6時間目:日本発のバイキング料理
タツノコの名作、タイムボカンシリーズを振り返りつつ、無理矢理お勉強に繋げてしまおうというこの企画。今回はバイキングの世界が舞台でございます。
【本編の超あらすじ】第6話『海賊はオウムが好きだペッチャ 』
ペラ助が「本物のバイキング料理を食べた記憶がある」と言うので、丹平たちは850年のバルト海へタイムトリップする。そこで丹平たちが出会ったスプーン党の船長コックは、戦利品としてたくさんのオウムを収集していた。ペラ助の妻・オタケさんは彼のコレクションには居なかったが「敵対するフォーク党のキッチンのオウムコレクションに居るかもしれない」とコック船長。丹平たちはオタケさんとの会話を条件に彼に味方することに。一方のスプーン党船長キッチンは、丹平たちを追ってきたマージョ一味を味方につけていた。双方の激しい戦いの中、丹平たちはマージョたちを退けるが、キッチン船長のオウムコレクションにもオタケさんは居なかった。丹平たちの木江田博士探しの旅は終わらなかったが、コックとキッチンは争いをやめ、海賊同志の絆を深めるのだった。
■ビジネスマンだったバイキング
バイキング(ヴァイキング)というのは、800年~1050年(バイキング時代と言うそうです)、主に西ヨーロッパ沿海部を侵略したスカンジナビアやバルト海沿岸地域の武装船団(海賊)のこと。
専門家たちの研究の結果、現在ではバイキング=海賊の呼称というよりは、当時スカンジナビア半島やバルト海沿岸に住んでいた人々全体のことを指すようになっているそうで、"ノルマン人"という言い方もされるんですって。
ちなみに、バイキングの語源は、古ノルド語の「víkingr」から来ていて"フィヨルドから来たもの"という意味なんだそうです。
実際、彼らは海の上での略奪行為や、他所への侵略だけを生業にしていたわけではなかったようです。確かに800年より前のバイキング時代の初期には、西ヨーロッパ各地へ侵略行為を頻繁に働いていたこともあって、ヨーロッパの人たちにはヒールのイメージを抱かれがちなんですが、丹平たちが訪れた850年頃、9世紀には、そのほとんどはまともな交易を営んでいたらしいです。もともと彼らは農民だったり漁民だったりした人たちらしいので、そこまで戦闘民族ではなかったっぽいです。なんか全然イメージ違いますよね(;'∀')
さらーに。劇中にも出てくるような出で立ちが、僕らのバイキングイメージのステロタイプなんですけど、これもまた事実ではないそうで、当時の遺跡からはこんな角の生えた兜とかは出てきてないらしいですよ(笑) これは古代ローマ時代のケルト人の一部に見られる出で立ちだそうで、いつの間にやらバイキングのイメージになっちゃったんですな。僕の世代は『小さなバイキング・ビッケ』で刷り込まれた気がしますw
■お店の名前が起源だった"バイキング"料理
さて、今回のトリップの発端となった"バイキング料理"。我らが日本では"ランチバイキング"とか、すっかり食べ放題のイメージが定着してますが、実はこれ、日本発の日本だけの言い回しなんですね。まあ、だから"ランチバイキング"とかは和製英語ってことですかね。近頃は"ビュッフェ"と欧米風に表現する店が増えてきていますが、いまだに根強い"食べ放題"イメージ。・・・昭和世代だけか?(笑)
なぜ、日本で食べ放題のことをバイキングと呼ぶようになったのかを調べてみると、意外と理由はシンプルでした。日本で最初の食べ放題レストランの名前が「バイキング」だったんですね。
1957年(昭和32年)、帝国ホテルの犬丸徹三社長が旅先のコペンハーゲンで北欧式ビュッフェ"スモーガスボード"を知り、その"好きなものを好きなだけ食べる"というスタイルを自分のホテルのレストランに取り入れることに。ただ"スモーガスボード"という呼称は日本に馴染まないと感じ、店名を悩んでいた時、ホテルの横の劇場で公開されていた映画『バイキング』(1958年)で見た豪快な食事シーンに着想を得て、店の名前を"インペリアルバイキング"にしたんだそうです。
これが瞬く間に話題になり、この店の定額食べ放題システムを真似した後発店が、こぞって"バイキングスタイル"と名乗るようになって、いつしか"バイキング"はビュッフェレストランの代名詞になっちゃったんですって(笑)
ペラ助が「本場のバイキング料理は美味かった」とか言うてますが、正確にはスカンジナビア料理とか、そういうことになりますよね。
▲若きカーク・ダグラスがアーネスト・ボーグナインらと演じるバイキングの物語。本編はネット上では探し出せ無かったですが、▼こんなドラマがプライムで観れるみたい。
■今週のメカ
舞台が海ということで、初の海洋型悪メカです。でも、伸縮するヒレで空も飛んじゃいますけど。潮を吹くところ(まあいわゆる鼻の孔)部分が、なんだかイヤらしい形をしてまして、こういう悪ノリがじわじわ発動しつつあります(笑) ここから炎も出しちゃう。
今回、メカ製作中の風景に多数の作業員が・・・! マージョ一味、結構資金潤沢? こんなに人を雇えるんですね(;'∀') まあさすがにあんなデカいメカをグロッキーとワルサー二人だけで完成させるのは至難の技だもんねえ・・・。こういうとこにリアリティ持たせてどうすんだって感じですが(;´∀`)
そして、今回、ヤゴマリンが初の活躍です。
それにしても、そのデッカい円盤ノコ、どうやって収納してんだ。
ちなみに木江田博士は、どこぞの世界で、オタケさんと無事に生きておられることが分かりました(笑)