忘れる大切さ
昨日は東京の治療院でのセミナー最終回に参加してきました。
今回のセミナー中に先生から聞いた私なりに印象深いお話。
日々どう生きるかという中で、先日のこんな患者さんとのやり取りをお話しされました。
その患者さん、お子様が軽度の障害を持っていて一緒に来院されていたそうです。
何度か治療を受ける中で、歩けなかったのが歩けるように、生き方も前向きになって、今度は長距離走にチャレンジするまでになったとか。
そんな報告を受けた際、あの時の治療が素晴らしかったのだと、患者さんは感謝を込めて仰られたそうですが、先生はその言葉を受けながら別のことを考えていたそうです。
「”あの時の治療”ってどうやったっけ?さっぱり覚えてない。。」
先生は、気による施術の探求に限らず、今が最高である、これでいい、と思うことがないそうです。
30年間の探求と研究を続ける中で、常にその先にさらに良いことがあると考え、ひと時の成功体験や手法にこだわることはしていない、と。
過去の成功体験は、捉え方によっては、人の成長を止め、拘りと既成概念を生むものなのかも知れません。それは今とこれからを生きている私たちの足枷にもなる可能性があるとも言えるでしょうか?
周りから見ると、大成されたという人たちの功績や実績の一部を切り出して、これが素晴らしい、こうあるべきだと称賛したりするものですが、本人にとっては人生のひと時の、いわば写真のようなもので、日々生きている自身の実感と周りの反応というものには、違和感があるものなのでしょう。
過去に生きるのではなく、今と未来に生きる。
それは今通り過ぎた瞬間に感謝しつつ、思い付きやひらめきの中に大切なことがあると信じて、軽やかに歩みを進めるという事なのかもしれません。
出会いに感謝