湖北隧道
滋賀県北部の隧道シリーズもだいぶ拡充が進んできました。
今回はそのなかでも「まさにそれ」という名前の隧道をご紹介します。
湖北隧道(こほくずいどう)
もうまさにですね。
しかし立地的にも・・・
実はここ、「檔鳥坂隧道編」や「近江塩津の謎の穴」探索時にもチャレンジした物件なんですが・・・。
あえなくマジな方の冬期通行止め(完全積雪)により辿りつけなかった、2013年版黒河峠になりつつある隧道です。
でももう大丈夫っしょ!?
さて、ここは国道303号。
国道8号から西に別れてすぐの地点です。
目指す隧道はこの交差点を左折する県道へ。
滋賀県道512号葛籠尾崎塩津線
(つづらおざきしおつせん)
海津大崎の隧道群でも県道名に現れた「葛籠尾崎」は滋賀県北部から琵琶湖に大きく突出する半島部分を指します。
この辺りの道は険しく、峠や隧道が必要な地形なのです。
道は至って普通の田舎の県道。
古くから道があったんだろうと判る線形で続いていきます。
長閑だなぁ・・・。
来た・・・。
明らかに物々しいこの封鎖。
先ほどまでの長閑な光景から一転。
緊張を強いられる場面です。
上の写真にも表示されていましたが、この区間は先の滋賀県道513号と合わせて「奥琵琶湖バークウェイ」という観光道路に指定されています。
だからこそのあの物々しい冬期封鎖だったんでしょうね。
しかし実際は落ち葉や落ち枝もなく、快走できるいい道です。
これがいわゆる奥琵琶湖。
琵琶湖に突出する葛籠尾崎によって隔てられる、琵琶湖最北の水域です。
この周辺には素敵なレイクサイドロードが多いのでおススメですよ。
僕の知る中でかなり上位に来る
信用ならない梯子階段
これに体重を預けると漏れなくフリーフォールが味わえます。
この先には月出峠という峠があるのですが、やはり峠道は完全封鎖。
ここは4月以降だなぁ・・・。
しかし僕の狙いはまさにこの写真を撮っている背後にあるのです。
湖北隧道、着。
なんというか、これまでの湖北の隧道の中ではかなり今っぽい隧道。
石組みのアーチと笠石、そしてせり出したポータルが特徴的な隧道ですね。
昭和9年竣工なんですが、このせり出しの曲線が竣工当時のものならかなり凄い技術なような気がします。
※探索およびレポートは2013年に行ったものですので、現在の様子とは誤差がある可能性があります。
しかし扁額はかなり立派。
こういう立体感持った扁額好きなんだよなぁ。
かっこよくないですか?
反対の西口の隧道は「風光随一」と書かれていました。
近江随一の風光明媚な景勝地という意味でしょうか。
確かに琵琶湖の景観は奥琵琶湖が一番美しいというのは、僕も共感できるところではあります。
この隧道も村田鶴の製作ではないかと噂される隧道の一つです。
年代的にも合いますしね。
ポータルのせり出しといい、特徴ある隧道という意味ではありうると思います。
ただ個人的な問題としては・・・、
道が貧弱すぎる!
ここから先は県道ではなく、長浜市道なのですが・・・。
落石注意の看板は未だに西浅井町(合併前の自治体名)のまま・・・。
この道の使用度がうかがえます。
う~ん。
どうみてもよく出来た林道だな、これは。
まぁ通れるだけマシか。
1か月前は完全に雪の下だったわけだし・・・。
うん。
普通の県道レベルに格下げだな。
しばらく下ると国道が見えてきます。
ここまでくればもうゴールはすぐ近く。
市道は最後に直角に右折し、国道に合流します。
前回はこの時点で雪の下でした・・・。
再び国道303号に合流して今回のレポは終了です。
写真右に写っているのが、今走ってきた市道です。
さぁ村田鶴の足跡をなぞる旅も残すは大物たちのみとなってきました。
こいつらは敦賀からだと遠いんだよなぁ。
また遠征しよ。
以上、湖北隧道編