星座の親しみ(山本一清著)
2019.11.04 07:03
本書は、山本一清氏(1889-1959)が、1921年(大正10)に出版したものの新版(最終版)です。全部で79ページにまとめられた、とても読みやすい内容の本です。
山本一清氏は、京都帝国大学教授であり、花山天文台初代台長でした。また、天文同好会(後の東亜天文学会)の創設者でもあります。山本一清氏がいなければ、中村要氏も天文の世界に入らなかったでしょうし、多くのアマチュア天文家の輩出もなかったことでしょう。
天文詩集となっていますが、主な内容は、星座解説です。ところどころに、古今の詩人の文章が散りばめられています。1921年当時、一般向けの天文関係の書籍は珍しかったようです。それだけに、この本は多くの青少年を虜にし、天文学者や天文愛好家を育てる原動力にもなりました。
改めて読んでみますと、文体に少し古さを感じますが、アマチュアの心を持った天文学者(山本一清氏)のロマンを強く感じることができました。
参考文献:天文詩集 星座の親しみ,山本一清,恒星社厚生閣,1970
天文学人名辞典,中山茂,恒星社厚生閣