辞めること、続けること。
写真はお仕事先のもの。
今日はダンスのこと。
すごく大切に思っていた子が、ダンス教室を辞めてしまいました。
不器用で、頑張り屋さんで、想像力が豊かで、思いやりのある優しい子だった。
きっとダンスが人生を支えてくれるタイプの子だと思ったから、
親近感が湧いていて、大好きで、とても大事に思っていた子でした。
お母さんのお仕事の都合で休みがちになり、
レッスンについて行けなくなってきてしまって
できない自分に悔しそうに、モヤモヤしているのをずっと見てきて
あんまり熱心に教えすぎてプレッシャーにならないように
けど助けになれるようにって、バランス見ながらずっときにかけていて、
最近機会があって、たくさんお話しをして、やるきをだしてくれて、
ニコニコレッスンしていたのだけど
そこからまたタイミング悪く、学校やお母さんの都合でお休みが続いて
そのまんまお顔を見ることもなく辞めてしまいました。
習い事を辞めるタイミングってとても難しいと思います。
専門的な技術を身につけて行く「道」系の習い事は特に
何度か難しい山みたいなものがあるから
自分なりに壁にぶつかって、逃げたいなー、辞めたいなーってことがある。
そこをお母さんがどうやってガイドしてあげるかで
子どもの生き方って作られて行くんだと思います。
そこを乗り越えて、「できた!」を体験できると
「モヤモヤってなっても、やればできるんだ!」
「モヤモヤする時期にも終わりがあるんだ」
っていう経験ができる。
それを繰り返して行くことで、自分で自分を切り抜けられる自信がついてきて
それが自然とその子の生きる姿勢になって行く。
その姿勢がどんなことに対してもできるようになって行くと思う。
私だって子どもの頃から、「バレエ楽しい。大好き。」と思いながらも
難しいことに出会ったり、人と比べて自分ができないってことに氣がつくと
結構辞めたくなったり、休みたくなったりたくさんありました。
けれどうちの母は「1つのことを始めたら必ず3年は続けなさい。」
というのが絶対ルールの人で、グダグダ言っていても絶対にレッスンを休ませない人だったから
行きたくないーって泣いても、絶対連れてかれてレッスンしていました。
どんな日も休まずにレッスンに行って、行けば必ず何か得るものがあって
やりたくなかったはずなのに、義務感で行ってるうちに何だかんだ楽しくなって
やったことは必ず自分の体に返ってくるのだということを学んで行きました。
楽しくなるまでにやっぱり3年くらいかかっています。笑
継続するとはどういうことか教えてくれた。
下手くそで、運動神経悪くて、恥ずかしがり屋で、超文系で妄想ガールで
みんなで舞台を作った時のゾクゾクする喜びだけが異常に好きで
ただ「楽しい」とはちょっと違う感覚でレッスンを続けて、
それでいまの私がいます。
辞めたいって行った時に「じゃ、辞めなさい」って言われて辞めていたら
見えていないであろう景色をたくさん見せてもらいました。
母が見せたかったのはこういう景色だったのだろうと思う。
ひとつのことをずっと続けることは難しいです。
いろんな誘惑があるし、疲れる時も、飽きる時もある。
現代はいろんな娯楽もあるし、カラダを使わない疲れない遊びもいろいろあるから
バレエなんて地道なことを続けるのは疲れるだけでカッコ悪いかもしれない。
「イマドキ」ではないと思う。
飽きてる自分や疲れてる自分を観察しながら
ゆるゆる続けていく。
次の10年には今まで見えなかったまた新しい景色が見えてくる。
景色は印象画みたいだったり、具象画みたいだったりしながら
全体を通すと、万華鏡みたいに色鮮やかに世界の様々なものを見せてくれる。
そうやって、結局ひとつのことを地味に地道にコツコツやってきたからこそ
今、こんなに鮮やかに外の様々なことと繋がってクリエーションができている。
もちろん無理して、心を壊してまで続けることは創造的ではない。
魂がやりたくないというのなら辞めていいと思う。
魂は喜びを感じているのに、同時に感じている外的なネガティブな「感情」の方に振り回されて
休んでしまったり、辞めてしまうのはもったいない。
できたらそのネガティブな感情を観察して、自分の心がどんな風に動くのか見て欲しい。
そうして、なんとかかんとか続けてみて欲しい。
そこには絶対「道」ができてるから。
「道」には全てがあります。
色、音、動き、ヒト、イノチ、エレメント、
エネルギー、振動、創造、世界、宇宙、祈り、愛。。。
「道」みたいなものが身につく前に辞めてしまうのは本当にもったいないなーと思うのです。
たぶん、こういうことがシュタイナー教育とか、
微細なものを大切にしている教育が紡ぎあげたいものなんだと思う。
名前の違った習い事やメソッドをたくさんたくさんやるよりも
ひとつのことを瞑想的に続けて行くことで見えてくるたくさんのもの。
(そう、続けるって瞑想的。)
知識として教えられないもの、体験として幼い時に身につけるしかないもの。
現代社会で忘れられちゃった大切なもの。
私がダンスを通して伝えたいもの。
大切な大切な経験の宝物。
「楽しい」を自分で創造できるオトナになって欲しい。
そんなことを思って、
教室をやっています。
全然力及ばず、
伝わりきらない部分も多いけれど。
世のお母さま方、いつも本当のおつかれさまです。
皆さんの愛が、子どもの美しい未来に繋がりますように。
ほんと、お母さんの想いってそこだけですよね。
舞踊教育を通して、子どもの才能を伸ばす。
創造する喜びを知ってる子どもをたくさん育てる。
そんなことをして行きたいです。