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KANGE's log

映画「最高の人生の見つけ方」

2019.10.22 13:49

冒頭、ロケット発射のシーンからスタートしてますが、これはすぐに「あぁ、これがラストなんだな」と分かります。2人が、どうやって、そのシーンにたどり着くかを見ていくということです。

「余命宣告を受けた主人公が、死ぬまでにやりたいことリストを実行していく」というと、いわゆる難病モノをイメージしますが、本作の主人公は、吉永小百合と天海祐希。 平凡な主婦である幸枝は、家族のためにいろいろ我慢をしてきた。ホテルチェーンの経営者であるマ子はビジネスの成功のためにいろいろ捨ててきたものがある。「やりたいこと」というよりは、人生を振り返って「やれなかったこと」の方が多い年代でしょう。いざ、自分の「死ぬまでにやりたいことリスト」を書き出そうと思っても、全然出てこないというところに、すごく共感してしまいます。

もうガンなんて私たちには身近な存在、難病モノではなく誰にでも通じる物語ですね。

2人は同じ病院で知り合った少女の「死ぬまでにやりたいことリスト」を実行していくわけです。小児糖尿病の女の子のやりたいことリストに「日本一大きなパフェを食べる」とかが入っている時点で、おじさんはもうウルウル来てしまいます。

原作映画では、「死ぬまでの時間をポジティブに生きよう」という、結構カラッとした印象だったと思いますが、本作は人生を精算するような流れになっていくので、少々重いですね。これは、主人公を女性にしたからということではなく、日本版だとこうなるってことかもしれません。

ただ、主人公を女性に置き換えることで、片方を「主婦」という立場にして、より2人のコントラストが強くなっています。この手のバディものは、両者の環境が違えば違うほど面白みが増すので、この点は成功しているのではないでしょうか。

泣かせる映画であることは覚悟して観に行きましたが、まあ、泣いちゃいますよ。ズルズルですよ。でも、一番泣かされたのは、吉永小百合でも天海祐希でもなく、ムロツヨシ演じる秘書のセリフだったのでした。あれは、ズルい。

あと、本作を観て、ももクロに興味を持った方へ。

ももクロのライブに、70代の方がいらっしゃるのは、特別なことではありません。「ずっと立っているのはしんどい」という方には、着席指定席というのもあったりします。ぜひ一度、いらっしゃってください。表現は難しいのですが、何かしらの「ポジティブな気持ち」を持って帰ることができると思います(ムロツヨシのようなヲタ芸をしている人はほぼ見ませんが)。