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小脳の働き

2019.12.10 22:43

延髄、橋、小脳と呼ばれる部分があります。

図をご覧になってください。



延髄の主な役割は、呼吸の中枢、血管運動の中枢、咀嚼、嚥下、嘔吐、咳です。

唾液、消化の中枢を含み、 生命維持に不可欠な機能を担っていて自律神経の神経核がでているところでもあります。後頭部にある部分で、ここを強打して内出血すると、生命維持にかかわるので、注意が必要なところです。


延髄の上にある橋も滅茶苦茶役割は多く、神経線維が行き交っています。錐体路と言って、随意的な運動に関わる神経がここを通っているということですから、このあたりに問題が起こると、意識的な運動の異常にも関係します。


次にその後にある小脳ですが、この脳は、バランスを保ったり、動きの協調(運動ブランを組み立てる)運動学習、固有上感覚(関節の位置がどうなっているかを知る)中枢があります。

小脳に異常があるかどうかをテストする為に、目を閉じて、指先で鼻先を触るという検査があります。このテストでは視角を遮断して位置感覚のみで鼻をみつけられるかどうかを検査します。

これができるのは小脳がキチンと機能しているからです。


しかし、面白いことに臨床的には小脳に異常があっても、これが普通にできる人もいます。

他の動きが代償している可能性もあるので、小脳に異常が起こると必ずこの運動ができにくくなるかというとそうでもない場合もあります。

臨床の現場というのは、ホントに不思議なことが起こります。


話しの本筋に戻しましょう。以前も書いたと思いますが、頭部を触診していると必ず耳から後頭部、頬骨と鼻のラインに異常反応が出る人が多いのですが、まさに、延髄、橋、小脳のある部分です。

生命維持にかかわっている部分です。

呼吸や血管の運動、咀嚼、嘔吐、咳と言ったものや意識的に行われる運動や、バランスなどの無意識に行う運動にも関係している場所です。

不安感や動悸、嚥下障害、長引く咳、運動障害があると、このあたりに何らかの緊張がでてきて当然です。よく観察し、そこを調整することで、症状に変化があらわれてくる可能性があります。


そこで本題です。


坐位での運動であげにくかった側の足と同側の耳と首、後頭部あたりを手で軽く触って、再度あげにくかった足をあげてみてください。

わかりづらかったら、耳の前の方に手をあてたり、後頭部に手をあてたり、少しずつズラしながら、足をあげてみてください。

動きやすくなったり、動きにくくなったり変化します。


足の動きや体幹の動きが、これらの脳の中枢と関係しているということです。手足だけの動きではなく、意識的に動かせるけど、普段は無意識に近い運動にも深く関わっています。自律神経の異常なども、このあたりが深く関係しているのは当然といえば当然の結果です。

これが鼻、耳、後頭部ラインを重視する大きな理由です。