「山風にのって歌がきこえる 大槻三好と松枝のこと」惣田紗希 - ペンギン文庫
2019.11.05 23:00
昭和初期 教員で歌人として活動を始めた大槻三好・松枝夫婦のお互いを思いやる絆を愛や温もりを感じる口語短歌と編集を手がけた惣田紗季のイラストが心のひだに触れてくる。二人の出会い、結婚、出産、松枝の死、遺された子、かけあいのようにひかれあうお互いの短歌を通じ、短くかけがえのない日々が浮かぶ。
「ちつぽけな火鉢を二人ではさんだ日 あの美しい爪を知つた日」
エモーショナルなことばに、寂しくも温かい余韻が残る一冊。
コラム筆者・移動本屋 ペンギン文庫
仙台を拠点に写真や美術、文芸、詩などの新刊書を中心としたラインナップで、 行く先々に合わせて本をセレクトし。 様々な土地で本屋を開く。 土地と土地を紡いで本と本屋の可能性を探す移動式本屋です。