私のカレーを「好み」と言ってくれた人
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仙台市泉区将監で、ヨガクラスを開催している仙台ヨガ部のはらだひろこです。
子連れで来れるヨガを中心に、女性のライフスタイルに合わせたヨガをお伝えしています。
先日、市の基礎健康診断、子宮頸がん、乳がん検診に行ってきました。
何年ぶりの健康診断。子宮頸がんは下の子の妊娠以来、乳がん検診も何年ぶり。
子宮頸がん検査の際、ヒトパピローマウイルス(HPV)検査もしますか?と聞かれました。
費用はかかるけれど、がんになるリスクを知ることができるそう。もし陽性と結果が出たら、まめに診察を受けることで早期発見ができ、子宮を残してがんを治すことができるそう。ほぼ迷うことなく、HPV検査もお願いしました。
先月、大切な友人が、がんでこの世を去りました。34歳でした。3人の子供がいるお母さんでした。体に優しい自然食やモノに詳しくて、いろんなことを教えてくれた。家族がインフルエンザで倒れたときは、「ひろこちゃんだけは生き延びて!」と玄関の前に梅酢や免疫を上げるドリンクや手作りのスイーツをそっと置いといてくれた。おかげで家族3人がインフルエンザの中、私は無事だった。困っている人に分け隔てなく手を差しのべて、欲しい情報をくれて、みんなのお母さんみたいな人でした。愛の深い深い人でした。
彼女に会ったのは、1年8か月前。息子の幼稚園の同じクラスの女の子のお母さんでした。
会って間もなく、立ち話の中で、彼女から子宮頸がんだと告げられました。まだわかったばかりの頃だったのではないかと思います。
抗がん剤を使わない治療をしたい、とたくさん調べて、ホメオパシーやレメディー、自費治療になるけれど、いろんなことを試していたようです。
重粒子治療を受けに他県の病院に入院した、というのを人伝に聞いて、大丈夫かなぁと心配していたのですが、ある日園で見かけたとき、心底嬉しくて、嬉しすぎて声がかけられなかったほどでした。彼女が今ここにいることは、私が今変わらず毎日を過ごせることにつながると感じました。もし、彼女がいなくなってしまったら、私は今と同じ気持ちでここにいない。こうして変わらぬ今日を過ごせること、彼女が、今つながっているだれか一人でもいなくなれば、こうはいかない。だから、彼女の元気な姿に心から感謝しました。
彼女との思い出は味噌づくり。家まで来てくれて、材料も揃えてくれて、一緒に味噌を作りました。味噌づくりの日、浮かない顔をしている彼女、どうやら再発したかも・・・と。
子供たちが大きくなる姿が見れないかもしれない、子供たちの成長をずっと見ていたい。そう言いながら泣いていた彼女を、私はぎゅーーーーっとして一緒に泣きました。心が痛くて苦しくて。あまりの試練に怒りと無力感みたいなものを感じました。
今は、愛情を受け取るとき。彼女はたくさんたくさん愛情を与えてきた人だから、今はたくさんもらうときなんだと。だからできることはしたい!
病気と向き合うとき、気持ちのアップダウンがあると思うけれど、遠慮して伝えたいことを伝えないのは、きっと後悔すると思って、彼女にもそのことを伝えました。イヤなタイミングもあるかもしれないけど、余計なお世話かもしれないけど、自分勝手かもしれないけど、声かけさせて。だってあなたのことが大好きだから。見て見ぬふりなんてできないよ。
彼女が望む、抗がん剤を使わずにがんが治った人の本を探しまくったり、呼吸法やヨガをしたり、とにかく頭の中では2年後に一緒に味噌汁を飲むところをイメージしまくりました。
彼女とのヨガの時間もとても大切な時間でした。いつもクラスの当日に「今日行く」と連絡をくれて登場する。そして骨盤周りをほぐしたり、血流を促すポーズをじっくり味わう。チャクラに興味があって、ムーラダーラチャクラ(脊髄の基底部)とスヴァディスターナチャクラ(丹田)を意識したポーズを伝えました。子供が大好きで、シャバーサナもそっちのけで赤ちゃんをあやしたり。そんな彼女の背中を私はマッサージしました。よく頑張ってるね、大丈夫大丈夫。と唱えながら。
クラスの後、彼女から「さすってくれてありがとう、泣きそうだったぜ。あったかい気持ちがとっても伝わってきた」とメール。たくさんたくさんいろんな人から受け取ってほしい。それが彼女がこれまで蒔いてきた種なんだもの。
初夏、幼稚園の送迎がだんだんしんどくなってきているのなんとなく感じました。時々メールして近況報告しあったり。会えないけれど、幼稚園の職員室に渡す物を置かせてもらって、物々交換。だんだん寝たきりになってきた彼女。お盆に、彼女が食べたかっていたベーグル屋さんに行ったので、連絡して家の前に置かせてもらいました。すると、そこにはお返しの袋がすでに用意してあって、自分がそんな状態のときですら、こうして想いを巡らせてくれることに、つくづくすごい人だなぁと思った。
それから1か月後、彼女は逝ってしまいました。高く青い秋空の元、彼女が大好きだったひまわりに囲まれて、最高の笑顔を遺影に、本当に多くの人に見守られて旅立ちました。彼女はどの場所でも変わりなく、分け隔てなく、愛を与えてきた人でした。
私にもっとできることがあったんじゃないか、家まで行ってヨガしたり、他愛もない話をもっとすればよかった。でも、友達が「これがベストだったんだよ。彼女は彼女の命を全うしたんだよ。」と言いました。抗がん剤に頼らずに、懸命に治療法を探してできることを積み重ねて、家族や友達の愛に包まれて、彼女は強くときに弱く、優しく、最後まで彼女を全うした。
一緒に味噌汁を飲むことはできないけれど、私は味噌づくりを続けるよ。
時々彼女がいた光景を思い出してふっとさみしくなるけど、きっとそのとき、彼女が近くにいるのかな、と笑える。会いたいなぁ。また一緒にヨガしたいなぁ。
彼女にごちそうした我が家のカレー。酒粕入りキーマカレー。
何度も「好み!!」と言いながら食べてくれた。定番のカレー、私にとっては作るたびに彼女を思い出す特別メニュー。