Kevin Gatesの思想と人生
“光を知るためには闇を知らなければいけない”
Kevin Gates (33)は自分のことを「最も興味深い面白くない奴」だと米マガジン、HotNewsHipHop(通称hnhh)のインタビューにて語った
彼いわく、彼はテレビもみないし、本当に何もしてないそうだ
「幸せじゃない、落ち込んでいる人はそうじゃない人に比べて娯楽に金を費やし、その場しのぎのように苦しみを忘れさせてくれるものに金を消費する」
「けどおれの娯楽は少し変わっている、俺は筋トレが好きで、良い気分でいることが好きだ。人々を愛している。人と会話するのも好きな一方で、1人でいる時間も良い。おれは孤独が好きだ、多くのことを学べるからな」
Kevin Gatesは自然/野生も人間と同じくらい好きだと語り、人間の行動と同じくらい動物のしぐさや習性に関心を持っており、そこから多様な考えや視点を学ぶことがあるという。
例えとして、「蝶はカメの涙を飲む」ことや、虎の食習慣、太陽と健康の関係など、彼は色々な情報をマメに集めている。
こういったことが彼の独特な謎めいたキャラクターに繋がっている。
モロッコとプエルトリコの血を継ぎ、1986年にルイジアナ州で生まれたKevin Jerome Gilyard(本名)は、2013年にリリースした“The Luca Brasi Story”が、Rolling Stone誌の発表した20 Best Hip-Hop Album of 2013に選ばれた。それに加え、Cardi Bや以前Snoop Doggらを擁していたAtlantic Recordと契約を結んだのをきっかけに国際的な認知度を得て、彼の深い思考を含んだリリック、ダミ声、ソウルフルなスタイルが彼のトレードマークとなった。
しかし彼は最近それに対してあまり関心がないようだ。
hnhhのインタビュー中にそうKevin Gatesは言った、
hnhhの記者はその意味を聞き出そうとしたが、
「I’m so indifferent right nowー今本当に関心がない」「おれが言いたいと思っている多くの事は誤解されるだろう。だけど正直おれはそんなのは気にしていない」と続けた。
「2007年の時の気持ちは一番良かった、人生の中で一番幸せというものに近づいた」そう自身の過去を表現した、
__2007年というのは彼が地元Baton Rougeの比較的小規模なレーベル、Dead Game Recordと契約し、そこから最初のミックステープ“Pick of Da Litter”をリリースした。
彼のラップキャリアが本格的にスタートした年である。
「ギャングスタ出身で、以前は荒れた生活スタイルだった。だけど俺は今生まれたての赤ん坊のように新しい人生を生き直しているんだ。自然でいることが重要、自然から多くのことを学んだ、なぜなら自然界にはすべてのものが共存しているからね」
共存というのは平和と強い関連があり、共存の定義には“性質の違うものや人がその違いに関わらず平和に暮らすこと” とある。
しかし、共存は平和でなくても実現しうる。
考えが違うもの同士や敵同士が共存するにはお互いのことを理解しあうのではなく、お互いに“そのまま”にさせておくことが大事だ。
「おれは共存している」Kevinは続けた
「昔はどの場面でも主導権を握ろうとしていた、そうじゃなければ逆に食われるような状況にいたから。けど今は環境や人々に感謝しながら共存という視点で生き方を学び直している。命/人生や物の分子構造を考えると、それは大きな役割を担っているが小さすぎて目に見えない、重要でない物かもしれない。例えば大金をただの幹細胞に払う感覚だ、目に見えないものなのに。しかし、それは地球にとって重大な役割を担っている物の一つなんだ。いくら小さいものでも感謝を忘れてはいけない。」
読書家でもある彼の表現には哲学的な側面もあり、複雑な表現を彼はする。
自分にとって価値のないものでも、他人にとっては価値のあるものかもしれない、それは物だけでなく1つ1つの感情や行動にも言えることで、日々の小さな気づきや感情に対してマインドフルに生きる、それが小さいものに感謝するということに繋がる。
「負の感情を抱いたとき、(それをエネルギーとして)ポジティブなものに変換するようにしてる。ネガティブ感情というのはそれの変換の仕方を知っていれば良い物なんだ。今おれは何か動揺させられる物やショッキングな物に出会うのを楽しみにしている、それは俺にとってエネルギーになるからね。けどまあ気にしてない、おれは共存しているだけ、そして前進している」
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「おれは誰かを助けるためにいる、見返りのことは考えない。それをこっそりやることが本当の誠実さというものだ。こっそり誰かを助けたとしたら、それが自分の誠実さだよ。おおっぴらにやることは誠実さに欠けると思うんだ。俺はフレンドリーじゃないけど、みんなの良い味方でいる」
「スラムやなにもないところから成功している人を見ていると驚くよ、本当に素晴らしい」
そう彼はインタビューで答えた。
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Kevinは2011年に自身のBread Winner’s Association(レーベル)を嫁のDreka Gatesと立ち上げ、現在Dreakaと子供2人(Khaza君 と Islahちゃん)と共に暮らしている。Kevinは“Khaza”という曲を2015に、そして“Islah"というアルバムを2016年にリリースしている。
Kevinは幼少時代貧困に苦しみ、スターとはかけ離れた生活だったが現在はHiphop界を牽引するアーティストの1人になった。彼の独特なスタイルは幼い頃に聞いていたSnoop Dogg、Dr.Dre、ビギーなどのG-Funkがルーツになっており、幼少時代によく家族の前で有名ラッパーのようにラップを披露していた。またレゲエミュージックにも触れており、例えば“Tiger”という曲では1人でラップとレゲエを実現しておりその幅の広さに魅了される。中学生の頃いじめにあったりもしていたが、同時にストリートでお金を稼いでいた。同世代よりもおじいちゃんと一緒に過ごした時間が長く、のちに日本でいうセンター試験のようなもので好成績を納め、17歳に地元の大学に通うことになる。18歳からスタジオに通い始め、2006年、彼が21歳の頃に出したデビューアルバム“Pick Up The Letter"を自ら街で配り始め、次第に認知度が上がっていった。2008ー2011年までは牢屋で過ごしたが、模範囚として2011年に早期釈放された頃には世間でKevin Gatesの認知度は十分に高まっており、ファンの期待に応えるためすぐに楽曲制作を始め、ミクステ“I Dont Know What 2 Call It. Vol.1" “Make Em Believe" “In The Meantime”を続けて出すとLil Wayneの目にとまり、DrakeやNicki Minajを排出したCash Money Recordsから契約の誘いが来た。
しかし彼はCash Money Recの共同創立者であるBirdmanの「自分をブランド化する」という概念をリスペクトしており、彼は「Cash Moneyと契約」するという「圧倒的補助」なしに自分をブランド化させる目的で、その誘いをを丁寧に断ると2013年に出した(上記の)アルバムがRollingStones誌やPitchfork誌において高い評価を受け、同年に出したアルバム“Stranger Than Fiction"にてJuicy Jやウィズカリファらとコラボし、HipHop界に置ける彼の“ブランド化”を成功させたといえるだろう。
そんな彼が今年9月末にリリースしたソロアルバム“I'm Him"をチェック。
ラップ✖️レゲエを1人で体現している曲“Tiger”はこちら
参照:
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