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体重のかけかた

2019.11.01 23:30

体重のかけ方


体重をかけるということに無頓着になっている人がいると思いますが、とても重要なことです。

片足を上げる時にかならず体重移動をします。しかし、それに注意していないと、いい加減な体重のかけかたになってしまうことが多々あります。

そういうことの積み重ねが身体をしんどくさせている訳です。


まず肩幅に足を開いて立ってみてください。

つま先が真正面を向くようにしてください。

そもそも、この立ち方がなかなかうまくいかない人がいると思います。


こんな症状のある方は、体調崩しやすくなっているので注意が必要です。

この立ち方をしたまま左前、右前、左後、右後に体重をかけてみてください。

そうすると、行きにくい方向があることに気づきます。


例えば左前に体重をかけた時にいきにくいという感覚をもった場合、右足を上げにくくなっています。ゆっくり、やってみるとわかりますが、片足をあげるというのは、かなり体重移動をしなと足があがりません。

すり足でしか歩けない。だから転倒したりする訳です。

高齢の方は、足があがっていると思い込んでつまづいてしまうのは、そういうことも原因の一つです。実は体重をかけるには、体幹の力がとても重要だというのが、今までの記事を読んでもらって、実際にやってもらったらわかると思います。



トータルフィットネスコーポレーションの本橋先生の動画を見てもらうと如何にゆっくり体重移動することが問題かがよくわかります。

単なる体重移動です。しかし、そこに足のトラブルの原因があると言っても過言ではありません。


立位から四方向に体重をかけて行きにくい側を見つけてみてください。

例えば左前に行きにくいとしたら、左前の股関節に左手を当てて再度行ってみてください。

案外やりやすくなっている場合が多いと思います。


このように体重をかける時も、どこに意識を向けるかによって体重のかけ方が変わってきます。

筋肉や関節の問題だとばかり思っていると、よくなりません。


この前も腰痛でこられた方ですが、何をしても動きが速くて、ゆっくりやってみてという言葉が通らないみたいでした。当然結果はよくありません。

せっかく身体が緩んできたので、確実にゆっくりやろうとすれば良くなるのに力を入れて早くやってしまおうとするのです。力んでしまうのですね。


この問題の根本には「恐怖」があります。

恐怖から逃れたいという気持ちが、自分を見つめられないという動きに変化させてしまう訳です。

その現れが早く動かすという行為です。

また無理やり動かすという行為につながります。

恐怖を克服する為には、時間をかけて、じっくりゆっくりやることです。自分自身の動きをしっかり認識することです。恐怖の前では、どんな治療法や方法論も役に立ちません。

東洋医学では恐怖は腎と関係すると言われています。

腎は深いです。それ程根深い問題です。


この単なる体重移動は運動選手の機能改善にもとても役立ちます。

こういう基礎的な動きを分析し、認識し、調整するトレーナーが一杯増えることを願います。

根性だけでは上手くなりません。

根性を出すなら、目的をハッキリさせることにのみ集中して欲しいなと思います。人に勝つ為とか痩せる為とか、記録を伸ばすためとかは余計な思考です。

その思考こそが恐怖を生みます。


治りたいと思ったら治ろうとしないことです。

記録を出したいと思ったら記録を出そうとしないことです。

それより目の前にある自分自身に向き合うことです。

それ以外に本当に良くなる秘訣はありません。