うねり
昨日の実験では曲池と手の三里では、影響する関節の違いがあるということを書きました。
このことから考察することができるのは、経絡上にはうねりがあるということです。
つまり、一つの経絡上で作用が強くなる部分と弱くなる部分が交互に入れ替わるようにしてあるということです。
それを考えると手の三里で良くなったから、そのまわりにある穴にサービスで刺激しておこうと考えるのは、あきらかにNGだとも言えます。もちろんケースバイケースですがね。
折角よくなったのに、相殺してしまう刺激になりかねないので注意する必要があるということです。
良くなった時点でやめる勇気を持つというのも術者にはとても重要な決断だと言えます。
欲を出すと逆効果ということですね。
この実験なら刺激量は指先で触れるだけなので、強い刺激にはなりません。
トライアンドエラーを繰り返すことができるので、穴がどんな作用をして、どんな効果があるのかも実験可能です。
経絡の中にうねりがあって、強く作用する場所とそうでない場所が入れ替わる現象があるなんて、考えただけでもゾクゾクします。うねりは経絡上だけではありません。関節にもそれはでています。
それを見つけテーピングをするだけでも、かなりの効果が出ることがわかっています。
この方法は、経絡や穴を理解するには、とても簡単で成功率の高い実験だと言えます。
刺激をして観察するを繰り返すことが、穴の意味を理解するもっとも早道だということです。
もちろん、このような現象は身体を理解する初歩の初歩の初歩です。
しかし、意外にもこういう実験もしないで、経絡を学んでしまうと穴や経絡は、こういう経路を通って、こうなんだと思い込んでしまいます。この思い込みが発展を妨げる元になります。
疑うことのない勉強の仕方は百害あって一利なしです。
まずは、それが本当に正しいのかどうかを実感するまでやり続けるということが重要だと思います。そして疑いの目は常にもちながら、ある程度のところは確定していくという冷静な立場が必要だと思います。
それが東洋医学を学ぶ時の正しいやり方なんじゃないかと思います。