2009-01-21 イヌの鍼灸治療(其の弐)
湯たんぽ、いいですよね。冬の寒い夜には最高ですね。
エコだから、って人気出て、再評価されてるみたいだけど、そんなことより、なにより、あのしっとりとした暖かさは最高。
でも、ここのところ私が愛用しているのはですね、名づけて、、、
「とぴたんぽ」 (^^ゞ
私は、毎晩うちのトッピーと、一緒の掛け布団をかぶって寝ています。(夏は不可)
「犬と一緒に寝るなんて、絶対にありえないよ!」と、長年思っていましたが、訂正してお詫び申し上げます。はい。いちどはじめたらもう止められなくなりました。
トッピーの毛は、犬としてはかなり細くてやわらかいので、手触りつるつるしてるし、とにかくあったかくてきもちいいんですよ♪
これまではオスしか飼ったこと無くて、初めてのメスなので、なかなか最初は理解できなかったのですが、とにかくトッピーは、情が濃すぎるし、計算高くてワガママだし、所有欲も自己顕示欲も強い犬なので、人間だったら相当に嫌な女なのですが、、、
なにせイヌですから。悔しいことに、すっかり私は溺愛してしまってます。
私のメンタル健康は、この犬によって維持されてる部分がどんなに大きいことか。。。
さて。そんなトッピーのやつ、ホントに手がかかる女なのです。
(きょうはあとはひたすら犬の話です。鍼の話には辿りつけそうにないかも・・・)
困ったことはいろいろあります。
まず、この犬種。イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル といいます。もともとは鳥猟犬でして、鳥を追い散らして、人間が撃ちやすいように追い出すのが仕事だったらしいです。「スプリンガー」という名のとおり、とにかくぴょんぴょん跳ねます。すんごいジャンプ力です。モーグル選手みたいな感じで飛び跳ねてます。うらやましい運動神経です。
で、この犬種、どうやら広く知られていることとして、遺伝的に「激怒症候群」(?!)というおっそろしい名前の症状を呈しやすいと言われています。なんかこう、突然に脈絡も無く、噛みつく、、、らしい。うぅぅ。。。おそろしい。トッピーのやつ、子犬の頃はかなりカミカミな女でした。私の肘から先とか、ふくらはぎとかは、常に大量の傷だらけでした。あぁぁ、、、「激怒症候群」だったらどうしよう!と、毎日心配で心配で心配で、、、眠れなかったです。いつか手に負えなくなって、殺処分にしなきゃならないようなことになったらどうしよう、、、と。
カミカミ癖が落ち着いてきたら、こんどは皮膚が真っ赤になって、毛が大量に抜けはじめました。原因がわからなくて、さんざんいろんなこと試して、わかったことは、どうやらものすごいたくさんの種類のアレルギーを持ってるらしいってこと。食べるものの制限が多すぎて大変です。やれやれ。。。
そして、次には生理の周期がおかしくなって、不正出血とか、妙な浸出物とかが出てくるようになってしまいました。それが目下の問題であります。おそらく「子宮蓄膿症」という病気らしいのです。避妊手術として、子宮の摘出をしてしまえば済む話なのですが、なにせトッピーは大量のアレルギー持ちなので、「全身麻酔のリスクがこわいんだよな・・・」と、獣医さんが乗り気じゃなくて、手術をしたがらないのです。(つまり、麻酔から覚めないで、そのまま永眠しちゃう可能性が結構あるかもしれないんだよね、、、ってことです)
さて。どうしたものか。
「どうしても手術したくないんです。なんとかなりませんか!」
って、あぁこれ、もしかして、、、
鍼灸院ではよく直面するタイプの問題だということに気がつきました。
先日、セカンドオピニオンを聞きに他の獣医さんのところに相談に行きました。(八王子で昔からずっとお世話になっていた方です。その先生は、ご自分で動物鍼灸とか漢方を勉強してる方なので、私がマックスにハリしてた話とか、ものすごーく興味しんしん、なのですよ)
そして、八王子の先生曰く。
「漢方薬出します。ご自宅では鍼してください」
うわー。。。そうきたか。
「オ血 (これは、おけつ、と読むんですが、お、はたぶん変換されない字なんだよね)と考えてみたらどうでしょうか? 竜胆シャ肝湯を出します」
と言われた。うあぁ、、、久しぶり。またベンキョーしなきゃ。
いまではこんな異端(?!)鍼灸師になってしまったけれど、卒後しばらくは、中医学(※)のロジックの美しさにごりごりにハマってて、中国行こうかしら!とか思ったことがあるくらいのワタクシなのです。
なぜ、「オ血」なのか?
あー、肝鬱だって解釈してるのかな?
それとも肝熱だろか?
すっかり忘れていた中医学的ロジックを頭の中で考えていたら、それだけでふだん使ってなかった脳の部分がみるみる活性化されてきました。すげー。。。
で、結局なにをしているかというと、続きはまた。
※ 中医学って?
いわゆる日本漢方と、中医学は、ちと違うのです。(一般の人は、別にこんなことは知らなくてもいいと思いますが、いちおう)
どこがどう違うのかを正確に説明する知識がないのですが、おおもとは同じでも、依拠する原典が違ったり、解釈や理論体系が違う、というくらいだったら間違ってないかな?(2009年1月21日)