10月4日(金)『伊勢さんに胸を鍛えてもらった
早朝ジムに行き、この後、BS句会があり、句を作った。
5句出して、1句特選1句並選だった。今日のBS句会は、片山由美子さんが先生。
漆黒の空に金継ぎ稲妻来、謹厳実直を脱ぎ秋花野、青竹に新酒期待のケミストリー、秋袷性転換手術終え、割れ石榴妻に秘密の二つ三つ。
漆黒の空に金継ぎ稲妻来→漆黒の空に金継ぎ稲光(片山由美子) てまり特選
季節の変わり目である、空が一気に曇り、空全体を暗く覆う、稲光が炸裂する。光に遅れて、雷音も耳に響く。茶道の経験であるが、何時ぞやの茶会で、黒い楽茶碗で、御茶をいただいたが、割れた部分を金で継ぎ、それはそれで楽茶碗の景色になっていて、素適だと思った。夜ではあるが、真っ暗に覆われた雲からひかる雷、夜空に描かれた雷光が、まさに金継ぎのようだった。片山由美子先生は、稲妻来ではなくて、稲光でいいと言われた。
謹厳実直を脱ぎ秋花野→謹厳実直を脱ぎ大花野 並選1人
アナウンサーと言う仕事は、民放はどうか知らないが、NHKでは、真面目さを要求される。私は決して真面目な方ではないが、その振りを長年してきた。定年すると、NHKでのアナウンサーとしての役割は終ったのだから、素になればいい。でも長い年月真面目を装ってきたので、なかなか素に戻ることが出来ない。こんな時に、一遍、大花野にでれば、のびのびとして、謹厳実直なんて、自分に合わない姿を脱ぎ擦れられるのではないかと思った。俳句初心者のようで恥ずかしいが、花野は、単独で秋の季語で、これに秋をつける必要はなかった。季重なりである。反省した。それで、改作して、謹厳実直を脱ぎ大花野にした。
青竹に新酒期待のケミストリー
もう相当の昔のはなしだが、愚妻とともに京都に旅行に行き、ある料亭で、京都料理を堪能した。この際、店が日本酒の器として用意したのが、青竹の筒に入った灘の酒だった。竹の香りが、酒に加わり、なんともいえない芳醇香りで、日頃日本酒を呑まないわたしもついつい酒が進み、家内と一緒に、およそ一升も呑んでしまった。酒屋に行くと、新酒が並んでいる。夫々に、上手さがあるだろうが、青竹に入れて呑めば、一層美味くなる予感がした。
秋袷性転換の手術終え
秋になり、涼しくなった。単の着物から、袷に変る。単の着物は、裏がないが、袷は裏地が張ってある。布が二重に張り合わされているのが、袷ということになる。性転換も、男から女、逆に男から女に性転換する場合もある。LGBT全盛の時代、ユーチューブにも、生転換した人がユーチューバーになり、知らなかったことを、色々教えてくれる。ノーマルの男性は、単の人生。性転換した人は、違う性を生きられる。性転換する人の、気持を詠んだが、参加者の理解は得られなかった。
割れ石榴妻に秘密の二つ三つ
結婚して30年以上が経つ。平和な老後を送れるのは、妻のおかげだと素直に感謝している。料理も上手いし、情も深く、文句の言いようのない妻ではあるが、長い人生に、夫にいえない、秘密が必ずあるはずだ。でもその秘密を探ろうとは思わない。私にも、墓まで持っていく秘密が少しはあるからだ。逆に、少し位の秘密がないと、余りにあっけらかんとして、人生が豊かではないように思うのだ。