道具を使ってこそ
犬のしつけに欠かせない物は、道具です。
リードと首輪がなければ始まらないし、移動にはクレートが欠かせません。
人間は道具を使うことで進歩してきた生き物ですから、使える道具は何でも使いましょう。
仔犬の場合、困りごとといえば、「トイレのしつけ」と「甘咬み」です。
トイレのしつけでお役立ちのグッズとしては、
「トイレの場所はここだよ」と匂いで誘導する物があります。
トイレシーツにスプレーするタイプのものや、
トイレシーツ自体に匂いがついているもの(人間が匂ってもほぼ分からないぐらいですのでご安心を)があります。
無しでも教えていけますが、しつけの助けに少しでもなるなら始めのうちだけでも使うことをお勧めします。
プラス人間の努力もお忘れなく(笑)
トイレのタイミングを見計らって、仔犬をトイレに連れていく(もしくは見守る)。
ちゃんとトイレで排泄したら褒めてあげる。
この作業は飼い主しかできませんので、飼い主の労力も必要です。
甘咬みに対しても、人の手足を咬ませないように、仔犬の興奮時には触らないようにするなど気を付けるところは人間の配慮が必要ですが、それでも咬まれる時は咬まれます。
そんな時に(もしかしたら)お助けしてくれるグッズとして、
「咬んだら苦い味がする」スプレーです。
犬用なので、犬が舐めて問題ない成分ですが、舐めると苦いみたいです(舐めたことないので私は分かりませんが(笑))
咬んで欲しくないものにスプレーしておくと、犬が嫌がって咬まなくなる効果があります。
ただし、乾いたら効果がなくなりますので、追加スプレーが必要です。
例えば、スキンシップ前に手にスプレーをして犬に触ります。スプレーの液体が手についている間は犬も気にして咬むのを遠慮しつつ触られています。そのうち液体が蒸発して無くなり、犬もちょっと興奮してくると甘咬みが出てきます。そんな時はスキンシップを一時中断して追加スプレーして下さい。
他にも家具などの噛み癖にもスプレーは効果的ですが、時間が経つと乾きます。乾いた頃にしめしめと犬がまた噛みにやってきます。そのタイミングでこちらもスプレーして撃退して下さい。
苦いスプレーグッズは、次第に味に慣れてしまって効果が無くなる場合もあります。
さらに残念なケースは、初めから効かない味オンチなのか鈍感な犬もいます。
このグッズに対しては、とりあえず試してみるしか効果が解らないので、とりあえず試してください。
そしていろんなメーカーがそれぞれの成分で販売しているので、A社のものは効かなかったけど、B社のものは効いたなんてこともあったりします。甘咬みに困りに困っている飼い主さんは、あきらめずいろいろ試してみて下さい。
他にも、犬の大好きな身近なオモチャも便利な道具になります。
物を破壊することが好きなカジカジ大好きな犬でしたら、オモチャも
カジカジ齧ることに特化したオモチャを与えて下さい。
しかも、何種類も。
というのも、カジカジは楽しいけどしばらくすれば飽きます。飽きたら別の触感のものをカジカジしたくなります。そして目についたテーブルの脚、壁など違う物を噛みに行ってしまいます。それを防止するために、そのオモチャに飽きたら別のオモチャ。それにも飽きたらこのオモチャ。という感じでオモチャをローテーションして使い回し、オモチャへのカジカジを増やし、家具の破壊を少しでも減らす工夫ができます。
オモチャは何個あってもいいです。オモチャは消耗品と思って使って下さい。
(オモチャの値段も安いものではないですが、家具を破壊されることを思えば安いものかなと・・・。)
オモチャ選びも大切で、木製品や、プラスチック樹脂製のもの、牛のひづめ、丈夫そうな素材のもの、丈夫そうなロープ等々、触感の違うものを用意して犬を飽きさせない工夫をして下さい。
カジカジするのはするけど、すぐ飽きてしまう。いつも元気で元気が余っているタイプの犬には、カジカジ系のオモチャを何種類も揃えるよりも知育トイで遊んであげる方がいいかもしれません。
知育トイとは、オモチャの中にオヤツを入れ、そのオヤツを取るために犬に考えさせて遊ばせるオモチャです。ボールタイプや、オヤツを挟み込む形状のものなどいろいろな形があり、遊ばせ方もそれぞれ違ってきます。
オヤツを食べ終わると遊びは終了ですが、数分は独りで遊んでくれて暇つぶしになります。
オモチャ以外の解決方法もあります。それは人力です(笑)
散歩をめっちゃ頑張って行ってください。(ドッグランで走らせるのがお勧めです)
犬が疲れるぐらい運動すれば、家では寝てくれるだけなのでいたずら噛みを防止することができます。
ただし仔犬はあまり無理をさせないようにお願いします。
無理なハード(自転車引き等)な運動も避けて下さい。ハードな運動をする場合は練習が必要で、段階を経て行ってください。
オヤツも使いようでしつけの助けになります。
「手入れを嫌がって暴れ、咬んで抵抗するので出来ない。」
「散歩後の肢拭きも咬んでくる。」など仔犬のときはしつけの最中ですから
咬まないで落ち着いてケアさせてくれるのに時間が掛かってしまうのは仕方のないことです。とりあえずの対応策として、歯磨きガムなどの数分間食べるのに時間が掛かるような固めの(食いつきのいい)オヤツを口に放り込んで下さい。
その間だけでも大人しく手入れをさせてくれるなら、とりあえず的にオヤツを使うのはいいと思います。
ちなみに、オヤツ以外の道具もあります。
それは、「机ぐらいの高さのものに犬を乗せてみる」です。
トリミングサロンに行くと、犬たちがトリミング台の上で手入れされている光景を見ると思うのですが、あれは手入れがし易いのもあるのですが、犬を固まらせる効果もあります。
高い台に乗せられて怖いと感じる犬はそのまま固まっていてくれるので、されるがままです。ただし高い台が全然平気な犬には固まらせる効果はありません。逆に降りようとしたり暴れて落ちかけて返って危険な場合もあります。
試しに一度ポンっと台に犬を乗せてみて、犬が固まれば手入れ時は台の上でやってください。
全然平気で動くようであればあきらめてください(笑)
道具は特殊なものから身近なものと工夫次第で何でも使えるアイテムになります。
上手に使うとしつけの助けになります。
しかし道具はあくまでも補助であり、頼り切ってしまうのは禁物です。
人間基本怠け者体質ですから(私の偏見?)、いい道具を見つけるとラクだからと道具に頼って怠けてしまいがちです。人が動いて努力しつつ道具も使うから相乗効果で助けになるのです。
人が動かず道具ばかりに働かせると、せっかくの効果はすぐに薄れて効かなくなってしまいます。
最後は「人がどこまで動いて努力したか」ですので、
「道具に頼っても頼り過ぎない」、「この道具はすごく効力があるけどそれを操っているのは人間なんだよ」という気持ちで愛犬を向き合ってもらうといいかなと思います。