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「宇田川源流」 香港民主化デモに対して人民軍の介入はあるのかということに対する「一つの答え」からみる中国共産党とはこういう国だという意見

2019.11.06 22:00

「宇田川源流」 香港民主化デモに対して人民軍の介入はあるのかということに対する「一つの答え」からみる中国共産党とはこういう国だという意見

 香港の民主化デモが終わらない。もともとは「逃亡犯条例」という条例の改正案の提出をめぐってデモが起きていた。2月の提出以降、4月ごろからデモが始まり、6月くらいまでは断続的に行われた。

このデモそのもの分析は、別なところで分析を披露していて、まだお見せしていないのであるが、その内容や、中国共産党・香港行政・デモ隊というような三つの勢力、それもそれぞれに様々な中身の分裂や派閥があり、それが離合集散していながら、モザイク状に様々なところが出てくる。我々からすれば、外部からこの内容を見ていれば、かなり良く見えるところがあるが、実際に、他の事件でもそうであるが当事者となるとなかなか周囲から見ることはできないし、また客観的に自分のことを見ることなどはできないので、判断が誤った方向に行ってみたり、そこに本性が現れて、予想しないような内容になる。また第三者的に見ている人々の中においても、アメリカのように短気な性格で様々なことを言う割にはなかなか実行行為を起こさない国もあるし、イギリスのように何も言わない間に中に入ってかく乱するような国もある。まあ、私のような傍観者はもっとも面白いのであるが、それはそれで、なかなかいい感じである。

さて、楽しんでばかりいないで、このデモに対して、80年代の天安門事件のように中国共産党が香港のデモに人民軍を投入するのかどうかということがかなり大きな問題になっている。冷静に考えれば、国際的に民主主義が尊重され、人権が重視される世界的な兆候の中で、デモに対して軍多で鎮圧するというような状況を起こせば、共産党政府はかなり世界的に不利な状況を招くことになる。ロシアがクリミア半島で行ったようなハイブリッド戦争を行うというのであればまだわかるが、一国二制度で行っている以上、香港の中であっても中国であることからハイブリッド戦争はかなり難しいということになる。そのように考えた場合、「香港を独立させる」「デモの要求を呑む」「警察で鎮圧」「経済制裁を行う」「武装警察を投入する」「軍隊を投入する」といういくつかの選択肢がある。習近平国家主席がこれの中でどれを選択するのかが、かなり意見の分かれるところである。


中国軍「香港突撃」訓練で事故 将校3人含む11人が死亡=人権団体

 中国の人権組織によると、湖南省で模擬演習「突撃香港」を行った中国軍のヘリコプターが墜落し、11人の兵士が死亡した。搭乗していた3人の将校は、10月1日に北京の天安門で開かれた軍事パレードに参加していたという。

 人権団体・中国人権民主運動情報センターは10月30日、南部戦区の第75軍「第121空襲旅団」が10月初旬、10日間あまりにわたり「香港突撃」演習を実施した。情報によると、800キロ離れた湖南省張浦県に、模擬的な「香港」を建設した。

 10月11日夜19時40分、軍用ヘリコプター・直8Gが墜落した。3人の操縦士と8人の兵士を含む、搭乗者11人全員が死亡した。3人の将校は溫偉彬中佐、龔大川少佐、羅偉中尉。

 墜落した軍用機は、10月12日に天津で就役したばかりの直8G大型輸送ヘリコプターという。中国軍の公式説明によると、高度8000キロメートル、距離1000キロメートルを飛行でき、最大30人搭乗可能という。

 3人の将校の死亡は、中国官製メディアも報じている。北京青年報は10月27日、中国陸軍航空部の第1級パイロットは11日、飛行訓練中に運転機が故障して墜落したと報じた。溫中佐、龔少佐、羅中尉の死は報じられているが、他の8人の死は報じられていない。

 報道によると、将校は軍事パレードで建国70周年を形作るフォーメーション飛行「70」のなかにも参加していた。

 中国人権および民主主義情報センターの統計によると、今年の初めから中国軍で少なくとも3つの飛行機事故が起きているという。

(編集・佐渡道世)

2019年11月02日 14時21分 大紀元時報

https://news.nifty.com/article/world/china/12241-454660/


 さて、中国では10月28日から31日まで「四中全会」つまり第19期中央委員会第4回全体会議が行われ、その中で、抗議活動が続く香港について、繁栄と安定を確保すると同時に国家の安全を守っていくと表明したが、新たな具体的な措置などは示さなかった。つまり、まだ新たな措置に関しては今後の対応次第で様々なオプションがあるということを意味する。

共産党は声明で、香港に適用している「一国二制度」を「守り、完成させる」必要があると表明。「憲法および基本法に厳格に従って香港特別行政区とマカオ特別行政区を厳しく統治し、 香港とマカオの長期的な繁栄と安定を保全しなくてはならない」とした。その上で、特別行政区の国家安全を保証するために健全な法制度と執行メカニズムの導入に言及したが、詳細には触れなかった。

さてこの決定を受けて、中華人民共和国は、上記の記事にあるように南部戦区第75軍第121空襲旅団において、香港突撃を想定した大規模な訓練を行い、その中で航空機事故(ヘリコプターの墜落事故)が発生し、11人が死亡したことが明らかになった。

さて軍事訓練中の事故に関しては、中国以外でも様々あることで、日本でも、F35の墜落事故が夏にあったばかりだ。問題はその訓練の想定でありそれが「香港への投入を想定している」ということが最大の問題である。つまり、人民解放軍南部軍区は、すでに実戦的な軍事投入の訓練を行っている。第75軍とは、旧第41集団軍のことであり、江西省柳州に本部のある軍隊で、もともとチワン自治区やベトナム、カンボジア、ラオスと対峙していた実戦部隊である。海のない場所なので陸軍とヘリコプター隊が中心で急襲や奇襲を得意とする軍隊である。このように考えた場合、当然に「かなり本気で訓練をしていた」ということが明らかである。特に「800キロ離れた湖南省張浦県に、模擬的な「香港」を建設した。」<上記より抜粋>ということは、当然に、かなり本気でありまた香港そのものを作るほどであるから、かなりコストもかけているということになる。

日本の中国の評論家やマスコミの人々は「失うものが多すぎるので、中国が人民解放軍を投入するはずがない」などということを言っているが、実際には、このような訓練が行われていることをどうも取材の中で見ていないらしいし、また、四中全会で「安全保障上の問題とガバナンスの強化」ということを主張している以上、現在の香港の状態を共産党政府として現在の状況を放置できるはずがなく、そのまま大きな問題になるということにつながるのである。

さて、デモ隊はどうするのであろうか。

すでに8月のいわゆる北戴河会議終了後に、すでに、香港警察大河実弾を使ったデモの鎮圧を行っている。実弾が発射されるということは、香港のデモ隊に対抗する警察隊が、実弾を入れた拳銃を所持しており、空砲が入っていないということを意味している。もちろん、一発目は空砲しかないなどというのは、日本の警察の甘いところなのかもしれないが、デモ隊が相手とわかっているところで実弾を込めているというのはどのようなことなのであろうか。

いかに日本のマスコミや、中国専門家といわれる人々の見識がなくなおかつ取材力がないかということが明らかなように、今回もかなり大きな問題になる可能性がある。北京政府は、「天安門事件があっても数年後にはこのようにうまくいっている」ということになり、日本の国賓による習近平来日があれば、そこで何か大きな転換点になると考えて、それまでの早い時期に何かを仕掛けることが十分に考えられるのではないか。