ファンタジックワールドを紡ぎ出す女性カメラマン・ 四方あゆみさんINTERVIEW 第4回(全9回)
ティーン向けのファッション雑誌や、キッズ向けファッション雑誌を中心に活躍してきた女性カメラマン・四方あゆみさん。独特の作品を作り続ける彼女に、今回は大学卒業後、カメラマンとして掴んだチャンスについて伺います!
©Ayumi Shikata
四方あゆみZINE#03 『Bambi』より
モデル★牧野由依、 スタイリスト★小松未季(Rooster)、 ヘア&メイク★杉田和人(POOL)
第4回
ゲーム『どこでもいっしょ』のジャケット写真を撮影。
プロのカメラマンらしいふりをした、最初のプロ仕事だった。
ーー実は翻訳家になりたかったものの、大学卒業後はとりあえず撮影スタジオでアシスタントとして就職した四方さん。前回はプライベートで趣味で配っていた自分の写真ポストカードがきっかけで、個人でカメラマンとして初仕事をもらったというお話までお伺いしました!
ーー初仕事は、撮り貯めていた写真を買ってもらった感じですよね? その後は……?
四方 その後『どこでもいっしょ』というゲームのジャケット写真撮影を依頼されました。
ーー大ヒットしたゲームじゃないですか! 土手と少女と猫のトロちゃん、という当時よく知られた写真のジャケットですね!すごい!!
四方 プロ仕事をわかっているふりをして、現場を仕切っていましたよ。今思うとこわいですね(笑)。大ヒットしたものの、制作当時は売れるかどうかもわからないから予算がなかったらしいんです。それで私ほか、ヘアメイクさんもスタイリストさんも全員、プロじゃなくてアシスタントの人ばかりでったんです(笑)。
ーーラッキーなスタートですね。そして体当たり的な(笑)! その後は?
四方 その後CSのミステリーチャンネルから、江戸川乱歩の15分の短編シリーズの背景を撮影して欲しい、と頼まれたんです。朗読中に使う背景を写真にして、紙芝居みたいに流したいって。ほとんど丸投げで、制作に関わる仕事全部を1人でやらなければならない、たいへんな仕事でした。でも実はこの仕事が、撮影の前に絵コンテを描いたり物語性をつけるなど、今の私の撮影スタイルの元になったんです。
ーーカメラマンは通常、絵コンテを描くことはあまりしないと思いますが。
四方 私、師匠についたことがなくて、カメラマンの仕事自体を知らなかったから、この体験でカメラマンが絵コンテを描くのだと思ったんです。他にもあれもこれもカメラマンがやるんだと思っていて、背景も作っていました。板や布を買ってきて、自分で作っていたんです。
ーーこの仕事も、まさに体当たりですけど……。この仕事で撮影以外のこともすっかり任せられる、しかもトータルで物語性のある作品が作れるカメラマンになっていたわけですね。
四方 そうかもしれません。
ーーところで、この頃の四方さんはスタジオに就職したばかりで、こういった仕事は個人で空き時間に受けていたのだと思うのですが。スタジオではライトの組み方とか、学んでいたんですか?
四方 いえ。CSの仕事で忙しくなって、もうスタジオに行っている場合じゃなくなり、1年で退社したんです。だからスタジオでは全く学んでいないんです。
ーー次回は、会社を辞めて完全フリーとしてカメラマンになった四方さんの仕事っぷりと、逆に翻訳家になりたいという夢を諦めてしまった罪悪感についてをお伺いします! お楽しみに!
四方あゆみ(しかたあゆみ)Profile
愛媛県松山市出身、日本大学芸術学部写真学科卒業。1997年代官山 スタジオ入社、1999年よりフリーランスとして活動、現在に至る。ティー ン向けファッション雑誌、子ども向けファッション雑誌、メンズファッシ ョン雑誌などで独特の写真を発表して、モデルやアーティストにも多く のファンを持つ。2年前に初のZINEに挑戦、現在まで7冊を刊行し話題 に。2019年8月には初めての個展を開いた。Rooster所属。
Instagram : https://www.instagram.com/shikata_a/
Twitter : https://twitter.com/SikataA
取材★鈴木真理子