おとな男子のエスコート
相談所も色々、会員も色々、仲人も色々です…。日々の活動を通して、“心に移りゆくよしなし事” を気の向くままに(気が向いたときに...)少しづつお話しして見たいと思います。
今日は、『おとな男子のエスコート』をお送りします。
先ずは、そもそも論からですが…。「エスコート」は英語の「escort」で、日本語なら「随伴」または「警護」となります。似ている言葉に「介添え」がありますが、この場合はケアするとか看守ると言う意味合いが強くなるので、エスコートとは言わないそうです。勿論、「エスコート」の辞書的な意味は「男性が女性に付き添うこと」となります。しかし、もう少し情緒的に言えば、ある意味愛情表現の一種でもあり、エスコートしたい気持ちの表れだと言えるでしょうから、エスコートする男性の気持ちが相手に伝わることが、細かな作法よりも大事なのだと思うのです。
とは言っても、欧米に比べてエスコートという概念が薄く、教育もされていない日本ではシャイな気恥ずかしさもあり、「なぜ男性ばかりが気を遣わなくてはならないのか!」そう思ってしまう男性も多く、なかなか言葉や行動に移すのが難しいのも事実です。もともとは「レディーファースト」の精神に基づくもので、女性を気遣い、心地良く安全に楽しい時間を過ごしてもらうために必要とされる“ジェントルマンの心得”と言えるのだと思います。
“おとな男子のエスコート”が自然にできれば、女性は「女性扱いされている」「大切にされている」と感じます。男性がスマートにエスコートする姿は、女性にとっては、実に頼もしく、自信に満ちた大人の余裕さえ感じさせてくれるのではないでしょうか。女性の嬉しそうな姿が見られると考えれば、男性も積極的にエスコートしたくなると思います。そしてその“おとな男子のエスコート”の基本は、相手のことを思ったり、相手をしっかり観察したりすることです。女性が喜ぶエスコートは、普段からの心配りや気遣いがなければいけないのです。
それでは、「FORZA STYLE」や「TRANS.Biz」を参考に、エスコートをそれぞれのシーン毎に、マナーとして見ていきましょう。
<待ち合わせ>
①場所への気配り
場所はどちらかが遅刻した場合を考慮して、ゆったりとしたカフェなど、お相手がくつろげる場所で待ち合わせする様にしましょう。車でお相手を迎えに行くのも良いでしょうし、待ち合わせ場所ですぐに見つけて差し上げる様にするのも、エスコートだと思います。
②お相手を褒める
お見合いにしてもデートにしても、女性は髪型、服装、メイクなど、さまざまな気遣いをしています。そのことにちゃんと気付いた上で、「とても素敵だね!」と口に出して褒めることで、女性は努力が報われて「頑張って良かった」と安心するのです。これも立派な“おとなのエスコート”だと思います。
<食事デート>
①事前に予約する
店を選ぶ際はお相手の好みをしっかりお聞きして、尊重して差し上げましょう。事前に予約して、確実に席を取って置く事は言うまでもありません。ほんの少しの気配りが“おとな男子のエスコート”と言うものです。
②女性は上座が基本
店内の“上座”とは、出入口に近い方が下座と考えればOKです。できるだけ奥の席で店内を見渡せる席に座らせてあげましょう。荷物やコートなどを置くスペースも気遣ってあげましょう。女性が座るのを確認してから男性は座る様にしましょう。窓際で夜景を望めたりする場合は見やすい席にしてあげるのも臨機応変な“おとな男子のエスコート”です。
③食事中の気遣い
メニューのオーダーなど、お店のスタッフの方とのやり取りは、男性が率先して行いましょう。ワインなどのグラスが空きそうか等の気配りや、食べるスピードを合わせるとか、預けたコートを受け取って着せ掛けてあげる等も“おとな男子のエスコート”として自然にできる様にしたいものです。
④支払いはスマートに
レジカウンターで会計する場合は、お相手が化粧直しで席を立った時、自分がトイレへ行く時、などに支払いを済ませましょう。テーブルチェックする場合はお店の方が持ってきてくれた明細をチェックした上で現金またはカードで決済します。おつりは小銭はチップとして、お札だけ受け取ります。一部のパブなどではキャッシュオンスタイルと言って一杯、一皿の注文ごとに会計を済ませていくスタイルもあります。“おとな男子のエスコート”としてスマートに会計したいので、初めての店ではさりげなく周りを観察して、どう済ませるのか確認しておきましょう。
<歩いて移動中>
①車道側を歩く
ある程度の道幅があり、歩道と車道の区別がはっきりしている場合は別ですが、白線だけで分かれていたり、白線そのものも引かれていなかったりする道路では、男性が車道側を歩くエスコートは、女性を車の危険から守ることになりますので、自然にできる行為だと思います。
②歩くペースを合わせる
普通に歩くと、どうしても男性のペースが早くなってしまい、お相手女性が時々小走りになってしまうことを見かけたりします。可愛らしいハイヒール等を履いていると、余計に足元が不安定になりがちですので、“おとな男子のエスコート”としてゆっくりと歩幅を合わせて、歩くペースを同じにして差し上げましょう。足並みが揃うことで何か気持ちまでシンクロしている様に思えて来るから不思議です。
③重い荷物は持つ様にする
さり気なく重い荷物は持ってあげましょう。でもファッションアイテムのハンドバッグまで持とうとするのはやり過ぎです。女性にとっても、周囲から「そんな物まで持たせるなんて傲慢な女性」だと思われ兼ねません。
④階段やエスカレーターは下に回る
もしも女性が足を踏み外してしまっても対応できる様に、上りでも下りでも下側に回ってサポートできる様にしましょう。また、下側に立てば誰かから彼女のスカートを覗かれてしまうことも防ぐことができると言うものです。エレベーターは女性を先に降ろすのは当たり前ですが、他の方も先にして自分が最後におりるくらいの余裕を持ちましょう。
<車でドライブ>
①快適な空間
エアコンの温度調節、早めの休憩タイミング、音楽も彼女の好みに合わせましょう。狭い空間で長時間一緒に過ごすのですから、快適な空間にしてあげるのが“おとな男子のエスコート”だと思います。
②雨対策
雨の日は男性が先に出て傘をさして、お相手が濡れてしまわない様に“おとな男子のエスコート”をしてあげましょう。
③助手席のドアを開けてあげる
車への乗り降りの時は助手席側のドアを開けてあげましょう。これは“おとな男子のエスコート”の基本です。車から降りる時は、あらかじめ外に回ってドアを開け、女性が車から出たのを確認したらドアを閉めてあげます。車に乗り込む際も、ドアを開け、車内に落ち着いたのを確認してから優しく締めてあげましょう。エスコートでもありマナーとも言えます。
“思えば思わるる”
これは、相手を思う気持ちがあれば、いつかはその気持ちが相手に届くという意味のことわざです。人は自分に好意を寄せてくれる人を、ぞんざいに扱うことはできません。チャンスを待ちながら気長に接していたら、恋が叶う日もそう遠くはないと励ましてくれることわざです。誰に対しても感謝や配慮を示せるのなら、特に自分と一緒にいる女性に最大限の配慮ができる筈だと思います。“おとな男子のエスコート”も、帰結するところはそこなのです。ジェントルマンとして振る舞うなら、時にはリードし、時にはサポートする。そんな簡単な法則を身につけることが出来ればいいのだと思います。今日は、この辺で失礼します。