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soranolens

メガネを買った話

2019.10.10 07:14

2013年の日記を再掲載。

結局メガネはタンスの肥やしに。





希少数しかない私の誇れることに、「視力が良く、遠くの看板もよく見える」というのがあった。

他には鼻が利くとか、何を食べてもたいてい上手いとか、誇れるというよりは野性っぽいと代弁できそうな長所ばかりであり、役には立つがどれも胸を張って言えることでもない。

しかし、視力の方は一時代を築いたお笑い芸人が凋落するかのように、数年前にあれよあれよと落ちてしまった。

人は「仕事が大変なのね」とか「頑張っているのね」とか優しい言葉をかけてくれるが、

どう考えても就寝前にスマホやDSをいじりたおしているせいである。

視力の衰えは日に日に実感が増していき、夕方疲れてくると、世界にガウスがかかったようになる(最近覚えたてで使ってみたかったPhotoshopのぼかし機能)。

こりゃいけないと、人生で初めてメガネ屋に自分から足を踏み入れる。

当たり前だがメガネがずらりと陳列してあり、

少し前のリクエスト絵でメガネ屋を描いたが、ここに来た後で描けばよかったなと

少し思った。

おしゃれなメガネをかけた新人と思しき若いお嬢さんが出迎えてくれて、慣れない手つきで視力検査の準備をしてくれる。

このあたりから、目が悪くなったことを悲観する気持ちよりも、メガネをかけて劇的イメチェンを遂げる自分を想像するのに頭を占拠されており、ワクワクした気分が体からにじみ出ていたと思う。

「充分見えてますけどね。」

若いお嬢さんは営業姿勢を微塵も感じさせないほどの率直な意見を口にした。

私個人的には以前よりも明らかに視界が変わったというのに、

メガネ界のプロにしてみたら生半可な視力でかけてもらっちゃ困るということなのだろうか。

そうはいっても、疲れてくると視力が落ちるのはよくある話なので車の運転用に1つ作ってもよいかもしれませんね。と、自分の立場を思い出すや否や営業トークを始めるお嬢さん。西暦を間違えたり、見積計算を間違えたりしながらも生半可な私のために立派なメガネを用意してくれた。

大変失礼な話だが、このお嬢さんには視力よりも先に端正するところがあるのではないかと何度か思ったが、非常に一生懸命対応してくれたのでこれからも頑張っていってほしいなと思う。

かくして私もメガネデビューをしてみたが、劇的イメチェンというほどの素敵なマジックは起こらず、さほど見た目のインテリ補正もかからなかったので、ほんとにほんとに運転で困ったときだけかけようと思う。

それはそうと、視力検査のときは右とか左とかを咄嗟に判断して発言しなければいけない。上と下は大丈夫なのだが、右と左がいまだに瞬時にわからない。

「小学校のとき名札をつけてたこっちが左だから…これは右!」と回りくどい思考回路を経てようやく言える、といった具合だ。

自分の方がお嬢さんよりよっぽど重症である。