念願の一冊を読破。
4日くらいかけて、じっくり読みました! 名プロデューサー平山氏が見初めた、特撮愛の権化・鈴木美潮さんの著書『昭和特撮文化概論ーヒーローたちの戦いは報われたか』(集英社刊)。Amazonで発見して以来、欲しくて欲しくてどうしようかと思いながら、思い出す時には財布に余力が乏しく、「ほしい者リスト」に登録したものの、慌ただしく日々を過ごしているうちに月日は過ぎ去り・・・で、先週ようやくいろいろタイミングが合ってポチりました(笑)
期待にたがわぬ秀作でございました。心地よい満足感が全身を包んでおります。
『月光仮面』に始まり、刊行時点での『仮面ライダードライブ』までの日本昭和特撮のあれやこれやが、怒涛のごとき知識と共に書き記されておりました。満腹です。
数多くのシーンやセリフの列挙と、客観的かつ愛溢れる鈴木さんの考察。共感点が多すぎて(しかしながら、さすがに彼女の博識の足元にも及べませんが・・・(;´Д`A ```)読みながら心の中で激しく頷く箇所多し。もちろん、初めて知る裏話なども多く「はぇー」と思うことも数知れず。
後半に及ぶに至っては、未だ社会的評価の低い特撮ヒーローという映像ジャンルへの憤り、スーツアクターという存在へのリスペクト全開で、もう拍手喝采やんややんやのエンディング。
個人的にはメタルヒーローに関する逸話の数々は、非常に刺激的でした。あの時代をリアルに生きてきたせいもあるのでしょうか。タフなあの漢たちにまた会いたくなっちゃったなー・・・。ちょうど今、Amazonで見放題出来るしなあ・・・。
鈴木さんが昭和特撮に見出す価値は、僕がこのブログで追及したいと思っているテーマにほぼ重なっていると感じました。昭和のヒーロー物語だからこそ直球で伝えることの出来る「人として生きていく上で大切なこと」。シンプルで粗削りで隙だらけだけど、それ故に滲み出てくる制作者の想い。フィルムの向こうから漂う、あの時代に置き忘れた高ぶり。
熱血とか根性とか、無謀な挑戦とか、自己犠牲とか、今の世の中ではすっかり恥ずかしいものにされてしまっているような、そんな生き様こそ、これからの子どもたちには必要なんじゃないかと本気で思ってますから。
鈴木さんのこの本ほどに洗練されたメッセージは送れないかもしれないですが、この本を心の拠り所にワタクシ更に精進、邁進してまいります!
▲以前にちょこっと描いた月光仮面(笑)