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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

インディオの使徒5-ラス・カサスの計画皇帝承認

2019.10.16 03:10

実はこの頃ラス・カサスもスペインに居たのである。1517年ヒエロニムス会士がいうことをきかないため、国王に訴えるためまた帰国。しかし摂政ヒメネスは瀕死の床にあり、ラス・カサスは、新王カール(カルロス1世)の宮廷に行き、カールの廷臣で人文主義者のソヴァージュの信任を得た。

ラス・カサスは、先住民に自治を与え、スペイン人は、自分達で開拓を行うという献策をし、カスティーリアで、開拓農民を募集した。ところが、18年ハイチで天然痘が流行して島が荒れ、この案は潰れてしまった。しかしラス・カサスはあきらめず、ヴェネズエラの平和的植民計画をつくった。

ヴェネズエラの植民計画は、金や真珠の採掘によりスペインが潤うことも見込んだ、これまでよりも現実的な計画だった。ラス・カサスは王室付け司祭となり、20年ドイツに向かう国王の後をついて直前のラ・コルーニャの港で、「インディオは自由な人間で、人間としてキリスト教に改宗するべき」というアドリアン枢機卿に感銘したカールの承認を得た。

しかしそのとき、国王に捧げられた見事な金の財宝を観たが、これはコルテスがメキシコから国王に送ったものであった。19年、ユカタン半島を探検していたコルテスはアステカ王国を発見した。ヨーロッパもアメリカも激動の時代をラス・カサスはまた新大陸に出発する。

下左はアドリアン枢機卿の計画を承認するカール5世右はアドリアン枢機卿