Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

寄り添うこと

2019.10.09 13:28

 目覚まし時計のアタマを押さえ込み、寝ぼけまなこを薄く開ける。

 視界の端に、何やら黒い塊が蠢めくのを感じる。

〝Gか?〟

 ぼんやりと考える。

 部屋の真ん中、床にいくつもの黒っぽい塊が集まっているみたいだ。

〝石くれ?〟

 手のひらに握りしめられそうなサイズの小石が、ばらばらと一か所に転がっていた。


 ベッドに起き直る。


 確かに、小石だ。二十個ばかり?

 なんで?

 どっから来た、コイツら?

 右の壁が、微かに軋む。


 ?!


 天井にほど近い位置で、異様な突起物が、壁を突き破って覗いていた。

 石くれは、その破れ目からこぼれ落ち、部屋の真ん中あたりに転がっていた。


 慌てふためき、廊下に出て、階段上の明かり取りの窓から外を見る。

 いつのまに出来たのか、隣家との境に建てられた巨大な鉄柱が我が家に向けて傾ぎ、二階の壁を貫いている。


 唖然。呆然。空いた口が塞がらぬ。


 家族に知らせようと、階段を降りかけたところ、サイレンが鳴り響いた。



 二度目の目覚め。



 我が家は無事だった。



 昨日に続いて、疲れが抜けない朝。

 仕事に行くのが憂鬱だけど、ボクの代わりはいない。



 同情することと、寄り添うことは違うのだと、歳を重ねるたびに強く思うようになった。

 あなたが出来ることを、ありのままに受け止める。

 なかなか割り切れないのは、自分の甘さか?


 朝から、ぼんやりと考えているうちに、またしても、無為に時間だけが飛び去っていくのだった。