#クローズアップ現代 ‐ やはり「20代が一番妊娠しやすい」
クローズアップ現代さんより
産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~
『やはり「20代が一番妊娠しやすい」毎日作られる精子と異なり新しく作られることはありません 』
年を重ねるほど卵子も年をとり、減り続ける
卵子の老化は、女性にとって避けられない現象です。
卵子は産まれたときから体の中にあります。
毎日作られる精子と異なり新しく作られることはありません。
年を重ねるほど卵子も年をとり、減り続けるのです。
杉浦真弓さん(名古屋市立大学大学院教授)
私の所にも40代の患者さんたちがものすごく今、増加しています。
中にはいろんな事情で避妊をされた方たちもいらっしゃって、今の不妊治療、流産に直面して初めてそのことを強く後悔している、そういった方たちがたくさんいらっしゃいます。
20代の前半ですと6%の不妊症が、40代ですと、64%になります。
ですから、やはり「20代が一番妊娠しやすい」というふうに考えられると思います。
知られていない 卵子の老化
卵子は胎児のときに最も数が多くって、そして50歳でゼロになるまで、どんどん減少していくんですね。
減少するだけではなくて、染色体という遺伝のもとになっているところの、過不足が年齢とともに増加してきます。
それによって、妊娠が成立しない、妊娠能力がどんどんなくなっていくということが起こりえます。
同じような原因で、染色体の異常によって、流産も、それから着床障害、そして受精の障害も起こってきます。
(卵子の老化が不妊の大きな要因になっていることを)社会が知らないんだと思います。
まず日本では、生殖に関する教育を全くしてこなかった。
高校の教科書にも、なかなかそういった不妊症ということばが出てこない、家族計画ということばは出てきますけれども。
それから一般の人たちは通常、メディアを通じてそういった不妊の知識などを得ているんですけれど、芸能人の方々、例えば45歳で出産するというニュースが流れると、自分も45歳で出産できるというふうに誤解をされる方が多いと思います。
避妊ですとか、性感染症のところが中心的になっている、そういう教育がされてきた結果かなと思います。
具体的に企業がどうするってことは、私には思いつかないんですけど、ただ、やはり妊娠には期限があるってことを知っていただく。
まず、全く皆さん、知識ないわけですから、まず知っていただく、そこからやはり自分の所で働く女性、あるいは自分のおつきあいしている女性に対して、妊娠の期限を知ったところから、そして支えていくことができるのではないかなと思います。
(不妊治療を受け始めた方は)すごくつらい思いをされてると思います。
ですから、今の女性たちは一生懸命勉強して、学歴も手に入れ、そして仕事もいい仕事を手に入れるということをしてきたわけなんですけれど、努力ではどうしようもないことが、やはりあるんですね。
人の生死など、コントロールできないことがある。
やはり子どもは授かるんだという気持ちを少し持っていただく。
そして例えば、自分を責める気持ちが強い方も多いんですけれど、決して自分を責めるようなことではないというふうに考えていただきたいと思います。
まずやはり卵子の老化ということで、妊娠には適齢期が、適齢期ということば、あまり好きではないかもしれませんが、あるわけです。
ですから、その時点で、今、自分の抱えてる仕事、キャリアと、どちらが本当に子どもが欲しい人にとって大切なのかということを、しっかり考えていただいて、自分で決めていただく。
そうであれば、やはり自分であとで後悔することがないのかなというふうに思います。
今から20代の方であれば、予防していくことができることだと思いますし、今、30代の方であれば今、どうするのかということを考えていただく機会になるのではないかなと思います。