Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Lahui Mauna Kea Japan

TMTをめぐる問題に潜む、先住民文化存続の危機

2019.10.23 06:27

2019年10月20日

「マウナケア本当の愛と平和」と題されたイベントが横浜のカカアコ ダイニング&カフェで行われました。

このイベントは、TMTのプロジェクトを推進する側、マウナケアを守る側 双方の意見を聞いて 集まられた皆さん其々が自分で考え答えを模索するという趣旨のもと アーティストのロドリゲスさんが企画されたものでした。


TMTという夢の巨大展望鏡は現存するスバル展望台との連携により、更なる宇宙の探究を進める可能性を持つ 素晴らしいプロジェクトでそこに日本の最新技術や国家予算が注ぎ込まれる 日本にとってもとても大切な夢のプロジェクトです。


しかし 今、ハワイではこの最新の科学と古代から続くハワイの信仰の間で大きな反乱が起きています。

天文学にとっても最高峰、世界で一番条件の良い理想的なマウナケアの山頂はハワイ文化にとっても多くの神話の舞台となる 最高峰の神山で信仰の対象なのです。


このお話会に 山を守る人達の側として お話をシェアしてくださいと ラーフイ マウナケア ジャパンのメンバーがお誘いを受けました。


日本人同士で話しても拉致の開かない部分がある、せめて 本人達の声を直接 TMTのプロジェクトの責任者に渡す事は出来るという判断で、マウナケアの麓 フロントラインで山を守っている長老達に声明文をお願いしました。


イベント当日の朝届いた声明文は 日本語に訳され 皆さんの前で発表された後 TMTプロジェクトの岩田生(いわたいくる) 副室長に手渡されました。

ハワイ島 マウナケア

クプナの声明

  2019年10月19日

  拝啓、

  30メートル望遠鏡プロジェクトを収容する18階建ての施設の建設による 冒涜から私たちの聖なる山、マウナケアを守るために立ち上がった長老たちのこの声明を受け入れてください。

  このプロジェクトがハワイで建設されることへの支援を撤回することを、謙虚な心でお願い申し上げます。

  ハワイ州及びハワイ大学は、マウナケアの自然環境と景観を保護する義務を放棄されました。 過去50年間にわたって山の頂上に建設された13台の既存の望遠鏡によってすでにもたらされた損害は取り返しのつかないものです。 30メートルの望遠鏡-18階建ての高層建築プロジェクトは、14番目の望遠鏡であることが提案されており、土地と先住民の魂にさらに計り知れないほどのダメージと痛みをもたらします。 山は、かつての自然の美しさを取り戻すことはできません。

  太平洋で最も高い山は、天なる父の神

のワケアと母なる大地の神のパパが結合した場所です。 こうしてマウナアワケアまたはマウナケアが生まれました。 富士山があなたにとって神聖であるように、マウナケアは私たちにとって神聖です。 このようにして神聖な山を冒涜することを許すことは想像できません。

  ハワイは、1871年にカラカウア王下のハワイ王国が日本国の天皇陛下と友好条約を結んで以来、日本と特別な関係を築いてきました。その条約と私たちの長い関係の精神で、 ハワイで建設されるプロジェクトへの支援を撤回して下さい。


  愛と謙虚さで、


  マウナケアのクプナ達より


2019年10月16日

   アラ・フル・クプナにて行われた クプナ達との会談から

ノエノエ・ウォン・ウィルソン・博士が送信



お話し会では TMTのこれからの展望や、環境に対しての配慮と既に使われなくなった天文台施設の撤去のプランなどが説明され、又参加された方々夫々の思いや意見が交わされました。


科学者として誇りと探究心を持たれている岩田さんは、TMTを現在出ている カナリア諸島の様な他の候補地ではなく条件の整ったマウナケアに建設する事、そこでのスバルとの連携を前提にプロジェクトを進めておられるそうです。


まとめ

1. TMTという望遠鏡の開発自体に問題があるのではない。

2. ハワイの聖地に作るという事に問題がある

3. 背景には政府や機関の行って来た 腐敗した管理大勢とネイティブハワイアンに対する搾取と抑圧が有る。

今回のお話会では 解決策として考えられる事として 次の様な案が挙げられました。

1. TMTが 州政府や賛成派によるキアイたちに対する差別、抑圧、暴力を止める様求める。

2. ハワイ民族の存在を認める行為として、山を守る活動をしているリーダー達、マウナケアを管轄するコノヒキと直接の対話を進める。

3. 下働きではなく、プロジェクトの主要となる位置にネイティブ・ハワイアンを雇用し、ハワイアンコミュニティー内での天文学の教育をサポートする。


あなたのご意見も直接TMTの主要メンバーにお届けすることが出来ます。

TMT建設の最後の判断を下すのはこれらTMT取締役員の方々です。


Satoru Iguchi 井口聖

国立天文台副台長

 (National Astronomical Observatory of Japan NAOJ)

 email: s.iguchi@nao.ac.jp


Saku Tsuneta 常田佐久

 国立天文台長 (NAOJ)

 email: saku.tsuneta@nao.ac.jp


Tomonori Usuda 臼田知史

 教授(TMT SAC TMT Science Advisory Committee) TMT科学諮問委員会代表

 国立天文台TMT推進委員

 email: tomousuda@gmail.com


Masanori Iye 家正則

 TMT国際天文台評議委員副議長

 国立天文台(NAOJ)

 email: m.iye@nao.ac.jp

当日の様子


話題はハワイの現地に移ります。



今ハワイで争点になっているのは 『誰がマウナケアの土地を所有しているか』に置かれています。


写真左から マウナケア アクセスロードで100日目を祝う キアイの代表者達 クム プア ケース、アンドリュー、カホオカヒ カヌハ、クプナ ノエノエ ウィルソン

彼らが建設工事のための重機が上がらない様座り込み毎日ハワイの伝統儀式を繰り返している マウナケア アクセスロードは誰のもの? という議論から始りました。

マウナケア アクセスロード (アラ フル オ クプナ) はDHHL(ハワイアンホームランズ)と言う組織の管轄にあります。DHHLはハワイ王国が所有していた土地を、ネイティブハワイアンが文化を守り継続するための居住地区として 又、ハワイアンのコミュニティーの為に活用される事が約束され それを守り管理するための機関でした。


しかしTMTなどの国際合弁企業が州と手を組む事で DHHLは州政府にコントロールされ 本来の目的が実行されずに居るのが現状となっています。



昨日 DHHLの責任者が辞任を決意しました。

「どうして辞めるんだ」と言う問いかけに 涙ながらに「それは 恥ずかしいと思うから」と答えました。「自分はハワイの人々のために誇りをもってこの仕事についていたが 規則が全然守られず、もはや 本来の目的が達成されていない

この問題はTMTに限らないのです。守られると決められた先住民の土地が 企業の開発のために アマゾンを始め世界中で 毎日奪われ続けています。そしてこの開発による環境への影響は 今人類の存続に危機的ダメージを与えているのです。

TMTが完成する12年後に 私たちの暮らしはどうなっているのでしょう。

立ち止まり、それぞれが 私達の子供達がどの様な未来に暮らすのか考える時です。

この歴史的シフトの中で私達の今の選択と行動が未来の存続の鍵を握っているのです。

TMT 開発がきっかけとなり 飛び火するムーブメント。シャーウッドでは24人ほどが逮捕され 昨日は風力発電の建設を阻止るるグループが警察に逮捕されました。ネイティブハワイアン に与えられた土地は今までたくさんの企業に開発のため奪われて来ました。圧力をかければかけるほど 問題は炎上していきます。10/5/2019には20000人以上の人々がワイキキを更新し マウナケアを守るキアイ達と共に立ち上がりました。



地球を未来に残す為には、私達の大きな意識変化が必要です。

私達を生かしてくれている根本とは何か?

科学も地球と人類が生きるための環境がなければ 成り立ちません。

科学は 私達の生命にとって使われるべきであり、それを可能にするのは 誰かにお任せするのではなく 其々が自分で考え行動する事なのではないでしょうか?


先住民達の知恵を聞くべき時だと国連も発表している中で、今逆行する様に先住民への弾圧がエスカレートしています。


TMT側は州政府の決めた正しい基準、規則、法律に則ってプロジェクトを進めて来ました。

しかし、現状はハワイ州がTMTを容認することでハワイアンのコミュニティーに想像以上の大きな抑圧、弾圧の力が掛かっているのです。腐敗した政府機関がハワイ全島に残っていたハワイアンの文化や生活の為の財産や土地を企業の開発のために流用しているので、未だに住む場所も無く苦しい生活を送っている人々が大勢います。植民地政策で生み出された問題が解決されず置き去りになっている事が共に未来へ向かう事が出来ない大きな要因となっているのです。


又、ハワイの文化は大地を基軸に狩猟や収集をする文化でもあります。政府はギャザリング ライツという権利をハワイアンに与えましたが、世代が変わると共にその権利も叙々に失われて来ています。

ハワイアンはアプフアアという山から海の一帯を一つの生活圏としそこでサステイナブルな生活をして来た民族です。アイヌも然り、先住民の文化と暮らしを守ると言うことは、現代的な分譲地を与えるのでは無く アプフアアのシステムが活用できる方法を見出さなければなりません。ハワイアン ホームランズは本来そうした先住民であるハワイアン達のためにあてがわれた土地だったのです。


そう言った権利さえ徐々に奪われていく事に ハワイの人々は民族と文化存続の危機を感じています。


アロハという叡智を持ち続け私達に分け与えてくれたハワイの人々が 何万人と言う単位で立ち上がっています。マウナケアの麓では未来の子孫達のため、命懸けで毎日プロトコルを続けているクプナ達が居ます。


ハワイを愛する者にとって、この様子を見て見ぬふりをする事はとても難しく、多くの人びとが心を痛め そして、文化人、科学者、報道陣、世界各地の先住民リーダー達、音楽家、ハリウッド俳優、著名人なども含める多くの人々が 今山を守る人々に賛同しています。


TMTには、この悲しい現場に加算するのではなく、誇りをもった科学者達の集まりとして 私達の良き友として人道的な選択をとってくれる事を望みます。


科学が神の領域に達した今、反発では無くこの二つが統合し、本当の愛と調和を見出しす事ができます様に。。。


長い歴史のなか繰り返された過ちを改めて、大地に眠る先人達の魂と共に 未来の子供達が健やかに平和な日々を迎えられるようお祈りします。


Aole TMT とは TMT反対 と言う意味ではありません。

様々に折り重なった搾取の歴史と経緯から TMTを聖地マウナケアに建てると言う行為はハワイアン にとっての心の拠り所 信仰対象 最高峰の聖地をこれ以上冒涜しないでくれと言うことなのです。