ONE

症例.顔面の打撲

2019.10.29 03:00

☑患者 義母。

☑主訴 左顔面の腫れ痛み。

☑現病歴 両手に荷物を持って運んでいる際に足がもつれて転倒。

前向きに倒れて左顔面を強打。

胃経の承泣から小腸経の顴髎にかけて腫れている。

☑愁訴 肩こり。

☑経絡腹診 肝腎虚、肺脾実、心平。

☑脉状診 浮、数、虚。

☑比較脉診 肝腎虚、肺脾実、心平。

☑証決定 肝虚脾実証。

☑適応側の判定 病症が左に偏っているため健康側の右を本証、患側の左を副証とした。

☑本治法 右行間、右然谷に補法(炎症と顔面部に対応して火穴を選穴)。右関上沈めて脾の脉位に在る虚性の邪に対して左足太陰脾経を切経して最も邪気実の客している左陰陵泉に枯に応ずる補中の瀉法。右関上浮かして胃の脉位に浮いた虚性の邪に対して左足陽明胃経を切経して最も邪気実の客している左豊隆に塵に応ずる補中の瀉法。

☑標治法

イトーメディカル社製アルミ圓鍼の柄の方を寝かして患部に当て手前に引くように40回、腫れている箇所をまんべんなく擦窩。

☑止め&セーブ鍼 中脘✖非適応側天枢✖適応側天枢✖下腹部最陥凹部&百会左斜め2~3㍉後ろの陥凹部に補鍼。

☑経過 その日中に腫れ痛みが引く。

2回で治癒。

☑反省と考察 腫れ痛みをひかすにはアルミの材質が効果的です。

圓鍼の丸の方で擦窩すると引っ掛かって痛いので、柄の方で水平に寝かして擦窩します。

今回はやっていませんが、打撲に最もいいのは刺絡です。