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「宇田川源流」 米軍内で「クルド人を裏切った」を言われているアメリカに日本の防衛を任せられるのか?

2019.10.21 22:00

「宇田川源流」 米軍内で「クルド人を裏切った」を言われているアメリカに日本の防衛を任せられるのか?

 クルド人自治区の問題に関しては、今までも何回か見てきたとおりである。一番最近では10月16日に「トルコ軍によるクルド人自治区壊滅作戦とその国際的な問題点」という内容でブログを書いたとおりである。(https://udagawa-keisuke.themedia.jp/posts/7121308?categoryIds=1894239)実際になぜクルド人がトルコから嫌われているかということをその中では書いてきたが、逆にアメリカ人やイギリス人は、なぜクルド人を保護するのかということはあまり知られていない。

実際にISの問題になった時、実際にIS勢力と戦った、またはISの詳細な情報を出していたのはクルド人勢力である。過去のISとアメリカやヨーロッパの戦いで、例えば「ミサイルによってIS幹部が死亡」とか「幹部○○人死亡」というような内容が発表された時、皆さんはどうしてその「詳細な数字」や「死亡した人間の中にIS幹部が入っている」ということをわかるのであろうか。

実際に、ミサイルによって、その人物のいた建物が爆発したとしても、例えばその建物の中にシェルターがあったり、あるいは、その人物の影武者、または他人の空似であった場合、どのように本人を特定しまた人数を特定するのか。基本的に、ミサイルのCCVカメラは、間違いなく爆発の瞬間は映像が切れている。ということは、そのミサイルが当たった場面やその後の怪我をしている場面などは、全く見えていないはずである。つまり、ミサイルからの映像などで、その人物を特定することができない。

つまり、これらのミサイル攻撃や空爆による被害の特定というのは、現地にいる「人間」が何らかの形で知らせていた。その人のすべてとは言わないが、その中で重要な役割を果たしていたのが、間違いなく、現地い住んでいるクルド人であったことは間違いがない。

さて今回のアメリカのシリア北部撤退と、それに基づいたトルコ軍の侵攻、そしてそのトルコに対してのアメリカの反撃がないという事実に関して、間違いなく、「アメリカはまた中東の味方を見殺しにした」ということになる。

「クルドを裏切った」 米軍内から怒りの声、トランプ政権のシリア政策巡り

ワシントン(CNN) トルコの攻撃に直面するシリアのクルド人勢力への支援にトランプ米政権が消極的なことについて、米軍要員や国防当局者の間でいら立ちと憤りの声が広がっている。軍と国防総省の当局者がCNNに明らかにした。

 シリアに派遣中の要員も含め、多くの当局者がトランプ政権の対応への失望を口にした。

 当局者の1人によると、米軍幹部の一部が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」との戦いでのクルド人の貢献を念頭に、今回の扱いに憤慨していることは周知の事実だという。

 別の国防当局高官はCNNに、トランプ氏が侵攻への反対姿勢を鮮明にせず、クルド人に対する攻撃を食い止める手を打たなかったのは、トルコの侵攻を黙認したことを意味すると指摘した。ただ、政権は公の立場としては、トルコの作戦に一貫して反対してきたと説明している。

 国防総省高官はトルコの作戦に触れ、クルド人主体の部隊「シリア民主軍(SDF)」は「自民族の抹消を図る軍と戦っている。我々が作戦に青信号を出したためだ」と語った。

 シリアでの作戦に関わる別の軍当局者は、ISISとの戦いで一時は同盟関係にあったSDFを守れなかったとして、自国の行動を「恥じている」と語った。

 同盟国や潜在的パートナーが将来的に米国を信頼しない事態を懸念する声も上がっている。「今後我々のパートナーになる勢力が出てくるとは期待できない」。国防当局者の1人はそう語った。

 トルコは先日、以前から示唆していたシリア侵攻に踏み切った。トランプ氏が50人規模の小規模な米軍部隊に国境地帯からの撤収を指示した後のことだった。

CNN 2019.10.15

https://www.cnn.co.jp/usa/35143988.html

 このようなクルド人の話は、間違いなく、あのアルカイダと同じ動きになっている。アルカイダは、1980年代のイランイラク戦争の時に、スンニ派側、つまり反イランの現地組織として、CIAが利用した組織である。その組織が後にアフガニスタンに逃れ、そして、その後に、反米テロ組織となった。

この時もアメリカ軍としては、「契約では努力するといっただけで、アルカイダの要求をすべて保証したわけではない」という。契約社会であれば、契約に書いていない義務はすべてやる必要がない。しかし、一方で、日本や、中東、アジアの国であれば、契約書に書いていない「

関連内容」は、協力して当然であるというような感覚を持つ。「最大限の努力」といえば、その最大限の努力をし、そして、その努力の結果を求めることになる。しかし、その結果が伴わない場合は、契約違反ではないにしても何らかの言葉があっていい。よく異本人が使う「誠意を示せ」というような話だ。その時に、「アメリカとしては契約に書いていないのでそこまでの義務はない」と木で鼻をくくったような話になれば、見解になる。

当然にクルド人に関しても、アルカイダと同じような状況になることが見えてきている。クルド人はアメリカに期待していただけに、そのアメリカが何もしなかったことに関して、期待の反比例として恨みが大きくなるはずであると思われる。その恨みをどのように表現するのか。まさに、そのアルカイダがテロという形でアメリカに対抗したのと同じようになってくるのではないか。政府はそれでよいのかもしれない。イラクもアルカイダもそれで滅ぼした。しかし、軍人一人としては、その結果に対して多くのアメリカ人、つまり「仲間」や「家族」が死ぬことになる。その大いなる犠牲を、アメリカ政府が好んで作っているようにしか見えないのではないか。

同盟国や潜在的パートナーが将来的に米国を信頼しない事態を懸念する声も上がっている。「今後我々のパートナーになる勢力が出てくるとは期待できない」。国防当局者の1人はそう語った。<上記より抜粋>

さて、ではその「同盟国」の中の日本は、どうなのであろうか。実際に日米安全保障条約があったとしても、その条約は当然いアメリカ自身の「国益」によって選択されている。つまり、無条件で、なおかつアメリカの国益につながらない状態でアメリカが安全保障条約を発動して、アメリカ人が血を流すような話はない。基本的に、間違いなく「金を払っているから」「思いやり予算があるから」とか、そのようなことではない。金はあとで稼げるが、軍人の血や命は、失われたら戻らないのである。

では、このようなクルド人のニュースを見て日本は何をすべきか。当然に、アメリカとの安全保障条約を使いながら、そして日米同盟を使いながら「アメリカに依存しない外交や防衛」を考えなければならないのではないか。まさにそのために憲法改正は必要な状況であると思われる。

クルド人も、当然にクルド人自治区の中で、クルド人同士が対立しクルド人全体の意思決定ができないでいた。つまり、国がまとまっていなければ、アメリカは無条件で守ってくれるということではない。そのことを考えなければならないのではないか。