
位置的な問題は最終的に、その人が導き出した結論です。その結論を否定しても身体と意識は反発するだけです。一番やってはいけない方法です。
姿勢の悪い人に姿勢を正しなさいと言っても治せないのと同様です。
そして患側の鼻にも問題があります。慢性的な炎症が鼻腔や副鼻腔にあると、鼻根部や頬骨部を軽く指先で叩くとコツコツあたる感じがあります。
この検査法は、空洞である鼻腔や副鼻腔を検査するのには、とっても効果的な方法です。
患者さん本人も左右で違いがわかります。
また骨と皮膚の間に筋肉などの器官がない(いわゆる薄い部分で骨が触れる場所)も軽く叩くことで、骨の響きの状態を知ることができます。
頭頚部に問題があると頬骨から耳のラインにかけて問題が出やすくなります。
このあたりは炎症反応の好発部位と言えます。
そこで解剖学の出番です。
(続く)