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リベラル広場|アメーバブログ

リベラル勢力総結集で政権交代!(401)

2019.11.01 11:38

《Ken Sway Kenと管理者の【緊急事態条項等、憲法改悪阻止】》

《【軍性暴力と闘った活動家】ジャン・ラフ=オハーンさんを偲ぶ:50年の沈黙を破って軍性暴力と闘い続けた女性/田中 利幸(歴史家)》

 元オランダ人日本軍「慰安婦」、ジャン・ラフ=オハーンさんが移住先のオーストラリア南部アデレードにて8月19日(現地時間)に亡くなった。享年96。1992年12月に東京で開かれた「戦後補償国際公聴会」等でオランダ人として初めて日本軍性的奴隷(慰安婦)被害を証言し世界に、その事実を伝えた。オーストラリアで「慰安婦」問題の研究に取組み、オハーンさんとも親交の深かった歴史家の田中利幸氏がオハーンさんの苦難の歴史と功績を辿る。
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 1944年2月のある朝、突然、日本軍将兵と民間人のグループがアンバラワの抑留所に現れ、未婚の17歳から28歳までの女性16人を選び出し、連れ去った。その中の1人が、当時20歳のジャンさんであった。トラックに乗せられた16人の内、彼女を含む7人がスマラン市内の「慰安所」に連れ込まれ、監禁された。翌日、彼女達は、日本語とインドネシア語で「自発的に慰安婦になる」と書かれた書類に署名するよう強要されたが、全員が拒否。にも関わらず、その晩から日本軍将校による強姦が始まった。最初の晩、あくまでも拒否しようと試みたジャンさんを、日本軍士官は卑劣にも刀を抜いて脅かし、それでも拒み続ける彼女を押さえつけて犯した。それから毎晩、おぞましい暴力行為が繰り返された。性病検査にやってきた日本人医師なら助けてくれるのではないかと、「私達は自由意思に反して連行されてきたのであり、ジュネーブ協定に違反する行為なので、上部に知らせてほしい」と哀願した。
 ところが、その医師もそんな必死の懇願を無視して、彼女をその場で強姦した。同年4月、東京の陸軍省捕虜管理部から視察でジャワ島の抑留所を訪れた小田島薫大佐に、抑留者代表が「女性強制連行」について抗議を申し入れた。
 小田島は、未成年者を含む多くの女性が強制連行され、性暴力被害にあっていることが連合軍側に伝われば国際問題になると考え、女性達を直ちに解放する処置をとった。
 その時、彼女達は「慰安所」での事を公言すれば、本人も家族も命が無いものと思えと脅かされた。戦後、オランダ軍は、この事件をバタビア軍事法廷で裁き、スマラン「慰安所」開設の責任者である岡田慶治少佐を死刑に、他の関係者10人を懲役刑とした。
 この戦犯法廷からも、安倍(性暴力)首相の「(軍が直接暴行脅迫を用いて女性を連行する)狭義の強制連行」は無かったという国会答弁が、如何に欺瞞に満ちたものであるかは明白である。一国の首相が国会で堂々と、このような嘘をつく政府が、韓国をはじめ、海外諸国から信用されないのも当然なのである。

<「河野談話」を促す>

 ジャンさんが沈黙に徹したまま50年近くが経った1991年8月に、金学順(キムハクスン)さんが日本軍性的奴隷被害者の1人であることを名乗り出た。すると韓国、中国、フィリピンの犠牲者が次々と金さんに続いた。このことに勇気づけられたジャンさんは、初めて2人の娘に自分も被害者であることを詳しく説明し、92年12月に東京で開かれる「日本の戦後補償に関する国際公聴会」に証言者として出席する決意を知らせた。
 2人の娘が、母が半世紀近く苦しんできたことを知ってどれほど驚き、涙したかは容易に描写できるものではない。二女の芸術家キャロルさんと彼女の夫で映画製作者のネッド・ランダーさんは、東京の公聴会に同行することでジャンさんを支えることにした。
 韓国、北朝鮮、中国、フィリピン、オランダからの「慰安婦」犠牲者が証言した、この東京での国際公聴会が、翌93年8月の河野洋平官房長官による「強制性を認める謝罪と反省」の談話発表を促す重要な一因となったことは改めて述べるまでもない。更にジャンさんの決断が、同じく沈黙を守ってきた他のオランダ人女性被害者にも名乗り出る勇気を与えた。

<世界的な人権問題へ>

 ジャンさんは帰国後の93年初めから、オーストラリア国内外で日本軍性的奴隷被害者としての証言活動を本格的に始めた。当時、メルボルン大学で教員をしていた私も「慰安婦」問題の研究に関わり始めた時期であったため、ジャンさんと手紙や電話で交流するようになった。97年3月、国連大学主催の国際会議が北アイルランドのアルスター大学で開かれ、「慰安婦」問題において、ジャンさんが被害証言者、私が研究報告者として招かれた。彼女の証言は、日本軍が起こした大規模な性暴力事件の被害者に白人女性がいたことを欧米諸国に知らしめ、軍性暴力という問題が歴史的超越的で、しかも世界的な問題であることを強く認識させた。この会議では、ボスニア戦争での「長期監禁大量強姦」被害の調査に関わった法律や医療の専門家による報告が幾つも行なわれた。
 ジャンさんは、半世紀以上、経った今も、軍性暴力被害者が、あらゆる紛争地域で繰り返し生み出される事実を知る事で、自分の個人的体験を基に、如何なる軍性暴力にも断固として反対するという思想的深みと広がりを与えられた。この事は、2000年12月の東京での「女性国際戦犯法廷」や、2007年2月にアメリカ連邦議会下院外交委員会が開いた「慰安婦の人権を守る」公聴会でのジャンさんの証言内容からも明らかである。「慰安婦」問題という多民族に亘る多くの女性に対する由々しい「人権侵害」が、「人間の問題」としてではなく、日韓二国間の政治問題に甚だしく歪曲化されてしまっている現在、もう一度この根本問題に立ち返る必要が、とりわけ加害国である日本の政治家と市民にはある。

<伝承される「記憶」>

 ジャンさんは、過去に残酷極まる体験をされたにも関わらず、いつも明るくユーモアのある会話をされていた。その明るさは、多くの人達の「支え」からくるものであろう。
 とりわけ1994年出版の自伝『50年の沈黙』(邦題『オランダ人「慰安婦」ジャンの物語』)を映画化した二女のキャロルさんとその夫のネッドさん、ジャンさんの戦争体験を『日々の食糧』というタイトルで2018年に短編映画化したお孫さんのルービーさんの貢献は大きい。言語に絶する苦しい体験が、家族2世代に亘って芸術作品にまで高められ、観る人達の心を震わせた。自分の体験が確実に「記憶」として伝承されている。ジャンさんは、そこに心の安息と喜びを見出していたのではなかろうか。日本にキャロルさんとルービーさんを御招きし、映画の上映会を日本各地で開く事ができればと切望してやまない。


《【文科相失格】萩生田文科相が大学入試改革の格差助長を当然視、貧乏人は「身の丈に合わせろ」と暴言!これが安倍政権の本音だ》

 センター試験を廃止して導入される「大学入学試共通テスト」(2020年度開始)の不公平性に対し、受験生となる高校2年生をはじめ学校関係者や保護者を中心に見直しと延期を求める声が高まっているが、そんな中で、萩生田光一文科相が経済格差による機会不平等は当然とするような信じがたい暴言を吐き、更なる批判が巻き起こった。
 先ず状況を整理すると、大学入学共通テストで、とりわけ批判が強まっているのが、英語民間試験の利用だ。英検やTOEFL、GTEC等の民間で実施されている7種類の資格・検定試験の成績を合否判定等に使用するというが、そもそも目的や基準の違う試験を入試に使用する事の問題や、全く使用しないとする大学は約4割に上っている事、その上、未だに試験会場が不確定だったりと不安要素が山積。だが最も大きな問題は、受験生の経済状況や住んでいる地域によって不公平・不平等が生まれることだ。受験生は定められた期間内に受けた英語民間試験の2回分が採用されるが、その費用は1回で5800円から2万5000円以上かかる。
 民間試験の対策として参考書等の教材費や塾代等にも費用は嵩み、受験生の家庭は負担を強いられる事になる。しかも民間試験を全国で実施するようには義務付けられてはおらず、現状では都市部でしか行われない試験もあるため、居住する地域によっては民間試験を受けるために交通費や宿泊費をかけねばならない。更に受験費用が苦にならない裕福な家庭であれば、練習として何回でも受ける事ができる。単純に比較しても、裕福な家庭で都市部に暮らす受験生と比べて家計が厳しく居住地域が地方である受験生は圧倒的に不利で、あまりに不公平な制度となっているのだ。しかし、こうした批判が当事者から高まっているのに、萩生田光一文科相は一切聞く耳を持たず、11日の衆院予算委員会でも「一つ一つ不安を払拭してきた。来年はこれで行く」と断言。そして24日に生出演した『BSフジLIVE プライムニュース』で、居住地域や家庭の経済状況によって不公平が生じるという批判が起こっている事について問われると、こんな事を言い出したのだ。「あの、そういう議論もね、正直あります。ありますけれど、じゃあそれ言ったら、『あいつ予備校通っていてずるいよな』って言うのと同じだと思うのですよね。だから裕福な家庭が回数受けて、ウォーミングアップできるみたいな事は、もしかしたらあるかもしれないけれど、そこは自分の、私は身の丈に合わせて、2回を選んで、きちんと勝負して頑張ってもらえば」。「大学入学共通テスト」は政府の施策であって、入学試験制度そのものである。その不平等性を問われているのに、責任者である文科大臣が、受験準備の選択肢の一つである「予備校通い」と同じレベルの話に矮小化するとは、どういう神経をしているのか。挙げ句「身の丈に合わせろ」と言い放つとは─。
 つまり萩生田文科相は、金のかかる民間試験対策ができる「裕福な家庭」の受験生と、経済的事情でできない家庭の受験生が出てくる事を是認して、できない家庭の受験生には「身の丈に合わせろ」と迫っているのだ。よりにもよって文科大臣が、である。しかも萩生田文科相は、こうも発言している。「人生の内、自分の志で1回や2回は故郷から出てね、試験を受けるとか、そういう緊張感も大事かなと思うので」受験の機会均等を担保もせず、受験生によっては民間試験を受けるために交通費や宿泊費を負担しなければならないという格差を生もうとしている張本人が、「自分の志で故郷から出てみる緊張感も大事」って…。

<安倍政権下で進む教育格差:東大学生の家庭は世帯収入950万円以上が一般の倍以上>

 無論、この萩生田文科相の「身の丈にあった受験」発言にはネット上で批判が殺到。
〈地方に生まれた、経済的に恵まれていない家庭に生まれた子はどれほど優れていても「自分の身の丈はこうだから」と諦めろという意味でしょうか〉〈どんな家庭に生まれ、どのような環境で育てられるかは、子供達が選んだ訳じゃない。そういった種々の条件を、たった一言「身の丈に合った」で済ませろと言っている!国の教育を司るトップの人間が言って言い事じゃない〉といった意見が溢れた。当然の反応としか言いようがないが、しかし問題なのは、この萩生田文科相の「身の丈」発言は、この国の教育政策の実態と軌を一にするものであり、安倍政権の本音でもあるということだ。事実、日本は相対的貧困率が15.6%(2016年の厚労省「国民生活基礎調査」)に上っており、日本の貧困率は経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国の中でも高い水準となっている。また17歳以下の子供に関しては実に7人に1人が貧困の状態にあると言われている。こうした貧困は、子供の学力にも影響を及ぼす。教育統計学者の舞田敏彦氏が2015年に発表した「東京大学生の家庭の年収分布」では、世帯収入950万円以上が一般世帯の倍以上の57%を占め「教育格差は収入格差」と話題になったが、お茶の水大学が調査・発表した「平成25年度全国学力学習状況調査(きめ細かい調査)の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」でも、世帯収入が低い子供より世帯収入の高い子供の方が学力テストの正解率が高い事が分かっている。
 しかも世帯所得と父母の学歴を合成した指数と学習時間、そして国語の平均正解率を掛け合わせたデータによると、同じ所得層の中では長時間勉強する子供の方が学力は高いが、最高所得層で「全く勉強しない」子供の正解率は60.5%であるのに対し、最低所得層で「3時間以上勉強する」子供の正解率は58.9%となっている。
 この結果は、親の収入と学歴の効果が、勉強時間という努力の効果より遥かに大きい事を意味している。経済的に恵まれない家庭の子供が勉強しようとも、裕福な家庭でまったく勉強しない子供に学力が劣る。つまり日本の教育は子供の努力等といった精神論では、どうにもならないところまできているのだ。一体、この状況を、どう変えればいいのか。
 この調査を中心的に行った一人であるお茶の水大学元副学長の耳塚寛明氏は「中央公論」2015年6月号で、「これは教育問題というより社会問題」と指摘し、「自由な競争社会の前提条件を調えるという意味で、教育費負担の軽減と教育の質の向上の両方に投資し、学力格差を無くしていく事が重要だと思います」と述べているが依然、日本は教育への公的支出が圧倒的に少ないままだ。実際、昨年9月にOECDが発表した「図表でみる教育2018年版」では、日本の小学校〜大学の公的支出のGDP比は比較可能な34カ国の中で最下位。
 OECDが国毎の教育制度の構造、財政、成果をまとめた日本のカントリーノートでは〈各家庭に極めて重い経済的負担を強いている〉とまとめられているように、教育への公的支出が少なく家計負担を強いている状況が、親の所得格差が子供の教育格差に繋がるという「貧困の連鎖」を生み出し続けているのだ。また萩生田文科相は、前出の番組で「『あいつ予備校通っていてずるいよな』って言うのと同じ」等と嘯いていたが、そもそも実際に予備校に通えるか通えないかも経済格差によるところが大きい。教育費用が公的に賄われる割合が低く、予備校や塾・課外活動等による格差を公教育が解消できていない現状も、重大な教育格差拡大要因の一つである事を、萩生田文科相は全く認識できていない。

<安倍政権の金持ち優遇:幼児教育・保育無償化も約半分が年収640万円以上の世帯に>

 しかも安倍政権に、こうした現状を改善しようという姿勢はない。現に麻生太郎財務相は昨年、福岡市長選の街頭演説で北橋健治・北九州市長を俎上に載せ、「(北橋市長は)学歴はいいよ、人の税金を使って学校へ行ったんだから。東京大学出ているだろ」等と発言、教育への公的支出を批判して見せた事は記憶に新しい。だいたい来年4月からの高等教育無償化も、授業料が事実上無償化される対象は住民税非課税世帯(年収約270万円未満)でしかなく、「高等教育は無償教育の漸進的な導入によって全ての者に対して均等に機会が与えられるものとすること」という国連人権規約からかけ離れている。
 その上、高等教育無償化の実施によって、国立大ではこれまで授業料減免や減額の対象になっていた中所得世帯が外れるため、学部生の半数以上にあたる2万4000人が支援を受けられなくなる、あるいは支援額が減少することになる。また消費税率10%への引き上げと同時に実施された「幼児教育・保育の無償化」にしても、認可保育所では無償化に必要な費用4650億円の内、約半分が年収640万円以上の世帯に使われ、住民税非課税世帯に使われるのはたったの1%程度。つまり高所得層優遇の政策になっているのだ。
 家庭の経済状況による教育格差を是正するために必要な教育への公的支出もケチる上に、財務大臣が公的支出を公然と批判し、教育への投資としながら高所得層を優遇する─。
 今回、萩生田文科相が地域格差や経済的格差により著しい差が生まれる入試制度を推進し、経済的に苦しい家庭の受験生に「身の丈にあった受験を」と言い放ったことも、安倍政権の弱者に冷酷な姿勢を考えれば当然の出来事だったのだろう。つまり年金老後2000万円問題と同じで、「国に頼るな。自助努力・自己責任でどうにかしろ」ということだ。
 だが家庭の経済状況という自分では、どうにもできない問題を高校生に押し付ける無責任な萩生田こそ、大臣が「身の丈」に合っていないのだ。菅原一秀が経産相を辞任したばかりだが、この暴言によって大臣としての資質がカケラもない事が萩生田もはっきりした。
 なお萩生田文科相は11月1日、「大学入学共通テスト」の導入の中止を表明するに追い込まれた。(基本文献—リテラ/管理者:部分編集)
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