夫婦で取り組む姿の美しさ
ここ最近、僕のセミナーやワークショップにカップルで参加される方が増えて来ました。これはとても嬉しい変化。
そんなあるとき「好かれる勇気」にご夫婦で参加されたQさん(仮)夫妻。忘れられないシーンです。
大抵のカップルがそうですが、Qさんたちも奥さんがご主人を誘って来ました。パートナーシップのセミナーやワークにパートナーの女性に連れられて来るって、なかなか勇気のいることです。来ただけでももう、よくやった、と言いたくなります。で、実際僕はよくそう言います。
その時にも夫であるQ氏に、ほんとうによくいらっしゃいましたね。これだけでも奥様のことを大切にされていることがわかります。みたいなことを言いました。ほんとにそう思うからね。
ただその時はご主人は、「いや、変に反対して喧嘩になるのも嫌なんで」みたいな感じで返事をされていたのが印象的でした。わ、けっこう難しい感じなのだな、と思いながら、よし、大事に進めていこう!と襟をただしました。
そんなスタートで、午前中はご主人は居心地悪そうに見えました。
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「好かれる勇気」は午前の最後にけっこう大掛かりなワークがあります。
全員参加で次々にペアを変えていきながら関わりあうワークで、大抵参加者の全員が「何もしなくても、そのままで愛される」ということを体験するワークなのです。
そのワークになった時に、いろいろ天の采配が働きました。
まず、通常はすんなり2人一組ができるのですが、それがなんだかうまくいかなかった。そしてスタッフが気を利かせて、ぱっと遠くの人同士を繋いでペアにしました。その一人が、Qさんでした。
僕はとっさにこの順番だと夫婦がそのうちペアになるなと思ったので、何ターン目でペアになるのか数えてワークを進めました。そしたらちょうど最後の最後でペアを組める状態だったのです。おお、なんということ!
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そんなわけでペアを変えながら進んでいって、誰もがハートが開いてきたタイミングで、Q夫妻はペアになりました。
その時は無言のワークだったのですが、夫婦で向き合ったQ夫人は涙が溢れて来ていました。その時に感じていた気持ちは詳細にはわかりませんが、心を開いて真実に触れているだろうことは僕やスタッフたちにも伝わって来ました。
そしてその様子をみていたQ氏も、ハンカチを取り出し、奥さまに渡しました。その時の表情は、僕から見るととても思いやりに満ちたものでした。
いろいろな歴史があったにせよ、思いやり合っている二人の姿がそこにありました。
ほんとうに美しかった。
周りで場を見守っていた数名のスタッフと僕は、その姿にすっかりこころ打たれて、涙が止まらなくなりました。
こうして午前の部が終わりました。
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午後は座っている椅子の距離や、体の向きから、お二人の間にあった壁が少し緩んだのがわかりました。
午後のはじめは男性と女性の違いのレクチャーなのですが、男性がつねに女性のために愛情を投げ続けている話をあれこれしているときに、Q夫人がちょくちょく、「え、そうなの?ほんとに?」みたいにご主人に尋ね、ご主人はそれに頷いて応えていました。
その様子がまた美しかった。
他の参加者さんにとっても、いい意味で刺激になったと思います。
そんな風にして1日が終わっていきまして、帰った後に奥様が聞かせてくれた感想は:
改めて夫婦の在り方を捉え直す良い機会だったなぁと本当に感謝です。
私的には旦那に対して、今までいろいろあったけど、
なんだかんだ守ってもらっていたんだなぁという実感と感謝を発見したことが大きいなと感じています。
旦那の雰囲気が少し柔らかくなったように感じるのは嬉しいです。
将来夫婦になって良かったなと思えるような関係を築きたい。
といったものでした。
だからと言って、日々の全てが良くなったわけではなく、会話では相変わらず難しさを感じることもあるとのことです。
それにしても大きなきっかけを掴まれたQさん夫妻。
遠からず「夫婦になってよかったなと思える関係」にたどり着くよう祈っています。