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インドネシアの汚職問題について考えるー1

2019.10.06 23:00

こんにちは。奥村です。

インドネシアに住んでいるとよく聞く話題として、汚職問題があります。今回は、汚職捜査機関が「骨抜き」の危機になっているのではないか、というテーマで書いていきます。


インドネシアには汚職撲滅委員会(KPK)というものがあり、「最強の捜査機関」と称される2つの組織のうちの1つがKPKとなっています。もう1つは「麻薬委員会(BNN)」という捜査機関で、いずれも国家委員会であり、独立した国の捜査組織です。それぞれ麻薬犯罪、汚職犯罪の摘発を精力的に続けており、国民から厚い信頼を寄せられています。


2011年頃にインドネシアに滞在していた時にも、汚職撲滅委員会(KPK)の捜査官が襲われるような事件を耳にすることは多く、汚職により利権を得ているものからのからの強い攻撃を受けているという話は聞いていました。暴漢に襲われ片目を失った捜査官や、自宅に火炎瓶を投げ込まれた副議長など、反発も相当あるのではないでしょうか。


1998年に崩壊したスハルト長期独裁政権下で行われていた「汚職・癒着・親族主義(KKN)」により、今現在も末端まで汚職・癒着が蔓延しています。その根絶こそが、民主国家として歩み始めて以来最大の国家的課題であり、今現在も続く汚職撲滅に必要な事だと思います。


今回法改正が行われ、汚職摘発を担うKPKの足かせとなるのではないかと言われています。摘発される対象者に国会議員や地方公共団体の首長、政党党首、公営企業や銀行のトップといった「VIP」が多く含まれていることから、国会で「汚職撲滅法改正案」が審議されるようになり、今年9月17日、ついに賛成多数で可決されてしまいました。


KPKが弱体化することは汚職体質を温存するどころか、蔓延を容認することにもなりかねず、そんな懸念から、マスコミ各社も足並みを揃えて反対の論調を張り、「反対」は今や国民レベルの要望となっています。


そんな中、当初、国会の議案可決を追認する姿勢を見せていたジョコ大統領ですが、国民やマスコミに忖度し、「改正法の一部修正」を表明し、国民の要求を受け入れる態度を示しています。

今回のブログはここまでですが、次回のブログに法改正について細かく書いていこうと思います。