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令和元年10月 月例インターネット句会 Vol.92結果発表

2019.10.30 15:38

木暮陶句郎 選

◎特選 10句

一艘の解き放たるる十三夜(里村 閑)

秋風やまだ温かきゆで玉子(髙橋千登世)

天高し倒されながらつなぐパス(安部じゅん)

空気抜け自転車放置する夜寒(安部じゅん)

夕星を隠しそこねて湖の霧(里村 閑)

まとめ書く日記白白秋思かな(堤 かがり)

むらさきの雨音放ち鳥兜(須藤恵美子)

打ち上がる流木秋の日に痩せる(稲葉 京閑)

ファミレスに親子の声と柚子の香と(森田 遊馬)

初鴨のかるがる滑る水鏡(須藤恵美子)


〇入選 35句 

満月や天空の城浮かびおり(竹俣 修)

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ(星野 裕子)

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸(須藤恵美子)

血の色の魔除けの珊瑚後の月(ななさと紅緒)

希望とは天にも地にも秋澄めり(杉山 加織)

水澄り一枚岩の橋の上(中野 千秋)

未熟なる色艶やかな青蜜柑(稲葉 京閑)

 ケイナてふペルーの笛や水澄めり(清水 檀)

たははなる銀杏の実や空青く(松本由美子)

行く秋に未練も悔いもござんせん((森田 遊馬)

初紅葉少し濡らして通り雨(須藤恵美子)

松茸とシャブリと君の片ゑくぼ(里村 閑)

猫忍び狙ふ刈田の雀かな(竹俣 修)

零るるは古へ人の愛でし萩(清水 檀)

靴音を楽しむ木橋秋の声(星野 裕子)

冷まじやずぶ濡れてゆく避難路(鈴木由里子)

汀へと留め置くボート秋時雨(須藤恵美子)

実り田の黄を分け行くや新幹線(岩佐 晴子)

黄金より生るる白波十三夜(ななさと紅緒)

口角を上げれば秋の風やさし(杉山 加織)

川沿に城の名残りや草の花(中野 千秋)

虚ろなる目をして秋刀魚焼かれけり(清水 檀)

初秋刀魚きれいに喰ひてほめられて(髙橋千登世)

絶筆に音は在らぬか後の月(鈴木由里子)

彼岸花憎悪の毒を秘めし朱(安部じゅん)

隠沼の秋思は風が吹き払ふ(里村 閑)

秋の夜や友の追悼句誌にあり(岩佐 晴子)

避難所に裸身の月の上がりけり(ななさと紅緒)

手を蹴つて命じたばたばつた飛ぶ(堤 かがり)

コスモスの牧に試飲のヨーグルト(阿部ひで希)

衰へぬ炎や雨の曼珠沙華(星野 裕子)

手繰り寄す過去は一途や秋深む(鈴木由里子)

利根川の色なき風に身を沈め(安部じゅん)

義父に似し夫の秋思に寄り添いぬ(堤 かがり)

秋風や背を押すもののやはらかし(杉山 加織)


互選

5票

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ(星野 裕子)

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸(須藤恵美子)


4票

夕星を隠しそこねて湖の霧(里村 閑)


3票

本心は控え目に言ふ秋桜(星野 裕子)

衰へぬ炎や雨の曼珠沙華(星野 裕子)

秋風やまだ温かきゆで玉子(髙橋千登世)

手繰り寄す過去は一途や秋深む(鈴木由里子)

松茸とシャブリと君の片ゑくぼ(里村 閑)

秋風や背を押すもののやはらかし(杉山 加織)


2票

まどろみの解ける先や小鳥来る(清水 檀)

ケイナてふペルーの笛や水澄めり(清水 檀)

コスモスの牧に試飲のヨーグルト(阿部ひで希)

靴音を楽しむ木橋秋の声(星野 裕子)

天高し読経の僧に火の粉飛ぶ(松本由美子)

温め酒心模様と云ふ刺客(鈴木由里子)

初鴨のかるがる滑る水鏡(須藤恵美子)

一艘の解き放たるる十三夜(里村 閑)

血の色の魔除けの珊瑚後の月(ななさと紅緒)

避難所に裸身の月の上がりけり(ななさと紅緒)

希望とは天にも地にも秋澄めり(杉山 加織)

堤防に残る土の香野分後(杉山 加織)


1票

満月や天空の城浮かびおり(竹俣 修)

秋晴れや気持ち良さそに魚跳ねる(稲葉 京閑)

打ち上がる流木秋の日に痩せる(稲葉 京閑)

零るるは古へ人の愛でし萩(清水 檀)

虚ろなる目をして秋刀魚焼かれけり(清水 檀)

今日の雲遊びごころを秋天に(清水 檀)

酔芙蓉廃屋の壁を彩りて(髙橋千登世)

行く秋に未練も悔いもござんせん(森田 遊馬)

洎夫藍や君苦しめるものは何(鈴木由里子)

冷まじやずぶ濡れてゆく避難路(鈴木由里子)

絶筆に音は在らぬか後の月(鈴木由里子)

天高し倒されながらつなぐパス(安部じゅん)

空気抜け自転車放置する夜寒(安部じゅん)

利根川の色なき風に身を沈め(安部じゅん)

汀へと留め置くボート秋時雨(須藤恵美子)

よそよそし高級菓子になりて柿(岩佐 晴子)

吾を頼り従ふものにゐのこづち(岩佐 晴子)

まとめ書く日記白白秋思かな(堤 かがり)

薄紅葉辿りてよりの茶室かな(中野 千秋)

川沿に城の名残りや草の花(中野 千秋)

大利根のたましひ抜けし野分あと(木暮陶句郎)

紅葉冷え恋が壊した恋ひとつ(木暮陶句郎)

雨滴こぼして受けて蔦紅葉(木暮陶句郎)


互選結果

◎須藤恵美子 選

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ

一艘の解き放たるる十三夜

天高し倒されながらつなぐパス

靴音を楽しむ木橋秋の声

秋風や背を押すもののやはらかし


◎岩佐晴子 選

薄紅葉辿りてよりの茶室かな

大利根のたましひ抜けし野分あと

本心は控え目に言ふ秋桜

避難所に裸身の月の上がりけり

今日の雲遊びごころを秋天に


◎星野裕子 選

まどろみの解ける先や小鳥来る

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸

血の色の魔除けの珊瑚後の月

打ち上がる流木秋の日に痩せる

秋風や背を押すもののやはらかし


◎竹俣修 選

酔芙蓉廃屋の壁を彩りて

冷まじやずぶ濡れてゆく避難路

避難所に裸身の月の上がりけり

堤防に残る土の香野分後

初鴨のかるがる滑る水鏡


◎清水檀 選

温め酒心模様と云ふ刺客

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸

夕星を隠しそこねて湖の霧

コスモスの牧に試飲のヨーグルト

手繰り寄す過去は一途や秋深む


◎鈴木由里子 選

まどろみの解ける先や小鳥来る

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸

希望とは天にも地にも秋澄めり

松茸とシャブリと君の片ゑくぼ

秋晴れや気持ち良さそに魚跳ねる


◎松本由美子 選

よそよそし高級菓子になりて柿

ケイナてふペルーの笛や水澄めり

零るるは古へ人の愛でし萩

絶筆に音は在らぬか後の月

秋風や背を押すもののやはらかし


◎堤かがり 選

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ

夕星を隠しそこねて湖の霧

本心は控え目に言ふ秋桜

コスモスの牧に試飲のヨーグルト

手繰り寄す過去は一途や秋深む


◎阿部ひで希 選

行く秋に未練も悔いもござんせん

天高し読経の僧に火の粉飛ぶ

夕星を隠しそこねて湖の霧

堤防に残る土の香野分後

初鴨のかるがる滑る水鏡


◎森田遊馬 選

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸

一艘の解き放たるる十三夜

松茸とシャブリと君の片ゑくぼ

靴音を楽しむ木橋秋の声

天高し読経の僧に火の粉飛ぶ

衰へぬ炎や雨の曼珠沙華


◎髙橋千登世 選

満月や天空の城浮かびおり

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ

空気抜け自転車放置する夜寒

本心は控え目に言ふ秋桜

衰へぬ炎や雨の曼珠沙華


◎稲葉京閑 選

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ

秋冷の森を縫ひゆく雨の糸

血の色の魔除けの珊瑚後の月

秋風やまだ温かきゆで玉子

虚ろなる目をして秋刀魚焼かれけり


◎安部じゅん 選

温め酒心模様と云ふ刺客

秋風やまだ温かきゆで玉子

洎夫藍や君苦しめるものは何

松茸とシャブリと君の片ゑくぼ

雨滴こぼして受けて蔦紅葉


◎里村閑 選

ケイナてふペルーの笛や水澄めり

汀へと留め置くボート秋時雨

避難所に裸身の月の上がりけり

衰へぬ炎や雨の曼珠沙華

吾を頼り従ふものにゐのこづち


◎ななさと紅緒 選

まどろみの解ける先や小鳥来る

希望とは天にも地にも秋澄めり

川沿に城の名残りや草の花

手繰り寄す過去は一途や秋深む

利根川の色なき風に身を沈め


◎杉山加織 選

ペダル踏むたび秋空の広がりぬ

秋風やまだ温かきゆで玉子

夕星を隠しそこねて湖の霧

まとめ書く日記白白秋思かな

紅葉冷え恋が壊した恋ひとつ