思い
思い
人は思いによって生かされてると言っても過言ではないなと思うことが、臨床上よくあります。
身体に緊張があり、それを確認したとします。
例えば肩に緊張があったとしましょう。触れてみるとパンパンです。
しかし、その原因部位に手をあてると緊張はいとも簡単に緩んでしまいます。胸が原因だったら、胸に手を当てると肩がユルユルになります。
この現象に関して敏感な人だからと言う訳ではありません。その人が、それを認められるか、認められないかの違いはありますが、普通に起こる現象です。
もちろん、原因部分を探せてないと、そんなふうに感じるのですが、患者さんの感度とは関係ありません。
微弱な刺激に関しては敏感な人の方がよく効くという人がいますが、実際には敏感であろうとなかろうと、その現象の違いに差はありません。
身体がガチガチであっても、原因部位に刺激を与えると普通に緩んできます。ただ、ガチガチの人は、様々な原因があるので、原因が複数に波及しています。一箇所が原因ではなく、複数箇所刺激をする必要があることが多いという違いです。
そして、その人が、その変化を認めるか認めないかの違いが大きいです。
手を当てて刺激して、あきらかに緊張が緩んでいるのにわかろうとしない人はいます。刺激する前と後で見た目にも違うのに、本人はそれを認めようとしないという人は確かにいます。
鈍感なんじゃなく、その現象を認められないということなのかもわかりません。
術者側からすると認識しようとしている人は敏感だと思うし、認識しようとしていない人は、鈍感だということになるのだと思います。
この時に、面白い現象としては、皮膚に接触した状態と、手を離した状態で違いがあるということです。
例えば原因部分に手を接触した状態では、手をあてる前とでは緊張が半分ぐらいになっているとします。そこで、その手を皮膚には接触しないで、かざすだけにすると、接触した時よりも緊張が緩んでいることがあります。
また、その距離をもっと離していくと、さらに緊張が緩むという場合があります。手をかざす距離にも違いがあるのです。
離している訳ですから、物理的な刺激ではありません。単なる思いとしか言えません。しかし、その方が緊張が緩むのですから面白いです。
もちろん、これもケースバイケースです。原因でないところに手をいくらかざしても、結果は出ません。もちろん接触した方が緩む場合もあります。
どうも身体とその周囲には何らかの関係がありそう。ということです。
接触するか、非接触かはやはり診断が重要になってきます。 接触で良い場合、非接触の方が良い場合、どんどん離れていく方が良い場合の三種類にわかれるのかもわかりません。
同じように手をかざしても近くの場合と5mぐらい離れる時とではあきらかに刺激量が違います。
というか5mも離れたら通常の刺激とは言えません。
単なる認識の違いでしょう。
これが1キロ離れたとしたら、まるで夢の世界ですね。
しかし、その方が効果が高いという事実があるので、これをどう考えていくのか?
というのが今後の課題ですが、以前より少しずつ、その意味がわかってきました。
普通なら考えられないことだと思いますが、実際に起こる現象なのですから不思議ですよね。