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すずめのおそで ‐ Suzume no Osode -

古典的な香り

2019.10.07 08:53

日本でお香が作られるようになったのは、奈良時代の頃だと言われていますが、それ以来様々なタイプのお香が調香されてきました。

その調合は『薫集類抄』など様々な書物に残されており、それらの調合を紐解いていくのはとても楽しいものです。


今回は、南北朝時代の頃に書かれたとみられる薫物書物にある裛衣香(えいこう)を再現してみました。


こちらの裛衣香(えいこう)は、そのまま香らせる、いわゆる匂い袋に詰めるタイプのもの。

綿で包んで、袋に入れて香らせるようです。

ただ、いくら再現といっても、今と昔では、流通する香原料が違います。

名前が同じであっても、質が異なっていたり、場合によっては、種類も異なったりします。

そのため、同じ分量を調合しても香りが全くしないことや、おかしな香りになることも。


調合表から特徴をとらえながら、

この組み合わせなら、今ならこうなるかなと、考えながら調整していくのが大切です。


今回のこの香り、調合してすぐは弱い香りでしたが、少し置いて熟成させると、ふわっと香るようになりました。


昔の香りに思いを馳せて、少し遊んでみるのも楽しいものです。