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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

最後の皇帝12-人質フランソワの裏切り

2019.11.05 08:09

皇帝カール5世はというと、反乱の後始末でスペインに釘付け。そして手元にはやっかいなカードがあったのだ、仏王フランソワ1世という。スペインに連行して幽閉、イタリアとブルゴーニュをよこせと言ったがうんと言わない。

おまけにフランスは母大后で崩れてこない。あまつさえイングランドを引きこんで助命をしてくる。幽閉しているうちに、贅沢慣れをした仏王が病気になってしまった。死なせてしまうと自分の責任ということで、話相手になって直談判をすることになった。押し問答を決着させたのはなんと皇帝の姉だった。

帝姉エレオノーレが仏王といい仲になっちゃって、愛ゆえかどうか、ブルゴーニュもイタリアも放棄をOK、1526年1月マドリード条約が成立した。摂政ガッティナラは信用せず、先に仏領ブルゴーニュへ進攻しろと進言したが人のいいカールは、仏王を信用した。一応息子2人交換の人質は取ったのだが。

3月、仏王は嫁を手に入れて、帰国。舌の根も乾かぬうちに、イタリアはやるからブルゴーニュはやらない、と言いだした。人質は金と交換しよう、と。そして何とまあ、教皇クレメンス7世も加わって、対カール「コニャック同盟」が出来たのだ。後年カールが「認めたくないものだな、若さゆえの・・」と言ったかどうか定かではない。

下は病気になったフランソワ1世