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酒場BETTAKO

BETTAKO -其の132-

2019.10.07 07:09

また…終売か。

そう連絡を受けたのは、つい先日。

昨年…終売されたとか。無念でなりません。

※↑は4年前に終売した、ひっとべ薩摩藩。

それは2006年頃から、鹿児島や宮崎などでは、

製造する蔵がサブ代用し続けた銘柄達が、

終売をし続けている。


1997年。

鹿児島県は薩摩半島の、廃業した蔵のご家族と

街に佇む小さい居酒屋で話をしたことがある。


父は大変でした。

売れなくても、作らなくてはいけない…。

必要とする人がいる限り、作らなくては…と。


少しの笑みを浮かべ、照れてるようにも見える

その表情は、当時の苦労と心労、造りという

自縛からようやく解き放たれた安堵感、自分には

到底判ることのない、葛藤があったのだろう…。

そう感じ得た笑みだった。


焼酎の蔵元は、今だに売れて欲しい…。

そう2019年になった今でも、その切実な思いを

ラベルの裏側で叫び続けている。


◎旧ラベルの復刻投入

◎季節限定品の投入

◎飲み方の自由化

◎クソ小洒落たラベルの投入


売れるためなら何でもする。

主権というドス黒い権力を持つ、都府県の酒屋

その手の上で今だに転がされているのが実情。


あらゆる手段を投じ、もう一度当たって欲しい、

希望の光眺めていても、大人の諸事情で、

古き良き昭和の銘柄達は、新しい記憶に

塗り重ねられ、終売し続けている。終売という

その流れは、もう誰も止められない。


それは、「日本酒」も同じこと。

お酒自体は消費者の手元や口元には届く。

しかし本当の実情は、けっして届くことはない。


昔…。

池袋の炉端焼で言われたことがある。

今は亡き黒瀬安光杜氏からの言葉。

踊るか踊らないかは、自分で決めるもの。

力のある者から言われ踊り狂えば、それは

猿回しと一緒。

自分をけっして見捨ててはならぬ…と。


自分が今…この2019年。何ができるのだろう。

自分が焼酎と共に歩み続けてきた28年。


構想10年。

本当の焼酎とは何なのか…。

そう企画書を友人と投げ合っている。


感謝です。地場産業の人達よ。