オイルチェックバルブ
SRは皆さんご存知の通り”ドライサンプ”方式でオイルがエンジン各部に循環しています。
ドライサンプ方式にはさまざまなメリットがありますが
一番の利点と言えば、エンジン下にオイルパン(オイルをためて置く鍋みたいなモン)を設置する必要がなくなるため、エンジン自体がスッキリすると言う事でしょうか。
低重心化が図れたり、オイルによるフリクションを低減できたりと良いことはたくさん有りますが
部品点数がウエットサンプと比較した場合増えてしまったりするデメリットもあります。
話を戻しますが、ドライサンプ方式を採用しているSRは、当然オイルのタンクが別の場所にあります。
皆さんご存知の通りフレーム内部です。
エンジン内部にあるスカペンジ側のオイルポンプがエンジン始動と共に駆動して強制的にフレーム内部にあるオイルタンクへ戻します。
このときに負圧が生じて、フレーム内部に溜まっているオイルがエンジンへ吸い込まれていくといった感じです。
ドライサンプの場合、フィード側・スカペンジ側と2個のオイルポンプを駆動することでエンジン各部へのオイル供給と、オイルタンクへの圧送を行っています。
で、上の画像
オイルタンクからエンジンへの入り口にある扉のようなモンです。その名もオイルチェックバルブ
何をやっているかと言いますと、エンジン停止状態(エンジンが始動していない状態)の時に
上にあるオイルタンクからオイルが無駄に落っこちてこないようにしている部品です。
このチェックバルブが機能しなくなると、オイルタンクに貯めておくはずのエンジンオイルが
エンジン内部に落っこちきってしまうので
1:オイルフィラーキャップのレベルゲージに着くはずのオイルがまったく着かない。
2:エンジン内部がエンジンオイルで満たされちゃうので、始動性がめっちゃ悪くなる。
3:ブローバイ出口からオイルを噴出しちゃうので、オイルが減る。そして汚れる。
4:フィード側オイルポンプへのオイル供給が非常に不安定(オイルタンクにオイル入ってないからね)
になり、ヘッドや各部へのオイル供給が出来なくなる。(スカペンジ側ポンプがタンクへ戻し始めたら通常のオイル潤滑になる)
と言った事が起こるわけです。
画像のように、チェックバルブのオイルシールがちょっと切れているだけでもその症状は起こります。
高いものではないので、クラッチカバーを開ける事があったらついでに交換してしまう方がよいかと思います。
上が新品のオイルチェックバルブシール。下がいままで装着されていたシール。
ゴムのリップ部に欠損があるのがおわかりいただけますでしょうか。
オイルシールを取り外すと金属のボールとスプリングが出てきます。
スプリングが常にボールをオイルシールに押し付けて、オイルが無駄にエンジン内部に流入するのを防いでいます。
スカペンジ側のオイルポンプが動いて負圧になるとスプリングが負圧に負けて引っ込み通路が開放される仕組みです。
オイルがレベルゲージに全く着かないとか、乗るたびに都度オイルレベルが変動するなんて場合は
チェックバルブシールを疑ってみてください。
自信の無い人はお店に相談してみましょう。