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歩くということと体幹

2019.10.21 22:10

一般的な体幹トレーニングを調べてみると 


床に両手・両膝をつき、軽く顔を上げ、視線は前方にして、対角線になる手脚(右手と左脚)をゆっくりと伸ばす。

指の先からつま先まで一直線になるようなイメージで。

伸ばしきったところで2~3秒間静止。 


 というような運動が紹介されています。  

この運動を考えると、体幹のトレーニングとは言い難いなと私は思います。

この運動で一番負荷のかかるのは股関節と肩関節です。

重力に逆らって手足をあげる訳ですからね。

結構キツイトレーニングだと思います。


それに伴って体幹も使うというトレーニングには違いがありませんが、体幹を強くする運動かどうかは疑問が残ります。  

つまり体幹を鍛えると言いながら、体幹をあまり使わずに肩と股関節のみに負荷がかかってしまうトレーニングになってしまう可能性があるからです。

可能性と言ったのは、体幹を使うようなイメージをして行うのと、何気なく手足をあげるのでは大きな違いがあります。


つまり、やる側の意識によって効果の違いを感じます。

ということは難易度の高いトレーニングだとわかります。

この説明のとおりの解釈なら、あまりにも自由過ぎて、体幹を使う運動になっているかどうかはわからないということです。


私が考えるのに体幹を鍛えるのなら手足の力を極力抜く必要があります。  

もちろん、運動で一番大事なことは体幹で起こったエネルギーを手足に伝えるということですが、体幹を鍛えるというなら手足の力は必要ないはずです。

そこで図をご覧になってください。 

股関節とつながる体幹の運動方向を考えてみると、歩行で片足を出す場合、腸骨には仙骨に対して上方向に挙げる(挙上)動きと回転のエネルギーが加わらなければなりません。  

後から仙骨と腸骨を見ると左右に捻れるような動きになっていると思います。 


この初動が起こってから片足が前に出ます。図の右側は、エンジンの内部構造を簡単に示した図です。直線の運動を回転のエネルギーに変換しています。

右下の図は、上の図を逆にしている図です。回転のエネルギーが直線のエネルギーに変換されます。 人間は体幹側で起こる回転エネルギーを直線のエネルギーに変えて、足から地面に伝えて前に進んでいます。 

大腿骨はエンジンで言えばピストンの下に接合されているコンロッドとです。エンジンは直線運動を回転運動に変えるだけですが、人間は、回転運動から直線運動に変えつつ横揺れにも対応しながら、回転軸が前方向に進むという形です。エンジンは固定されていますが、固定されていない為により複雑な構造をしているということです。 

しかし、基本は力の方向は逆向きエンジンと同じと言えます。


歩行時の初動は片側の腸骨を上げて体幹に横揺れの運動を起こすことからはじまります。

そして、その上に上げたエネルギーを進行方向に回転を加えつつ、はずみをつけて大腿に力を伝えます。 回転は非常に小さい回転であり、中心軸は前と横に移動しています。

足は、体幹で起こった回転運動を補正しながら直線に変えていくような動きをしている感じです。その影響を受けているのが膝関節と足関節です。 つまり体幹を使うということは、手足に力が伝わる前の段階のことを言うはずです。


だから純粋に体幹運動をしようと思ったら手足の力が入る前の小さな動きを意識しなければならないということです。