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ZIPANG-4 TOKIO 2020 石川の魅力は、自然と文化の調和「石川県の重要文化的景観 【文化庁選定】」

2019.11.18 14:55

はじめに 記事をお届けするに当たり、今夏、関東・東北地域を直撃した、強烈な台風19号と、続く21号の記録的な大雨で、千葉や栃木、福島など5県の34河川で浸水被害や土砂災害により亡くなられた方々を始め、多岐に亘って被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。また、このたび我が国の世界遺産である沖縄のシンボル首里城の正殿等主要部分の全焼被害が続き、国民として深く哀悼の意を捧げつつ… 


金沢の新たなシンボル。金沢駅おもてなしドーム~巨大木造の「鼓門」~

鼓門を潜ると…もうそこは「自然と文化」の薫る町です・・・

石川県を支えているかのような…藍色の空に浮かぶライトアップされた「鼓門」

加賀宝生をモチーフとし 、木製の集成材により和風建築的に構成された「鼓門」は、「伝統と創造のまち金沢」をイメージさせ、アルミ合金とガラスを素材とした「ガラスドーム」は、雨に濡れないようにそっと傘を差し出す金沢の人のやさしさ、もてなしの心を表現しています。これらが 、周辺の景観とも調和し、金沢の新たなシンボルとして、憩い・やすらぎ及びにぎわい創出に寄与する景観となっています。

平成17年 第12回いしかわ景観大賞受賞

金沢百万石まつりの行列は鼓門から出陣します・・・


設計者、建築家 白江龍三
「建築は、都市にちりばめられた文化の遺伝子です。建築にかかわる人たちの夢や工夫、心遣いが随所に現れて、建築を使うことを通して未来につながり、私たちの生活を裕かにしてくれています。私は、歴史を受けとめて、現代の最新の知見を交えて未来につなげる建築の実現を目指しています。特に、現代の課題である地球環境に適合する環境技術や先端技術も使って、理屈抜きに美しいとか、心地良いとか、楽しいと感じていただける建築の実現を目指して設計に取り組んでいます。」


石川県とは

石川県の概要(位置、魅力、自然)

位置

本県は北陸地方の中部に位置し、東は富山県及び岐阜県に、南は福井県に接し、北は能登半島となって日本海に突出しています。地形は、南西から北東に向かって細長く、東西100.9km南北198.4km、海岸線は約580.9kmの延長を有し、現在金沢市をはじめ11市8町の計19市町からなっています。


石川の魅力は、自然と文化の調和

南は白山国立公園※を源に発する手取川による肥よくな加賀平野、北は日本海に突き出た能登半島。 県都金沢は日本でも有数の城下町で、歴史の面影を残す一方、近代的な街づくりも進んでいます。


※白山国立公園

白山山頂 白山で最も古い時代に形成された大汝峰と紺屋ヶ池と油ヶ池


公園の特長

霊峰白山 ~雪と高山植物が彩る信仰の山~

指定:昭和37年11月12日
面積:49,900ha
富山県、石川県、福井県、岐阜県 


白山国立公園は、最高峰の御前峰(2,702m)、大汝峰(2,684m)、剣ヶ峰(2,677m)の3峰と周囲の山々を中心とした、およそ南北40km、東西30kmにわたる公園です。


標高1,600m以下の山麓にはブナを中心とした自然林が広がり、高山・亜高山帯にはハクサンフウロやクロユリなど、250種もの高山植物が見られ、原生的な自然環境が保たれています。


また、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、イヌワシといった大型野生鳥獣の生息地となっており、我が国有数の自然性の高い国立公園としてユネスコ「人間と生物圏(MAB)計画」に基づく生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に指定されています。


冬の白山は、北西の季節風がもたらす多量の雪に覆われます。
標高500m以上の山地には約6億トンもの積雪があると推定され、この雪が白山の自然を形作る大きな要素の一つであり、山麓部に豊かな恵みをもたらし、雪国の独特な景観や文化を育んでいます。


白峰重要伝統的建造物群保存地区

(白山に関連しておりますのでこちらにてご紹介いたします。)


白峰集落は、日本屈指の豪雪地という厳しい自然環境の中から、独特の文化を生み出してきました。 狭い河岸段丘上に家屋が密集する町並みは、日本の山村集落の中でも稀少な存在です。
2012(平成24)年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。黄土色の大壁と縦長窓が特徴の大庄屋・山岸家をはじめ、江戸から明治時代に建てられた民家が軒を並べます。
白山に抱かれた地に息づく独自の文化を体感することができます。


文化的景観とは

文化的景観とは,以下の文化財を指します。

地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(文化財保護法第二条第1項第五号より)


文化的景観は,日々の生活に根ざした身近な景観であるため,日頃その価値にはなかなか気付きにくいものです。文化的景観を保護する制度を設けることによって,その文化的な価値を正しく評価し,地域で護り,次世代へと継承していくことができます。 文化的景観の中でも特に重要なものは,都道府県又は市町村の申出に基づき,「重要文化的景観」として選定されます。


重要文化的景観に選定されたものについては,現状を変更し,あるいはその保存に影響を及ぼす行為をしようとする場合,文化財保護法により,文化庁長官に届け出ることとされています。ただし,通常の生産活動に係る行為や非常災害に係る応急措置等においては,この限りではありません。


また,文化的景観の保存活用のために行われるさまざまな事業,たとえば調査事業や保存計画策定事業,整備事業,普及・啓発事業に対しては,国からその経費の補助が行われます。


重要文化的景観の選定制度は,平成16年の文化財保護法の一部改正によって始まった,新しい文化財保護の手法です。
令和元年10月16日の官報告示時点で,全国で65件の重要文化的景観が選定されています。


重要文化的景観

(令和元年10月16日官報告示分まで)

地図10.金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化(石川県金沢市)
地図11.大沢・上大沢の間垣集落景観(石川県輪島市)


金沢の文化的景観 城下町の伝統と文化(石川県金沢市)

平成 22 年 2 月 22 日選定


現在の金沢市街地は「金沢御堂」の門前に形成された寺内町を始まりとし,その後に形成された近世城下町を基盤とします。城下町は,寛文・延宝期(1661~80)にほぼ完成し,その形態は「寛文7年金沢図」,「延宝金沢図」において確認することができます。


絵図が示す街路網は細街路に至るまで現状にほぼ一致し,城下町の町割や用水は現在の金沢市街地の街路及び街区の構造を決定しています。また,藩政期の金沢においては,三代利常,五代綱紀によって漆工,金工,陶芸などの制作が奨励され,御細工所を設けて生産品の芸術的な技術水準が高められたが,これらの多くは維新後に旧武家層によって商業化され,現在も金沢の主要な生業となっています。


重要伝統的建造物群保存地区

金沢市卯辰山麓重要伝統的建造物群保存地区


金沢市は石川県中部に位置し、市街地は小立野台(こだつのだい)の丘陵先端に築かれた城を中心に広がる。卯辰山麓は金沢城下に形成された3つの寺町のうちの1つで、金沢城の北東に位置し、近世を通じて金沢城下の寺町として機能しました。


卯辰山麓の寺町には、17世紀中期に至るまで段階的に寺院が配されたが、寺院は宗派ごとにまとまって配されました。延宝期(1673~1681)までには、寺町の町割と起伏ある山麓地形が相まって、独特な景観を形成していたとみられます。文政3年(1820)には、南西の一画に茶屋様式の町家が軒を連ねた、ひがしの茶屋町が成立したのでした。


寺町の街区は、北国(ほっこく)街道沿いや浅野川(あさのがわ)大橋の北東側に広がる平地部では整形で、山麓部では地形に制約され不規則な形態を呈したが、基本的には、北国街道から東側の各寺院へ向かって延びる参道と、それらを結ぶ数条の南北街路が町割を構成しました。


北国街道から寺院へ向かう参道を基本とした独特な寺町の町割は現在も残り、寺院境内に残る本堂は、切妻造平入や妻入の特徴的な外観を持つ本堂が多く、江戸時代のものが密度高く残っています。屋根は、当初の石置板葺屋根の緩勾配を維持するものもあります。

金沢市東山にある日蓮宗の寺院「妙倶山 全性寺」の山門。金沢市指定文化財。


保存地区は、東西約690メートル、南北約840メートル、面積約22.1ヘクタールの範囲で、浅野川の北側、北国街道の東側に位置する卯辰山麓の寺町のうち、平成13年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された、東山(ひがしやま)ひがし伝統的建造物群保存地区の範囲を除いた部分であり、保存地区内には、37寺2社が立地し、寺院周辺の町家とともにまとまりある町並みを形成しています。


金沢市卯辰山麓伝統的建造物群保存地区は、起伏ある山麓の地形にあって、北国街道から寺院へ向かって延びる参道を基本とした独特な寺町の町割に、江戸時代の切妻造平入や妻入の特徴ある寺院本堂が密度高く残り、寺院周辺の近世から近代にかけての町家とともに、卯辰山麓一帯に形成された寺町の歴史的風致を今日に良く伝え、我が国にとって大変に貴重です。


金沢市東山ひがし(茶屋町)重要伝統的建造物群保存地区


重要伝統的建造物群保存地区は文政3年(1820)に、犀川西側の「にし」とともに「ひがし」の茶屋町として浅野川の東につくられました。このときに、旧来の不整形な町割をあらため、整形な街区が形成されたのでした。街路に面して、一階に出格子を構え、二階の建ちを高くして二階に座敷を置く茶屋町らしい町家が連なり、全国でも数少ない茶屋町の風情をよく残している地区です。


金沢市主計町重要伝統的建造物群保存地区


主計町(かずえまち)は加賀百万石の城下町金沢の北東、旧北国街道と浅野川が交わる浅野川大橋のたもとに位置します。町名は加賀藩の重臣の屋敷地があったことに因むとされますが、江戸後期から昭和前期まで茶屋町的な地域として発展しました。

町家は切妻造平入の比較的建ちの高い二階建で、近代に三階を増築したものも多い。正面の庇や出格子、内部の数奇屋風の意匠などが往時の繁栄を伝えています。

長町地内を流れる大野町用水


以上のように,「金沢の文化的景観城下町の伝統と文化」は,わが国における城下町発展の各段階を投影した都市構造を現在まで継承し,街路網や用水路等の諸要素が現在の都市景観に反映されるとともに,城下町が醸成した伝統と文化に基づく伝統工芸等の店舗が独特の界隈を生み出す貴重な文化的景観であります。



大沢・上大沢の間垣集落景観(石川県輪島市)

平成 27 年 10 月 7 日選定

石川県輪島市 大沢・上大沢の間垣集落景観(間垣と石垣)

石川県輪島市 大沢・上大沢の間垣集落景観(冬の大沢集落)

急峻な山が日本海に直接迫る能登半島北側は,海から強い季節風を受ける地域であ り,多くの集落が内陸部に立地しています。その中で,大沢・上大沢の集落は湾を成す低地に位置し,後背の狭い谷地の限られた傾斜面に耕作地を有しています。


集落は平安時代以降 は志津良荘(しつらのしょう)に属していたと考えられます。
集落から離れた棚田では重労働を軽減するためにイナハザで稲を乾燥させてから運搬しているほか,海に面する集落の外周部には高さ4~5mの細いニガタケを垂直に立てて作った「間垣」※と呼ばれる垣根を設置し季節風から家屋を守っています。

石川県輪島市 大沢・上大沢の間垣集落景観(上大沢集落) 


現在でも稲作と並行して海藻採取等が続けられており日本海に面した地域の半農半漁の生活様式 の中で,里山の資源を耕作及び独特な形式の垣根として最大限に利用してきたことを示す大沢・上大沢の文化的景観は我が国の生活生業を知る上で欠くことのできないものです。


※間垣とは

奥能登各地に点在しているもので、輪島市では西保地区、皆月地区の一部の間垣が伝承されています。間垣というのは、高さ約5mの苦竹や真竹を割ったものを隙間なく並べた垣根のことで、冬の日本海から吹きつける季節風から家屋を守り、夏の暑い西日をさえぎるなどの効果があります。11月〜1月にかけて寒気が日本海から入り込み、強風が集落を襲うことから、毎年11月上旬頃に間垣の補修が行われます。

石川県輪島市 大沢・上大沢の間垣集落景観(間垣と石垣)

大沢町・上大沢町の「間垣」見学情報

住所 〒928-0054 石川県輪島市大沢町、上大沢町
電話番号 0768-36-2001(西保公民館)
定休日 なし
料金 無料
交通アクセス(車) 輪島市街地から海沿い県道38号線を進み約30分、竹で覆われた集落が目印
交通アクセス(公共) 道の駅輪島ふらっと訪夢から愛のりバス(西保行き)乗車、「大沢」または「上大沢」下車約30分
駐車場 大沢町…観光バス2台、乗用車約50台 上大沢町…乗用車約10台、EV車1台

備考

大沢町では土日祝に簡単な物販を行っています。また、食事場所はなく、トイレは西保公民館をご利用ください。上大沢町は大型バスも旋回できるすスペース、トイレがあります。

大沢町、上大沢町から輪島朝市まで車で約30分です。

参考

輪島朝市とは


岐阜県の高山朝市・千葉県の勝浦朝市とともに、日本三大朝市の一つに数えられている輪島朝市。朝8時から朝市通りには、新鮮な海産物をはじめ干物や野菜、民芸品などを扱う露店が、道の両側に所狭しと並び、その数は約200軒です。露店を開く場所は、親子で何代も引き継がれています。


売り手のほとんどが女性で、野菜などは近所の農家のおばちゃん、新鮮な魚介類は漁師町の女性たちが売りに出ます。輪島の女性は働き者で「亭主の一人や二人養えない女は甲斐性なし」と言われるほど。そんな元気な女性たちの「買うてくだぁー」の呼び声から始まる朝市は活気に満ちあふれています。ここで売られるものに「値札」はあまり付いておらず、値段は交渉次第。地元の人との会話を楽しみながら値切りをするのも朝市の醍醐味です。


「えがらまんじゅう」や「いしるせんべい」など朝市名物を食べ歩きするのも楽しみの一つ。 輪島朝市の起源は平安時代にさかのぼり千年以上続いているといわれています。歴史を経て、今もなお、にぎわいを見せる輪島の朝市、おいしいものやお土産を探しに訪れてみてはいかがですか。

本町通り商店街約300mの路上の両脇に約200件の露店が並ぶ輪島の観光名所「輪島朝市」

住所 石川県輪島市河井町1-115 


加賀市加賀東谷伝統的建造物群保存地区


石川県加賀市は石川県南西端に位置し、市内には、南端部の大日山(だいにちさん)に発する動橋川(いぶりはしがわ)と大聖寺川(だいしょうじがわ)が、市内の東西を北部海岸に向かって流れています。加賀市南部の山間部は、近世には大聖寺藩の奥山方(おくやまがた)に属し、動橋川沿いの東谷と、大聖寺川沿いの西谷を中心に21村が形成されていた。うち8村には炭役が課されて大聖寺藩の御用炭全てを生産し、近代から昭和前期にかけては山間部の大半の集落が炭焼きを主産業としていました。


昭和30年代以降、西谷におけるダム建設や、災害、離村などにより失われた集落もあるが、藩政時代より炭焼きを行い、東谷沿いに搬送した荒谷(あらたに)、今立(いまだち)、大土(おおづち)、杉水(すぎのみず)の4集落では、豊かな山林や、集落間のつながりを示す河川や旧道等と共に、歴史的環境が良好に残されてきました。


保存地区は、東西約5,280メートル、南北約4,950メートル、面積約151.8ヘクタールの範囲で、荒谷、今立、大土、杉水の4集落及びこれらを結ぶ河川、旧道から成る。各集落とも、地形に合わせて敷かれた道に沿って宅地を開き、その周辺の比較的平坦な土地を耕地とし、周辺の山林を背景に、狭隘な谷筋集落に独特な集落景観を見せています。


主屋は、加賀地方に広く見られる前広間型の間取りを持つ2階建ての切妻造妻入で、4面に下屋を廻らし、大屋根には煙出しを設け、屋根と庇を赤褐色の桟瓦で葺く。統一的な外観に加え、部屋境に太い通し柱を立てる強固な軸組も、特徴の一つを成しています。



金沢百万石まつりの詳しい内容は下記のリンク記事をご覧ください

ZIPANG TOKIO 2020「金沢百万石まつり 第67回 藩祖 前田利家公金沢城入場行列が開幕!」


白山信仰と白山比咩神社の詳しい内容は下記のリンク記事をご覧ください

ZIPANG TOKIO 2020「白山神社の総本宮『白山比咩神社』の奥宮が開山1300年を迎えました (続編その1)」


ZIPANG TOKIO 2020「白山信仰と白山比咩神社『奥宮』開山1300年を迎える (続編その2)」



鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使



協力(順不同・敬称略)

石川県 〒920-8580石川県金沢市鞍月1丁目1番地電話(代表)076-225-1111

公益社団法人石川県観光連盟
〒920-8580 石川県金沢市鞍月1丁目1番地TEL:076-201-8110

金沢市観光協会〒920-0858 金沢市木ノ新保町1番1号 金沢駅構内TEL:076-232-5555

輪島市観光協会〒928-0001 石川県輪島市河井町20−1−131TEL:0768-22-6588   

文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号 電話番号(代表) 03(5253)4111

環境省 〒100-8975 東京都千代田区霞が関1丁目2−2 電話: 03-3581-3351



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