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【Etarnal Symbiotic Society】~キャリアコンサルタント上藤彰子のブログ~

地方創生と若者の就職

2019.11.01 10:05

定期的に講演会等に参加し、キャリアに関する知識や情報を手に入れておりますが、最近、企業がいかに地元の学生に入社してもらうか、というテーマで勉強させてもらいました。  

講師が大学の先生であり、研究者でもあったので、研究に関するデータが主なものでありましたが、自身の地域から見たら、この県からは学生は来ないだろう、と思い込んでいることも大いにありえ、実は2つ隣の県でも興味を持っている学生はいるよ、というデータを示してもらいました。


 若い人が他県に流れてしまうことに対し、真剣に対応策を考えている地方では、若い人に地元に残ってもらうよう、様々な取り組みを行っています。とりわけ、地方創生が取り組みの中でも大きいものであり、仕事がないから、という理由で他県へ行くことがないように努めています。

若い世代が他県に進学したり就職したりしないように、また、他県に進学しても卒業後に戻ってくるよう、地方のキャリア教育にも特徴があります。地元の良さを学ぶ機会を持つこともあれば、地元の魅力ある企業へ職場見学をする機会を持つこともあります。そして、何より地方創生インターンシップがあることで、他県へ進学した若者がUターンを目指すきっかけを作ってもいるのです。

しかし、キャリア教育については良いこともあればそうでないこともあります。地域の特性と将来目指すものを固定してしまう教育をすることもあることも知りました。「この地方だから、こんな仕事で、こんな業界で」と限定的な目標を作ってしまうことです。

これは私の見解ですが、例えば、海沿いの地域だから漁業、水産加工業で、とか、観光地だから観光業で、という目標を植え付けてしまうことです。職場見学では地域ごとに特化している業界もあり、その業界の職場で見学することになるのは事実ではありますが、観光産業が多いから観光業で、と目指しても、本人にとっては、その業界の興味や適性が一致しているとは限りません。

少なくとも興味が一致していれば地元の大学に進学しても良いでしょうが、どちらも一致していないのであれば、経済的な面もありますが、他県に進学して新しい視野を広げるのもひとつの方法です。他県の大学で学んで地元の良さを認識すればUターン就職をすることでしょう。

しかし、出ていったままでは困る、ということにもなります。そのときこそ、Iターン就職を受け入れるときです。そのときに、「この県からは来ないだろう」という思い込みを捨てると可能性が高まります。

また、地域によってはよそ者を受け入れないことが習慣となっていることもあります。このままでは若い人が他県へ行ってしまったら、人は減る一方であり、また、他県からの企業の誘致も進まないことで、ビジネスの面において、地域にとっても企業にとっても機会損失となってしまいます。

よそ者を受け入れないということは、同じ日本人も受け入れられないので、外国人も受け入れられないということにもなります。人手不足を外国人で解消している地域が周囲にあったら、競争力も弱まってしまい、魅力ある地域の創生が困難となってしまいます。

私も地方でのキャリア教育の実績があります。地元の問題を特に地元の企業の方から聞き、その解決に向けて何をすれば良いか一緒に考えた上でキャリア教育に活かし、地元の魅力を伝えていく一方、若者本人の可能性を大切にし、大人が作ったレール以外の道をどのように開拓していくかも合わせて行い、地元の企業にとっても、若い人にとってもプラスとなるような活動を続けていきたいものです。