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縁起でもない話をしよう会

【主催者開催報告】第二回 縁起でもない話をしよう会@大阪

2019.11.01 15:00

と、言うわけで無事に【第二回 縁起でもない話をしよう会@大阪】、開催&閉会いたしました!

今回話題提供していただいた川邉綾香先生・川邉正和先生、ご参加頂いた皆さま、イベント情報をシェアしてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

皆さまから頂いたすべてのご縁が整って、この充実した楽しい時間を作り出す事が出来たのだと感じております。

今回は前回に引き続き、非常に多職種、そして多国籍(!)の方々がお見えになっておられました。

懇親会もぎゅーぎゅー詰めの大盛況でした(笑)

この短い時間に「まさか!」な出逢いがたくさん生まれたようで、主催者/首謀者としては嬉しい限りです。

そのためにやってると言っても過言ではないですからね!

そのあたりの主旨も事前に非常に正確に汲んで頂けていたので、前半の話題提供の時間からすでに複数回の語り合いの時間を設けていただけたことも、感謝感激でした。

 

さてさて、本日のテーマは【人生会議/ACP】についてです。

……が、それにまつわる周辺の話題もめちゃくちゃ濃厚にお話ししていただけたことかと思います。

人生会議とは、もしものときのために、「あなた」が望む医療やケアについて前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです(厚労省)。

とは言え、なかなか普段から「自分が死に臨むときにはこうしてほしい」と言うようなお話を家族とすることはハードルが高いですよね。

場合によっては「そんな話、聴きたくない!」と言って、席を立ってしまう方が現れてしまっても、全く不思議ではありません。

それほど、繊細な話題だと言うことです。

主催者である私自身、なかなか家族には開けっ広げには話しにくい内容です。

そこで、一つの視座として、今回は『聴く力』『聴く姿勢』についてのお話が頂けたのが殊更にありがたかったなぁと私は感じています。

普段、自分が何気なく無意識にしてしまっている「価値観の押し付け」や「感情の決め付け、先取り」が、こうした繊細な話題をする/聴くにあたっての大きなハードルになっていると言うことが、非常に具体的な輪郭をもってイメージできました。

例えば「癌になった」と聴くと、直ちに「気の毒に…」とか「可哀想に…」とか「不幸だ…」とか考えてしまうのは自分自身の価値観であって、そこから抜け出さない限り、「癌になっても、穏やかで幸せだ」と言う人の気持ちを受け取ることは出来ないはずです。

それをふまえて、今回のキーワードは「委ねる」だと、私は思いました。

話を「聴く」にあたっては、自分の価値観をいったん手放し、相手の心に耳を傾け、それをそのまま受け取ろうとすること。

これは聴き手として、相手の主体性に自分の時間を「委ねる」ことです。

話を「する」にあたっては、自分の立場や責任をいったん手放し、相手の心に身を任せ、そのままを受け取ろうとしてくれている相手を信頼すること。

これは話し手として、相手の優しさに自分の存在を「委ねる」ことです。

これはいずれも、自分の「支え」があってこそ可能なことです。

自分の「支え」について、改めて考え、感じてみる必要がありそうですね。

むしろ、それさえあれば、きっと「委ねる」ことの楽さ、楽しさが感じられるようになるのだと思いました。

……とは言え、「聴く」のも「話す」のも、やっぱり難しい!

チャレンジしてみる価値は大いにあるはずですが、それでもやっぱり難しい!

そうです、だからそのための練習の場が、この「縁起でもない話をしよう会」なのです。

(他にも物凄く濃密で、しかも具体的なお話を頂くことも出来ましたが、あえてここでは触れません。と言うか、まとめきれません。ほんとに凄かったです)


で、休憩を挟んで、後半の座談会パート、「縁起でもない話」パートがいよいよ始まります!

今回のテーマは……

【あなたは何歳まで生きたいですか?】

……です!!

相手の話をいかにして聴くか、そして自分の想いをいかにして相手に伝えるか……そんな話題提供を経てからの、このテーマ。

む、難しい!

前回よりもちょっと意地悪なテーマ設定だったかも知れませんね(笑)

でもその甲斐あってか、あるグループでは頭を抱え、あるグループでは笑顔がはじけ、またあるグループではしんみりと、それぞれ真剣にこのテーマについて話し合って頂けました。

思いも寄らぬ職種の方から、思いも寄らぬ人生観を語られて、びっくりした方も多数いらっしゃったことだろうと思います。

そして、そんなところまで話すつもりじゃなかった!と言うような自分の深い部分のことを、なぜか話せてしまってびっくりしたと言う方もいらっしゃったことだろうと思います。

繰り返しになりますが、非常に難しく、繊細なテーマであったことは間違いありません。

もっと言えば、やっぱり「話しにくい」テーマであったと思います。

にも関わらず、今回もグループワークの中で、非常に多くの方の笑顔を見させて頂くことが出来ました。

こんな話題でも、ちゃんと聴いてくれる人が目の前にいれば、人は笑顔になれるんです。

「縁起でもない話」を、お互いに笑顔で楽しく語ることは、決して不可能ではないのです!

この現象は「人は苦しみを抱えながら穏やかになれるか?」と言う、本日の問題提起に対する一つの答えになっていたのではないでしょうか。

やがて来る【死】と言う現実を抱えながらも、それでもなお、私達は笑顔になれる力を持っているのです。

弱い私だからこそ、人に頼り、人に委ね、笑顔を共有できるのです。

……こんな雰囲気のお話が、病院や、介護施設や、お寺でみんなで出来たら、きっと世の中はもっと豊かになるに違いないと、私にとっては改めて確信出来る時間となりました。

「人生会議」が、患者さん/施設利用者さんも、家族さんも、各専門職も、地域のお友達も、みんながみんな、時に涙あり、時に笑いあり、フルフラットな雰囲気で語り合える「文化」として定着するまで、私もこの会を続けて行きたいと思います。


改めまして、本日(書いてる間に昨日になってしまった)は本当にありがとうございました!

また次の「縁起でもない話をしよう会@大阪」でお待ちしております!

【第三回 縁起でもない話をしよう会@大阪】