S様 Aria Pro 2 / FA-700 ロッドナット固着
仙台のギター修理工房【FOOLS GOLD フールズゴールド】です。
またまた久々のリペアブログ更新です。
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【Aria Pro 2 / FA-700】
こちらのギターのトラスロッドナットの固着処理でした。
アリアプロ2のフルアコです。
所謂ジャズギター の部類ですね。
代表的な機種は、やはりGibsonのL−5やES-175の辺りでしょうか。
保管状態が悪かったのか、入手した時点でトラスロッドが固着し回らないとのこと。
で、実際に回そうとしてもびくともしません・・・
手を替え品を替え、色々試しても一歩も譲らないナット・・・
一旦作業をやめ、他のことをしながら思考する。
そして、ここでは言えないようなヤヴァイ方法で・・・
てのは冗談で、、
とは言え本当に試行錯誤し、なんとか救出しました。
(一回諦めかけたけど)
保管している間に埃や錆などによってナットが固着することがあります。
当店でも過去に同じような症状のギターは何度も受け付けてきました。
この手の、ナットが奥まったところにあるタイプはより影響を受けやすいようです。
しかし、今回の場合は保管状態の悪さもあったかもしれませんが、製造時点で多少の問題があったと推測されます。
無事にトラスロッドが回りましたので、極度の逆反りも修正できました。
続いて全体の調整も施させていただきました!!
曇って汚れてしまったパーツ類を磨きます。
金メッキは剥がれやすいので、超微粒子のコンパウンドで丁寧に磨いていきます。
右はビフォー、左がアフターです。
丁寧に磨けば金メッキでもちゃんと綺麗になります。
フレットはとても汚れていました。
だいぶ良く無い環境に置かれていたのでしょう。
念入りに磨きます。
見違えるほど綺麗になりました。
最初の状態ほど汚れているとスムーズな演奏は期待できません。
弦の劣化も早くなります。
もちろん音も曇り、デメリットしかありませんね。
トラスロッド含め、クリーニングが難しくても、保管場所だけはちゃんと考えましょう!!
全体調整を施します。
フルアコならではの箱鳴りを活かすセッティング。
ギター全体の鳴りを拾う事を意識しソリッドギターに比べてピックアップの高さを低めに設定。
また、ジャズをメインにプレイするため、弦高に関してもギター全体の鳴りを殺さぬよう若干高めに設定しました。
ボディを磨いて完成です。
お預かりした時は極度の逆反りだったのでまともな演奏はできませんでした。
そこからネックの調整も無事に済み、各部のバランスもしっかり取れました。
お客様から演奏動画をいただきました。
無事に演奏を楽しめているようで何よりです(^ ^)
以上、保管場所には気をつけろ!!
でした。