5R-Ep1:黄金仮面
昭和の悪者たちをちょちょいとラクガキしながら、その魅力を造形的な側面を中心にアーカイブする【悪者図鑑】。第1シーズンは、あえてライダー系を外して、『秘密戦隊ゴレンジャー』『人造人間キカイダー』の2作品をローテーションでお届けしてまいります。皆さまそれぞれの思い出ともに、ゆるりとお楽しみいただければ幸いです。
■黄金仮面のSPEC
◎登場番組:秘密戦隊ゴレンジャー
◎登場回:第1話「真赤な太陽!無敵ゴレンジャー」
◎出身地:暗黒星雲 ◎身長:173cm ◎体重:70kg
◎ミッション:①イーグル関東支部壊滅 ②火薬工場を狙った破壊工作
◎メモ:スーパー戦隊シリーズ最初に倒された怪人。アカレンジャーこと海城誠が所属するイーグル関東支部を壊滅させ、上官でもあった海城の兄も手にかけたため、アカレンジャーにとっては仇敵。大鎌を武器とし、投擲することでブーメランのような使い方もする。火薬工場爆破を目論み、なぜかついでとばかりに幼稚園児の乗るバスをジャックして工場内に閉じ込め、一緒に爆破しようとした。最期はゴレンジャーストームによって爆死。
■デザイン的考察
第1話で顔見せする5人の仮面怪人の中でも、もっともシンプルなデザインの彼。名前もそうだけど、ルックスは完全に江戸川乱歩の黄金仮面からパクってきたとしか思えません。僕らの世代なら馴染のあるポプラ社の少年探偵シリーズのカバー絵、あの柳瀬茂画伯のビジュアルは鮮烈に記憶に残っていたので、幼いながらも「あれじゃん」と思ってた思い出が・・・(笑)
のっぺりとした顔面に、血の如く赤い薄い両目と、左右に切れ上がってブキミなほほ笑みを浮かべる口。それ以外のディティールはほぼ皆無な上に、身にまとう黒マントも全身をほぼ覆い隠すので、非常にシンプルな(言い換えれば金のかからない)造形ですよね。逆にそれが怪しさに拍車をかけていました。そもそも暗黒星雲出身ってことは宇宙人ってことですよね?
■雑記
1977年に放送開始された『秘密戦隊ゴレンジャー』。仮面ライダーに対抗して生まれた5人組のヒーロー番組、後のスーパー戦隊シリーズの原点となる作品で、特徴的な個人装備やカラーによるキャラ分け、大型メカの装備、女性メンバーの編入など、今に繋がるコンセプトが既に確立されているのが凄いなあと思いますね。偉大なるマンネリズム。
田舎だったうちの地元ではいつの時間帯で放送していたのか分かりませんが、登場する怪人とそのやられ方が楽しみ過ぎて毎週釘付けだった気がします。
特に第1話は5人の怪人が一気に登場するという、当時、他には見ないパターン(キカイダーはシルエットだけがぞろっと登場)で、ワクワク感は倍増でした。冒頭から正義のヒーロー側がコテンパンにやられるというのも衝撃的でしたし。でも、5人の主人公に毎回スポットを当てて、5人の怪人をあてがっていくという流れは、良く考えられたシナリオだなあと感心します。
菊地俊輔先生の音楽もドハマりで、漢臭さ全開・ギャグ満載の素晴らしい作品でございます。