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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

我ここに立つ15-ヴュルツブルクの戦い

2019.11.01 03:24

ヴァインスブルクの事態は諸侯を震え上がらせ、皆農民の要求を受け入れた。そして大挙集団は、次に司教都市ヴュルツブルクに向かい、ここでゲーテの戯曲で有名になる騎士ゲッツ・フォン・ベルリフィンゲンが指揮者となった。向かうヴュルツブルクの市参事員には、彫刻家リーメンシュナイダーが居た。

領主である司教コンラートはハイデルベルクに応援を頼むと、密かに市を脱出、農民軍は大挙押し寄せ、対岸のマリエンブルクの大城塞を孤立させるべく、無条件降伏を迫った。市議会は大激論となったが、市内の反司教派が扇動し混乱が激しくなり、市は農民の要求に応じて開城した。

1525年5月9日、農民軍はマリエンブルク城壁に取りついたが、何の戦略もなく、銃のつるべ討ちに撃退された。指揮官フロリアン・ガイアーが大砲を持って戻ってきたが、もはや遅く農民の士気は阻喪していた。死神トルホーゼスが向かってくるという噂はさらに混乱を招き、なんとゲッツはこっそり逃げた。

6月2日、農民軍とシュバーヴェン同盟軍の決戦が行われ、両軍とも激しい戦いを行ったが、結局騎兵2千人の側面突撃によって、農民軍は6千人の死者を出す大敗を喫した。司教コンラートは、軍団と共に、ヴュルツブルクに凱旋、フロリアン・ガイアーは戦死した。しかしリーメンシュナイダーの悲劇はこれから始まるのだ。

下はフロリアン・ガイアーフェスティバルの映像